お花見がもっと楽しくなる! 桜の豆知識

カンザクラ

カンザクラ

カンザクラは野生種のヤマザクラとカンヒザクラの交雑によって生まれた桜といわれています。早咲きの桜の中でも最も早く咲くのが特徴。花はごく淡いピンク色で花弁の大きさは13mm程度。花全体の直径は約25mm。縁が内側に巻き込んでいるのが特徴。まだ寒風吹きすさぶ街に、いち早く春の訪れを知らせてくれる姿が健気!


東京での開花時期のめやす:2月上旬~2月下旬

主な分布地域:関東地方より南の暖地

花の大きさ:21mm~28mm

花弁の数:5枚

花の色:淡紅色

葉の特徴: 縦6~12cm、横3~6cmほど。先の部分が急に細まる形状。

その他:早咲きの桜を総称してカンザクラと呼ぶこともある。



▼カンザクラのおもな名所


神代植物公園(調布駅 / つつじヶ丘駅 / 三鷹駅)


小石川植物園(白山駅 / 茗荷谷駅)


北の丸公園(九段下駅 / 竹橋駅)

オオカンザクラ

オオカンザクラ

カンザクラより10日以上遅れて咲くのがオオカンザクラ。カンヒザクラとオオシマザクラの交雑によってできた桜とされています。花の大きさは30mm程度で一重咲き。埼玉県川口市安行で誕生したことから、“アンギョウザクラ”と呼ばれることも。関東地方の公園などでよく見られるポピュラーな桜です。


東京での開花時期のめやす: 3月下旬

主な分布地域:関東地方

花の大きさ:25mm~35mm

花弁の数:5枚

花の色:濃いピンク

葉の特徴: 縦6~12cm、横幅3~6cmほど。

その他:枝は傘状に広がり 、樹高は10mくらいに育つものも。



▼オオカンザクラのおもな名所


隅田公園(浅草駅)


新宿御苑(新宿御苑前駅 / 新宿三丁目駅 / 新宿駅 / 千駄ヶ谷駅)


神代植物公園(調布駅 / つつじヶ丘駅 / 三鷹駅)

カワヅザクラ

カワヅザクラ

カンヒザクラとオオシマザクラの自然交雑種と考えられています。発見された静岡県河津町では天然記念物に指定。毎年2月には「河津桜まつり」が開催され、多くの観光客が訪れます。花は濃いピンク色で直径4〜50mmと大輪。1カ月ほど楽しめます。東京都江戸川区の旧中川沿いには、275本の並木があります。


東京での開花時期のめやす:3月上旬~3月中旬

主な分布地域:静岡県を中心とする太平洋沿岸

花の大きさ:30mm~50mm

花弁の数:5枚

花の色:紫紅色。

葉の特徴: 縦10~12cm、横幅6~7cmほど。

その他:花弁が大きく、色も濃いめなので華やかな印象。



▼カワヅザクラのおもな名所


旧中川沿い(亀戸水神駅) ※亀戸中央公園そば


椿山荘(江戸川橋駅)


新宿御苑(新宿御苑前駅 / 新宿三丁目駅 / 新宿駅 / 千駄ヶ谷駅)

カンヒザクラ

カンヒザクラ

台湾や中国南部、東南アジア原産の野生種。濃く鮮やかなピンク色であまり開かない花弁が特徴。もともとはヒカンザクラ(緋寒桜)という名前でしたが、ヒガンザクラと混同しやすいことからカンヒザクラ(緋寒桜)と呼ばれるようになったとか。南の地域では旧暦の正月頃に咲くことから、元旦桜という別名もあります。


東京での開花時期のめやす:2月下旬~3月中旬

主な分布地域:日本では沖縄県で自生。

花の大きさ:15mm~20mm

花弁の数:5枚

花の色:濃い紅紫色

葉の特徴: 縦6~12cm、横幅3~5cmほど。

その他:花は下向きに咲き、散るときは萼(がく)ごと落ちる。



▼カンヒザクラのおもな名所


向島百花園(東向島駅 / 曳舟駅 / 京成曳舟駅)


清澄庭園(清澄白河駅 / 森下駅 / 門前仲町駅)

シダレザクラ

シダレザクラ

日本固有の野生種であるエドヒガンのうち、枝が下向きに垂れた品種を一般的にシダレザクラといいます。風になびく独特の風情が特徴。別名、糸桜(イトザクラ)ともいい、松尾芭蕉は「半日の雨より長し糸桜」と詠みました。紅色の強いベニシダレ、さらに八重咲きするヤエベニシダレなどもあります。


東京での開花時期のめやす:3月~4月

主な分布地域:本州、四国、九州の各地

花の大きさ:20mm~30mm

花弁の数:5枚

花の色:淡紅色

葉の特徴: 縦4~10cm、横幅2~4cmほど。

その他:枝の成長が早いものがシダレザクラになるといわれている。



▼シダレザクラのおもな名所


六義園(駒込駅 / 千石駅)


小石川後楽園(後楽園駅 / 飯田橋駅 / 水道橋駅)


世田谷東光山妙法寺(祖師ヶ谷大蔵駅)

ソメイヨシノ

ソメイヨシノ

エドヒガンとオオシマザクラとが交雑した園芸品種です。名前の由来は、江戸の染井村にあった植木屋が、奈良の吉野山の桜にちなんで「吉野桜」という名前で売り出したことから。しかし吉野山の桜はヤマザクラであることから、区別するために「染井」をつけてソメイヨシノになったそうです。


東京での開花時期のめやす:3月下旬~4月上旬

主な分布地域:北海道南部から九州までの各地

花の大きさ:30mm~40mm

花弁の数:5枚

花の色:白に近い淡紅色

葉の特徴: 縦7~11cm、横幅4~6cmほど。

その他: 枝は横にのびて傘状に広がる。



▼ソメイヨシノのおもな名所


上野恩賜公園(上野駅)


芝公園(芝公園駅 / 赤羽橋駅 / 御成門駅)


代々木公園(明治神宮前〈原宿〉駅 / 原宿駅 / 代々木八幡駅 / 代々木公園駅)

ヤマザクラ

ヤマザクラ

西日本で一般的な野生種。花の色は、白もしくは薄い紅色。開花と同時に赤味を帯びた若葉が開きます。江戸時代にソメイヨシノが登場するまでは、桜といえばヤマザクラ。一斉に咲くソメイヨシノに比べると開花時期に個体差があるため、当時のお花見は現在のような短期集中型ではなかったかも?


東京での開花時期のめやす:3月下旬~4月中旬

主な分布地域:西日本を中心とする温暖な地域

花の大きさ:30mm~40mm

花弁の数:5枚

花の色:淡紅色

葉の特徴: 縦8~12cm、横幅3~5cmほど。

その他: 山に自生する桜を総称してヤマザクラと呼ぶことがある。



▼ヤマザクラのおもな名所


光が丘公園(光が丘駅)


善福寺川緑地・和田堀公園(永福町駅 / 西永福駅)


水元公園(金町駅)

ヤエザクラ

ヤエザクラ

八重咲きする桜を総称してヤエザクラといいます。さまざまな品種があり、代表的なものにはカンザン、イチヨウ、フゲンゾウなどがあります。花のシルエットは丸みを帯び、ソメイヨシノよりもピンク色が濃いものが多いです。清楚なイメージのソメイヨシノとはまた違った華やかさが魅力です。


東京での開花時期のめやす:4月上旬~4月下旬

主な分布地域:関東地方

花の大きさ:45mm~55mm

花弁の数:25 ~50枚 花の色:濃い紅紫色

葉の特徴: 縦7~15cm、横幅5~7cmほど。

その他:桜の塩漬けは七分咲きのカンザンが用いられることが多い。



▼ヤエザクラのおもな名所


新宿御苑(新宿御苑前駅 / 新宿三丁目駅 / 新宿駅 / 千駄ヶ谷駅)


浜離宮恩賜庭園(汐留駅 / 築地市場駅 / 新橋駅)


桜新町駅前通り(桜新町駅)



【参考文献】

大原隆明(2009). 『サクラハンドブック』. 文一総合出版

本記事内の情報に関して

※本記事内の情報は2023年03月07日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
※本記事は2022年03月07日に公開した内容を一部加筆・修正した上で、2023年03月07日に再公開しております。
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