神社仏閣を巡る「上野お散歩コース」。おさえておきたい定番はココ！

上野駅公園口を出たら「上野恩賜公園」へ。最初に向かうのは園内にある「上野東照宮」です。

寛永4（1627）年創建の徳川家康をお祀りする神社で、江戸幕府を築いた家康公にあやかり、出世や勝負運、健康長寿のご利益があるとされています。敷地内にある主要な建物は江戸の大火や関東大震災、戦災をくぐり抜けて今に至るため特別な強運を持っているというウワサも！

境内随一の見どころは金箔を贅沢にほどこした社殿。その輝きから“金色殿”とも呼ばれています。

また、随所にほどこされた精緻な彫刻も必見です。唐門の柱に彫られた昇り龍・降り龍は、日光東照宮の「眠り猫」も彫った左甚五郎の作。夜になると柱から抜け出て不忍池の水を飲みに行くという伝説があります。

上野東照宮を後にしたら、動物園通りを歩いて次の目的地「花園稲荷神社（旧称：忍岡稲荷神社）」へ。参道には何本もの朱の鳥居が連なり、その日本らしい雰囲気が海外の方からも支持されている神社です。

鳥居をくぐり抜けた先には、本殿がひっそりとたたずんでいます。花園稲荷神社は、職場や学校など、あらゆる人間関係の縁を結んでくださると伝わるため、恋愛に限らず良縁を授かりたいというすべての方にオススメです。

ちなみに、本殿を参拝した後に必ず足を運んでおきたいのが「穴稲荷」と呼ばれる旧跡地。入口には赤い扉があり、知らないと素通りしてしまうような小さな祠で、“縁がないと入れない”ともいわれる場所です。中は暗がりになっていて小さなお社がありますが撮影禁止なのでご注意を。

再び動物園通りを歩き、横断歩道前の階段を上って「清水観音堂（きよみずかんのんどう）」を目指します。

こちらは寛永8（1631）年に京都の清水寺を模して建てられた舞台造りのお堂。上野に現存する最古の建造物としても知られ、国の重要文化財に指定されています。

本尊は京都の清水寺から遷座された千手観世音菩薩。脇尊には子育て観音がお祀りされていることから子宝や安産、子育てのご利益があるといわれています。

ぜひ注目しておきたいのが、境内に植えられている枝が丸く歪曲したこちらの松。「月の松」と呼ばれ、その姿は歌川広重の「名所江戸百景」にも描かれています。

不忍池沿いを進み、湯島方面へ向かえば、最後の目的地「湯島天満宮（湯島天神）」が見えてきます。

学問の神様として有名な菅原道真をお祀りし、江東区の「亀戸天神社」、国立市の「谷保天満宮」と合わせて関東三大天神の一つに数えられる由緒ある神社です。

受験生も多く訪れるこちらの一番人気のお守りは「学業成就守」。1本ごとに勉学に対する戒めが記された「学業成就鉛筆」も人気の授与品です。

春先には「梅まつり」が、毎年11月頃には「文京菊まつり」が開催されることでも知られます。「文京菊まつり」では一株から多数の花を咲かせて一つの花のように見せる“千輪咲”など、多種多様な菊が展示されます。

上野の神社仏閣4カ所を巡る、合計移動距離2kmほどのお散歩コースを紹介しました。余裕があれば上野公園内にある「上野大沸」や花園稲荷神社に隣接する「五條天神社」に立ち寄るのも良いかもしれませんね。それぞれのスポットの歴史に触れて、充実した時間を過ごしてみては。