日本トップクラスの歴史と規模!自然史と科学技術史を学べる国立唯一の総合科学博物館/国立科学博物館

国立科学博物館

上野駅の公園口を出て徒歩5分ほどのところにある「国立科学博物館」(以下、科博)は、自然史と科学技術史に関する国立唯一の総合科学博物館。その規模は日本最大級で、490万点以上の資料を保管し約2万5,000点を常設展示しています。


科博は1877年に「教育博物館」として開館。改称や移転を数回繰り返して1949年に現在の名称となりました。

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さっそく入館・・・の前に、まずは館の周りをチェック!実は科博の展示はすでに始まっています。


建物の周辺には1975年まで運行していた「D51形蒸気機関車」や、日本初の人工衛星を打ち上げた「ラムダ・ロケットランチャー」など大型の展示が点在。さらに「大型鋳造地球儀」も見どころです。フルモード鋳造という高度な製造技術で作られ、中に鎮座する金色のフクロウはとてもキュートで必見です。

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屋外展示を眺めたら階段を降りて地下1階へ。施設に入ったら、まずはチケットを購入。個人での入館は一般・大学生が630円で、65歳以上と高校生(高等専門学校生含む)以下は無料。これは常設展示のみのチケット料金で、特別展には別途チケット料金が発生します。


常設展示は日本の生態系や日本人の歴史などを学べる「日本館」と、地球の自然や科学技術の発展などを学べる「地球館」の二施設で展示。見どころはあまりに多すぎるので、個人的にイチオシの展示を中心にレポートします。「想像力の入口」という科博シンボルマークのキャッチコピーにふさわしい展示ばかりですよ。

日本列島の生い立ちや日本人の変遷を辿って楽しむ「日本館」

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まず注目したいのは、「日本館」の建物。1931年に建てられ、2008年に国の重要文化財に指定されています。建築はネオルネサンス式で、館内中央は吹き抜けに。天井はドーム型で、白い壁とステンドグラスで彩られ、まるで海外の教会のようです。


さらに日本館を上空から見ると飛行機型になっているというのもポイント。建物も貴重だなんて、さすが歴史ある博物館ですね。

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日本館は地下1階から地上3階まで。常設展示は地上1階から3階で展示されています。歴史を辿るなら化石などの展示物が多い3階からの観賞がオススメです。


日本館では日本の生物や自然、日本人について展示しており、中でも目玉となるのは日本で初めて化石が発見された首長竜で「フタバスズキリュウ」。3階北翼「日本列島の生い立ち」エリア入口に置かれるのは復元標本ですが、実物の化石も一部展示されています。同エリアに展示されているアンモナイトの化石は触ることもできるので、こちらも注目!

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2階北翼では、日本の動物や日本人の変遷を学べます。ユニークだったのは「日本人と自然」エリア中央に置かれた日本人の模型。港川人から近世人まで並んでいるのですが、現代人の部分は空っぽ。


実はコレ、中に入って「現代人」として撮影できるんです!記念にも話のタネにもなるので、友達と撮影し合いましょう!

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日本館の1階南翼にある「自然をみる技」エリアも見逃せません。時計や地震計、天球儀など日本人が生み出した観測技術を展示するエリアで、その入口に展示される「トロートン天体望遠鏡」は必見。重要文化財にも指定されており、クラシックにも真新しくも見えるシルエットは歴史を知らなくても見惚れてしまいます。


なお、これらの展示物には解説文が添えられていて、音声ガイドやタブレット端末の「かはくナビ」もレンタル可能(320円)。その場で気軽に勉強できちゃいます。


まずは展示物を自然と人による“アート作品”として鑑賞し、気になったり興味のあるものはその歴史を学ぶ・・・。肩肘はらず、自然体で楽しみましょう。

スケールの大きい展示に感動!恐竜から宇宙開発技術まで学べる「地球館」

国立科学博物館

レトロな雰囲気の日本館に対し、「地球館」は2015年7月にリニューアル。近代的な装いとなっています。


建物は地下3階から地上3階まであって、地球環境と科学技術の発展に関する展示がズラリ。日本館以上のボリュームです。とくに見ておきたいのは地下1階の「恐竜の謎を探る」エリアでしょう。ティラノサウルスやステゴサウルスなどの骨格標本は迫力満点!その大きさに恐竜好きでなくともテンションが上がること間違いなしです。

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そしてイチオシは2階の「科学技術で地球を探る」エリア。ここでは光や磁気など物理学の体験型展示が多く用意され、科学の知識を肌で感じることができます。

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そんな同エリアの中でも、体験しておきたいのが「観測ステーション」。世界の大気の様子や太陽の活動、地震の情報などを準リアルタイムの状態で観測できます。地球を宇宙から眺めているような、宇宙飛行士気分を味わえちゃいます♪


その隣にある「科学と技術の歩み」エリアも見逃せません。実験衛星の実物や小惑星探査機「はやぶさ」の実物大復元模型など宇宙関係も展示されています。


日本館と合わせ、恐竜から最新科学まで地球と人類に関する知識が盛りだくさんの地球館。両施設を周り終わった頃には、どこかロマンティックな気持ちに浸れることでしょう。

他にも気になる展示・施設が盛りだくさん!

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さて日本館と地球館の常設展示について紹介してきましたが、両館には他にもチェックしたい展示があります。例えば、日本館の地下1階にある「フーコーの振り子」。19.5mのステンレス線に49.6kgのステンレス球をぶら下げたもので、地球の自転を確認できます。


階段の手前にあって見落とされがちですが、科学史に残る偉大な発見をした装置ですので、ぜひ見学しておきたいところ。

国立科学博物館

▲写真提供:国立科学博物館

他の展示に負けず劣らずの人気を誇るのが日本館の地下1階にある「イセ食品 シアター36◯」。もともとは2005年の「愛・地球博」で公開された「地球の部屋」を移築したもの。直径12.8mのドーム型で、360度スクリーンの世界初となる映像施設です。


上映するのは深海や宇宙、恐竜などをテーマにした7本のオリジナル映像。毎月1本ずつ月替りで流しており、一回の上映時間は6分ほど。上映は9時30分(初回)~16時30分(最終回)で、定員40名の先着順。気になる人は早めに見学するのがベストでしょう。

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これだけ広い施設なので、休憩スポットも充実。地球館屋上の「ハーブガーデン」はちょっとした癒やしのスポットです。ウッドデッキに囲まれたシンプルな空中庭園には約150種類のハーブが植えられているそう。晴れた日は、外でお茶を飲みながらのんびり休むのも良いかも。

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地球館の中2階では「ムーセイオン」というレストランが営業しています。奥の席からは地球館1階に展示されるクジラの標本も眺められます。料理は上野の老舗「精養軒」が担当。この非日常空間で食事をすれば、さらに楽しい時を過ごせるはず。


他にも日本館地下1階にはラウンジとカフェも。疲れた時の休憩スポットには事欠きません。

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帰る前に訪れたいのは日本館地下1階にある「ミュージアムショップ」。雑貨や本だけでなく、お菓子や本物の化石まで様々なグッズが販売されています。

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その中でも人気なのが「食物連鎖シリーズ」。森と海、二種類の食物連鎖を可愛らしく描いたグッズで、ファイルやマスキングテープ、トートバックなどがラインナップされています。お土産にはもちろん、一緒に来た思い出に友達とおそろいのものを買ってみるものアリでしょう。

まとめ

国立科学博物館

今回は私がイチオシの展示を紹介しましたが、常設展示だけでも見どころは目白押し。日本に落ちた隕石や鉱物、「忠犬ハチ公」の剥製、アメリカから寄贈された「月の石」など見応えのある展示が、まだまだたくさんあります。


館内は無料のロッカーが設置されていたり、ファミリー用に授乳室やお子さんと楽しめる展示エリアがあったり・・・とホスピタリティも◎です。


一日ではとても足りないくらい魅力的な国立科学博物館。友達を誘って好奇心を刺激される、知的な休日を楽しんでみては。

国立科学博物館
  • 所在地

    東京都台東区 上野公園7-20

  • 最寄駅

    上野

  • 営業時間

    9:00~17:00 ※入館方法について、最新情報は公式HPでご確認ください

  • 電話番号

    050-5541-8600

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取材・文/ナツ(DOCUMENT)

撮影協力/国立科学博物館

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※本記事は2022年06月20日時点の情報です。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
※本記事は2021年06月14日に公開した内容を一部加筆・修正した上で、2022年06月20日に再公開しております。
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