喫茶ライターがナビゲート。話題の複合施設で味わう昔ながらのパン/ペリカンカフェ 麻布台ヒルズ店
喫茶ライターの川口葉子です。本記事では、2023年11月開業の麻布台ヒルズにオープンした「ペリカンカフェ 麻布台ヒルズ店」の魅力をお届けします。
昭和17(1942)年に創業した「パンのペリカン」は、変わらぬおいしさで多くのファンを魅了する浅草の老舗ベーカリー。麻布台ヒルズのタワープラザ1階に位置するペリカンカフェは、浅草店に続く2店舗目の直営カフェです。
それではさっそく、パンのペリカンの4代目である渡辺陸さんにうかがったおいしさの秘密と、麻布台ヒルズ店だけのスペシャルメニューをご紹介しましょう。
ペリカンのパンは、毎日食べても飽きないおいしさが身上。パン単体として主張しすぎず、合わせる食材を引き立てる包容力と、もちもちした食感はまさに「ごはんみたいなパン」。昔ながらの製法でつくられた食パン1斤を手にのせると、想像以上に重みを感じます。
このパンを使った麻布台ヒルズ店だけのメニューは、11時から注文できる「エビフライサンド」(1,400円)と「醤油レーズンあんバターサンド ゴルゴンゾーラ入り」(1,200円)の2品。どちらにも楽しい驚きが待っています。
ぷりっとした海老とキャベツの千切りをはさんだ「エビフライサンド」は、バルサミコソースと特製マヨネーズのこっくりした風味に、時おり実山椒がぱっと香りたつ粋な構成です。「オリジナルブレンドコーヒー」(580円)はもちろんのこと、「ビール」(800円)と合わせるのも最高!
「あんバターサンド」は、ゴルゴンゾーラチーズと組み合わせて、意外性のある大人好みのおいしさに。こしあんの中から醤油レーズンが顔をのぞかせ、甘みと塩味のアクセントを添えてくれます。
▲網焼きトースト(ドリンク付セット)
8時30分から11時までのモーニングメニューでは、浅草店で大人気の「網焼きトースト」(単品520円、ドリンク付860円)や、「浅草ハム」の分厚いハムカツをはさんだ「ハムカツサンド」(1,100円)が楽しめます。
11時からのグランドメニューには上記に加え、「フルーツサンド」(1,200円)なども勢ぞろい。フムスのディップ(450円)など、軽い”パン呑み”にぴったりの小さな単品も見逃せません。混雑を避けてゆったり過ごしたい場合は、夕方以降にどうぞ。
▲右上:株式会社ペリカン 渡辺陸専務取締役
ペリカンの4代目を継承した渡辺陸さんにおいしさの秘密を訊ねると、「なにか特別な材料や凝った製法があるわけではないんです」という答えが返ってきました。
「おいしさは丁寧な小さな仕事の積み重ね。毎日同じようにパンの仕込みをしているわけではなく、水やイーストの量、発酵温度、窯に入れるタイミングなど、その日の気温や湿度によって職人が細かく調整しているから、流れ作業ではできない。そこにちゃんと気持ちがあることが大事。カフェでもキッチンから接客まで、みんなで小さな手間を省略せずに積み重ねたいと考えています」という言葉に、誠実な姿勢を感じました。
ちなみに“ペリカン”とは、2代目の渡辺多夫さんのニックネーム。多夫さんは陸さんの祖父にあたる人物で、いつも夕食後にパンを食べていたそう。自分がつくったパンが大好きだったのです。
「じつは私も弟もそうなんです」と陸さんは笑います。「自分たちのパンを食べては、やっぱりおいしいなと思っています」。
少しでも味が落ちれば、子どもの頃からずっとペリカンのパンを食べ続けている人々はすぐに気づいてしまう。めまぐるしく新商品を開発するのではなく、受け継いだ味を大切に守りながら、カフェで食べ方の新しい提案をしていきたい、と陸さん。
決して華やかではないのに心を惹きつけてやまないパンのおいしさの秘密を、ちょっと理解できたように感じました。日本一高いビルが輝く都心の複合施設へ、下町の昔ながらのパンを楽しみに出かけてみませんか。
〒106-0041
東京都港区麻布台 1-3-1 麻布台ヒルズ タワープラザ1F
六本木一丁目駅
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