そもそも「吉原」って?

「吉原」と聞くと、江戸時代から続く地名のことだと思う人も多いかもしれません。しかし、吉原という地名(住所)はありません。


では「吉原」とは何のことかというと、江戸幕府によって公認された"遊郭”のこと。


最初は日本橋近く(現在の中央区日本橋人形町)に作られましたが、「明暦の大火」(1657年)を機に、より江戸の中心部から離れた浅草寺裏(現在の台東区千束)に移転されました。現在では前者を「元吉原」、後者を「新吉原」と呼んでおり、一般的に「吉原」というと後者を指すことが多いです。


そんな「新吉原」界隈には、"吉原遊郭”の名残を感じられるスポットがそこかしこに。各スポットを訪ね歩けば、華やかな遊女たちでにぎわった江戸時代にタイプスリップできるかもしれません。


というわけで、近年はNHK大河ドラマや有名アニメの舞台としても注目を集めた同界隈の名所をいくつかご紹介します!

【1】見返り柳

吉原ってどこ?遊郭の街「吉原」を知る観光スポット5選_3484161

吉原名所の一つ。散策のスタート地点にも◎

吉原散策のスタート地点にもピッタリなのが、吉原大門交差点付近に立つ「見返り柳」。東京メトロ・三ノ輪駅から徒歩約12分、鶯谷・入谷・三ノ輪の各駅を通る台東区循環バス「北めぐりん」の「吉原大門」停留所からすぐの場所にあります。


"吉原遊郭”の名所の一つとして知られるこちら。遊び帰りの客が、後ろ髪を引かれる思いでこの木の周辺で遊郭を振り返ったことから、その名が付けられました

吉原ってどこ?遊郭の街「吉原」を知る観光スポット5選_3484162

なお、かつては吉原遊郭の入り口付近(山谷掘の土手沿い)にあった「見返り柳」ですが、震災や戦災に伴う区画整理を経て、現在の地(吉原大門交差点)へ植樹されたのだとか。現在の木は6代目にあたります。


柳の下には、「見返り柳」と彫られた石碑と案内板も設置されています。なお、青々とした葉の茂った柳らしい風情を堪能したい場合は、夏場に訪れるのがオススメです。

スポット
見返り柳

〒111-0031
東京都台東区千束 4-10-8

三ノ輪駅

〒111-0031
東京都台東区千束 4-10-8

三ノ輪駅

【2】吉原大門跡

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“吉原遊郭”唯一の入り口。周辺の見どころも楽しんで

吉原大門交差点から西に延びる「仲之町通り」を100mほど歩くと、道の両脇に「よし原大門」と書かれた2本の柱が見えてきます。この場所こそ、“吉原遊郭”の唯一の入り口だった「吉原大門」があった場所です。


現在は2本の柱を残すのみとなっていますが、周辺に目をやると、当時の名残を感じることができます。例えば、柱のすぐそばには交番がありますが、ここはかつて遊女の逃亡を監視する「四郎兵衛番所」があった場所なのだとか。

吉原ってどこ?遊郭の街「吉原」を知る観光スポット5選_3484164

また、見返り柳のある吉原大門交差点からここに到着するまでの道のりは、不自然に曲がりくねっています。これは一説によると、「将軍や大名が街道を通る際、遊郭を見渡せないようにするための配慮」だったといわれています。


花魁道中(最上位の遊女が馴染み客を迎えるために行った豪華な行列)を行う遊女がいた一方で、死ぬまで門の外に出ることを許されない遊女たちも多くいたと伝わる"吉原遊郭”。そんな悲喜こもごもを、この地で感じてみてはいかがでしょうか。

スポット
吉原大門跡

〒111-0031
東京都台東区千束 4-33番地付近

三ノ輪駅

〒111-0031
東京都台東区千束 4-33番地付近

三ノ輪駅

【3】吉原神社

▲吉原神社

▲吉原神社

遊女たちの信仰を集めてきた吉原の総鎮守

吉原大門跡がある「仲之町通り」の最奥部にある「吉原神社」も、吉原散策では外せないスポット。遊女たちの信仰を集めてきた吉原の総鎮守です。


吉原遊廓の大門の手前にあった「吉徳稲荷社」と、廓内の4角にあった「榎本稲荷神社」「明石稲荷神社」「開運稲荷神社」「九郎助(クロスケ)稲荷神社」を合祀する神社として、明治14(1881)年に創建された同社。開運や縁結び、商売繁盛、技芸の上達などのご利益があると評判です。

▲春の様子(中央の桜が逢初桜)

▲春の様子(中央の桜が逢初桜)

境内には、吉原の街並みや花魁道中の写真などが展示されており、当時の様子を窺い知ることもできます。


また、鳥居の脇に立つ「逢初桜(アイゾメザクラ)」は、“恋焦がれる人に初めて逢う”という意味が込められているご神木(平成期に植樹)。先述した「見返り柳」と合わせ、“廓(くるわ)の三雅木(さんがぼく)”として広く知られています

スポット
吉原神社・吉原弁財天

〒111-0031
東京都台東区 千束3-20-2

三ノ輪駅

〒111-0031
東京都台東区 千束3-20-2

三ノ輪駅

【4】浄閑寺

▲山門

▲山門

遊女たちを供養してきたことで知られるお寺

これまで紹介した名所から少し離れた、東京メトロ・三ノ輪駅すぐの場所にある「浄閑寺(ジョウカンジ)」。こちらも、“吉原遊郭”とゆかりのあるスポットです。


明暦元(1655)年、浄土宗のお寺として創建したこちら。安政2(1855)年の大地震で犠牲になった遊女たちの遺体が投げ込むように葬られたことから、通称“投込寺”の名で広く知られています

  • ▲「新吉原総霊塔」

    ▲「新吉原総霊塔」

  • ▲「花又花酔句壁」

    ▲「花又花酔句壁」

境内には、遊郭にちなんだ見どころも多数。遊女の慰霊のために建てられた「新吉原総霊塔」には、江戸末期~大正時代に活動した俳人・花又花酔による、遊女の悲惨な境遇を嘆くような句が刻まれています。


また、明治時代に活躍した小説家の永井荷風は、遊女の暗く悲しい生涯に思いを馳せて、この寺を度々訪問していたそう。そうした縁から、荷風の詩碑や塚などの史跡もあります。

スポット
浄閑寺

〒116-0003
東京都荒川区南千住 2-1-12

三ノ輪橋駅

〒116-0003
東京都荒川区南千住 2-1-12

三ノ輪橋駅

【5】浮世絵カフェ 蔦重

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蔦屋重三郎が手掛けた浮世絵がズラリ

吉原散策の小休憩にピッタリなのが、「浮世絵カフェ 蔦重」。仲之町通り沿いにあり、「吉原大門跡」や「吉原神社」からも徒歩数分の場所にあります。


実はこちら、大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(2025)の主人公・蔦屋重三郎(以下、蔦重)が立ち上げた地本問屋「耕書堂」の“ほぼ"発祥地にあるカフェなんです。

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江戸の版元として偉大な功績を遺した蔦重。その功績を物語るように、店内には蔦重がプロデュースした歌麿、写楽、北斎といった浮世絵師の代表作が展示・販売されています。


店内では、ハンドドリップ珈琲や自然栽培で作られたお茶を飲みながら、ゆっくりと作品を鑑賞することが可能。江戸時代に吉原で食べられていたおやつを再現した「竹村伊勢 最中の月」などのフードメニューもありますよ。

スポット
浮世絵カフェ 蔦重

〒111-0031
東京都台東区千束 4-11-16 ササジマビルディング1階

三ノ輪駅

〒111-0031
東京都台東区千束 4-11-16 ササジマビルディング1階

三ノ輪駅

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