3,000基以上の古墳を巡ってきた古墳シンガーがナビゲート!

「古墳は空から見ないと意味がない」「歴史苦手だから無理」・・・いえいえ、そんなことはないのです。1500年前には16万基も造られたという古墳は、現在でもコンビニの約3倍の数があり、実は今でも身近に残る“誰でも楽しめる”存在なのです。


本記事では、古墳シンガーで「古墳にコーフン協会」会長の私まりこふんが、秋のおでかけにオススメしたい、お祭りとセットで楽しめる古墳をご紹介します。

道すがら埴輪モニュメントがお出迎え/芝山古墳群

▲芝山古墳群の中の1基「殿塚古墳」。スッキリしていて登りやすそう

▲芝山古墳群の中の1基「殿塚古墳」。スッキリしていて登りやすそう

暑い暑い夏も終わり、いよいよ古墳シーズン到来です!


夏はもさもさと草が生い茂るため墳丘の形が分かりにくいのですが、秋になるとスッキリとし、形が分かりやすくなるだけでなく、登りやすくもなります。「よし、墳活だー!」となりますが、どうせならば2倍、3倍楽しめる墳活をしてみませんか?


本記事でご紹介したいのが、古墳に加えて埴輪も祭りも楽しめる「芝山古墳群」です。

▲道路の脇に突如現れる埴輪モニュメント

▲道路の脇に突如現れる埴輪モニュメント

▲橋の柵にもよく見ると埴輪がいる

▲橋の柵にもよく見ると埴輪がいる

千葉県芝山町には「芝山はにわ道」という名の付いた、芝山古墳群のそばを通る道路(県道62号線)があります。


芝山はにわ道の両脇には、写真のように埴輪のモニュメントが所々に並んでいます。古墳・埴輪の町に来たんだなぁとワクワクする道です。

▲段築がわかりやすい「殿塚古墳」

▲段築がわかりやすい「殿塚古墳」

▲なめらかなフォルムの「姫塚古墳」

▲なめらかなフォルムの「姫塚古墳」

芝山古墳群は4基の前方後円墳と13基の円墳の合計17基の古墳から成り、国指定史跡に指定されている古墳群です。


そんな芝山古墳群の中でも、写真の「殿塚古墳」と「姫塚古墳」は代表格。前方後円墳がこんなに近くに寄り添うよう仲良く平行に並んでいるのは珍しく、名前も大きい方(全長88m)が"殿塚”で、小さい方(全長58.5m)が"姫塚”というところもかわいくて、キュンとしてしまいます。


殿塚古墳は段築(途中にテラスがある階段状の墳丘の盛り方)が分かりやすく、ゴツゴツしていてカッコイイ!それに対して姫塚古墳はなめらかなフォルムが美しく、やさしい感じを醸し出しています。


どちらも登ることができるので、大きさを体感できるし、殿塚より後に造られた姫塚に登って「古代人たちは殿塚古墳を見てどんなことを思いながらこの古墳を造っていたのだろう」なんていう妄想をしながら殿塚を眺めると、古代世界により近づくことができますよ。

古代人が古墳に“降臨”する、年に一度の「芝山はにわ祭」

▲殿塚古墳の墳頂に“降臨”する古代人たち。古代服やメイクのクオリティーが非常に高い

▲殿塚古墳の墳頂に“降臨”する古代人たち。古代服やメイクのクオリティーが非常に高い

そんな殿塚古墳に古代人たちが"降臨”するのが、毎年11月の第2日曜日に開催されている「芝山はにわ祭」です!


地元の方々などが古代人に扮して殿塚古墳に降臨し、芝山仁王尊から芝山公園へと移動、各所で現代人と交流するという、ほかでは類のないスペシャルなお祭りです。2024年の「芝山はにわ祭」は11月10日(日)に開催されます。

▲写真提供:芝山はにわ祭実行委員会(芝山町)

▲写真提供:芝山はにわ祭実行委員会(芝山町)

例年たくさんの出店や催しがあり、中には普段は販売されていない古墳や埴輪にまつわる商品も並ぶので、この日に訪れれば墳活も2倍3倍楽しめます!


「古代人こっち~」とバスに誘導されている古代人たちのお姿もなかなか味わい深いですよ。

地域特有の個性的な埴輪が並ぶ博物館も必見

  • ▲芝山町立芝山古墳・はにわ博物館

    ▲芝山町立芝山古墳・はにわ博物館

  • ▲芝山古墳群や周辺の古墳などから出土した埴輪がたくさん並ぶ

    ▲芝山古墳群や周辺の古墳などから出土した埴輪がたくさん並ぶ

芝山古墳群を訪れたら併せて立ち寄ってほしいのが、車で7分ほど、徒歩で30分ほどのところにある「芝山町立芝山古墳・はにわ博物館」。


殿塚古墳・姫塚古墳から出土した数々の埴輪(2024年8月に国の重要文化財に指定)や出土品を見学することができるスポットで、お祭りの日も開館しています。

▲山高帽と顎鬚が特徴の人物埴輪

▲山高帽と顎鬚が特徴の人物埴輪

山高帽をかぶり顎鬚を生やした埴輪など、この地域特有の個性的な埴輪が満載で、とても面白いです。

▲この埴輪だけ、ほかの埴輪から離れたところで見つかったらしい

▲この埴輪だけ、ほかの埴輪から離れたところで見つかったらしい

個性的な埴輪を見ているだけでも楽しいのですが、もう一歩踏み込んで見学してみると更に深く楽しめます。


姫塚古墳から出土した埴輪が並ぶゾーンには、どの埴輪が古墳のどの位置から見つかったのかが分かる図があり、本体と図を見比べているといろいろな謎が見えてきます。


例えば写真2枚目の姫塚古墳から出土した埴輪。この埴輪だけほかの埴輪から離れたところで見つかったんだそうです。その意図などは分かっていないそうですが、こういった謎についてあれやこれやと自分なりに考察するのも一つの楽しみ方です。

▲博物館の近くにある埴輪トーテムポール

▲博物館の近くにある埴輪トーテムポール

▲殿塚古墳の縮小模型

▲殿塚古墳の縮小模型

博物館周辺には"埴輪トーテムポール”や、殿塚古墳の縮小模型&埴輪などのフォトスポットも充実!町を挙げて古墳や埴輪を盛り上げているのが分かり、古墳好きとしてはうれしくなります。


せっかくなら芝山はにわ祭の開催に合わせて訪れるのがベストですが、古墳と博物館だけでも十分に楽しむことができます。是非この秋は、芝山古墳群で墳活をしてみてはいかがでしょうか。

スポット
芝山古墳群

〒289-1741
千葉県山武郡横芝光町中台 1462ほか

松尾駅

〒289-1741
千葉県山武郡横芝光町中台 1462ほか

松尾駅

スポット
芝山町立芝山古墳・はにわ博物館

〒289-1619
千葉県山武郡 芝山町芝山438-1

芝山千代田駅

芝山千代田駅、松尾駅両駅より「芝山ふれあいバス」乗車、「芝山仁王尊」バス停下車

〒289-1619
千葉県山武郡 芝山町芝山438-1

芝山千代田駅

芝山千代田駅、松尾駅両駅より「芝山ふれあいバス」乗車、「芝山仁王尊」バス停下車

本記事内の情報に関して

※本記事内の情報は2024年10月05日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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