3,000基以上の古墳を巡ってきた、古墳シンガーがナビゲート!
「古墳は空から見ないと意味がない」「歴史苦手だから無理」・・・いえいえ、そんなことはないのです。1500年前には16万基も造られたという古墳は、現在でもコンビニの約3倍の数あり、実はいまでも身近に残る“誰でも楽しめる”存在なのです。
そこで、古墳シンガーで古墳にコーフン協会会長の私まりこふんが、知られざる古墳の魅力、そして古墳の歩き方をご紹介!本記事では、神奈川県海老名市にある「古墳の形が整っていく過程を感じられる貴重なスポット」を紹介します。
古いものから時系列を追って見られる古墳群/秋葉山古墳群
古墳とは、弥生時代の次にあたる3世紀~7世紀頃の古墳時代に盛んに造られた豪族のお墓、とされています。
しかし、〇〇時代といった名称は後世に名付けられたものであり、時代は絶え間なく続くもの。当然「はい!明日から古墳時代なので古墳をたくさん造りましょう!」となったわけではありません。弥生時代から造られ始めた大きなお墓も、形や埋葬方法などの変化に合わせて形を変えていったのです。
そんな弥生時代から古墳時代の過渡期に造られたのが、神奈川県にある国指定史跡「秋葉山古墳群」。相模鉄道かしわ台駅から徒歩15分ほどのところにある古墳群です。
古墳時代の文化などは近畿地方で広がり、その後東日本をはじめ全国に広がったと言われています。そのため、弥生時代から古墳時代にかけてどのように変化していったかは、近畿地方の古墳をベースに比較できるケースが多いのです。逆に言うと、その変化の過程が一カ所で分かる古墳群は東日本では非常に珍しく、類例がほとんどないそうです。
ご紹介する秋葉山古墳群は、3世紀後半から4世紀中頃にかけて造られており、東日本では非常に早い段階で造られた古墳群です。
その中でも古いとされる3号墳と4号墳は弥生時代のお墓の要素が強いのですが、2号墳、1号墳の順に、だんだん古墳の形が整っていることが発掘調査でわかっています。
つまり、秋葉山古墳群に行けばどのように形が整っていったかを肌で感じられるというわけです!
眺めが良くて気持ち良い!“古墳ピクニック”にもピッタリ
5基の古墳が公園整備されている秋葉山古墳群には「前方後円墳」が3基、「前方後方墳」が1基、「方墳」が1基あり、一度に3種類の形の古墳を見学することができます。古墳が残っている上にほど良い整備のされ方がうれしい!
さらに、海老名市で最も標高が高い場所にある古墳群なので、眺めが良く、ハイキング気分で簡単に巡れるのもうれしいポイント。2、3号墳のそばには広場があったり、5号墳のそばには石の机といすがあったりするので、“古墳ピクニック”にもピッタリです。
古墳が造られた順番は3号墳、4号墳、2号墳、5号墳、1号墳ですが、まずは3基の前方後円墳エリア1号墳~3号墳から巡るのがオススメ。
というのも、1号墳のすぐそばに秋葉山古墳群についての説明版があるからです。それぞれの古墳の特徴を知った上で巡ると、より深く古墳を楽しめます。
3号墳まで行ったら道路を渡り、方墳の5号墳から前方後方墳の4号墳へ行くという順番が自然です。
突然ですが、ここでまりこふんのマニアックポイント!
個人的には、一見形がわからない4号墳ですが、登ってみると前方後方形であることを実感できて感動しました。古墳群の一番端にある小さな古墳だけれど、是非見逃さずに登ってこの感動を味わってくださいね。
また、最も古い3号墳から見ていくと、作り手たちは「古墳ってこんな感じ!?」と見よう見まねで造ったのかな、3号墳をベースに試行錯誤しながらほかの古墳を整えていったのかな、なんて妄想するのも楽しいです。
秋葉山古墳群は、お散歩するだけでも気持ちが良くて楽しいスポット。ですが、この古墳群の貴重さを知り、実際に登って「古代人たちもあの山々を見ていたんだなぁ~」なんて古代に思いを馳せてみると、タイムスリップ気分も味わえます。昔の人たちをより身近に感じることで、楽しみ方が一味も二味も変わるはずですよ。
天気の良い日は、お弁当を持って“古墳ピクニック”をしてみてはいかがでしょうか。
〒243-0431
神奈川県海老名市上今泉 5-14-12
かしわ台駅
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神奈川県海老名市上今泉 5-14-12
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※本記事内の情報は2024年04月15日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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