3,000基以上の古墳を巡ってきた、古墳シンガーがナビゲート!
「古墳は空から見ないと意味がない」「歴史苦手だから無理」・・・いえいえ、そんなことはないのです。1500年前には16万基も造られたという古墳は、現在でもコンビニの約3倍の数あり、実はいまでも身近に残る“誰でも楽しめる”存在なのです。
そこで、古墳シンガーで古墳にコーフン協会会長の私まりこふんが、知られざる古墳の魅力、そして古墳の歩き方をご紹介!本記事では、足立区にある「さまざまな埴輪に出会える古墳」を紹介します。
思わずほっこり。なぜか埴輪が点在するスポット/白旗塚古墳
東武スカイツリーライン竹ノ塚駅から徒歩約10分、ご紹介する「白旗塚古墳」は、「足立区立白旗塚史跡公園」として整備されている古墳です。
この付近の毛長川南岸の自然堤防上には、もともと数基からなる白旗塚古墳群が形成されていましたが、宅地開発などを経て1基のみが公園内に現存しています。
6世紀後半に造られた直径約12mの円墳で、中に入ったり登ったりすることはできません。ですが、4体の埴輪が置かれているユニークなスポットなんです。
「なんでここに埴輪があるのかな?」と思っている地元の方も多いはず。実はこの埴輪たち、白旗塚古墳ではなく別の古墳から出土したもののレプリカなのです。なぜ集められたかは不明ですが、公園整備に関わった人たちが、訪れる人に古墳や歴史に興味を持ってもらいたくて置いたのかもしれません。
1500年の長きにわたり、古墳にはたくさんの人の気持ちが詰まってるんだなぁと思うと、とても胸が熱くなります!
よくある質問に、「土偶と埴輪って何が違うの?」というものがあります。土偶は縄文時代に呪術や祭祀の道具として作られたといわれているのに対し、埴輪は古墳時代に古墳に置くために作られたといわれています。つまり、作られた時代も役割もまったく異なるんです。
さらに「土偶の方が昔に作られたもなののに、埴輪より繊細に作られているのはなぜ?」という質問も多くあります。大きな古墳となると、数千体の埴輪が古墳の周りに置かれました。丁寧にこだわって作られた埴輪もありますが、基本的に埴輪は量産型なので、一つ一つの制作工程は簡易化されていたと考えられます。
古墳完成までに作る必要があり、“納期”があったのかもしれません。普段は農作業をしていたような人たちが、見よう見まねで作ったんじゃないかな?と思えるような、ちょっとヘンテコでクスッと笑える埴輪もあります。やさしい雰囲気を醸し出す埴輪は、今でもたくさんの人たちに愛されています。
古墳の周りを歩くもよし、埴輪を愛でるもよし。ぜひ、ほっこり楽しい白旗塚古墳の埴輪たちに会いに行ってみてください。
〒121-0801
東京都足立区東伊興 3-10-14
竹ノ塚駅
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