マンホール巡り歴16年の鉄蓋観賞愛好家がナビゲート!
暇さえあればマンホール蓋を巡るようになって16年余り、少なくとも10万基のマンホールを巡った鉄蓋観賞愛好家の白浜公平です。華やかなデザイン蓋も、歴史を語る骨董蓋も、これといった特徴の無いように見える地味蓋も、みんな大好きです。
今でこそデザインマンホール蓋の種類が増えた東京23区ですが、数年前まではその種類は少なく、華やかなデザインの蓋が好きな人にとっては少し物足りない地域でした。
そんな中、30年以上前からご当地の歴史を表現したデザインの蓋が、何種類も、それも物凄くたくさんの数が設置されているエリアがあるんです。それが、足立区の竹ノ塚エリア。ここからは絵柄の元になった風景も訪ねる竹ノ塚のマンホール巡りをナビゲートします。
街の歴史を物語るデザインの数々!/竹ノ塚マンホール巡り
竹ノ塚駅近くには、北西から南東に向かって赤山街道という通りが延びています。この赤山街道は、江戸時代初期に伊奈氏によって整備された街道で、かつては水路とともに整備されていました。
平成の初めごろに水路が埋められ下水道が整備された際、これらのマンホール蓋が設置されました。こちらのデザインは水路があったかつての赤山街道の姿を描いており、赤山街道に沿い、竹ノ塚駅の東西どちら側にもたくさん見られます。
竹ノ塚駅近くに立地する炎天寺は、俳人・小林一茶にゆかりのあるお寺です。
「蝉鳴くや 六月村の 炎天寺」の句が詠まれ、有名な「やせ蛙 まけるな一茶 是にあり」の句についても、一茶の句集の前書に「武蔵の国、竹の塚といふに蛙たたかいありけるに見にまかる」という記述があり、ここ炎天寺で詠まれたのではないかとされています。
このデザインの蓋は、その有名な一句を表現したもの。炎天寺のある竹ノ塚駅の東側に多く設置されています。
足立区は1984年にオーストラリアのベルモント市と姉妹都市提携をしています。写真の蓋のデザインはそのベルモント市にちなんだもの。
それぞれワライカワセミと黒鳥がデザインされています。左側の蓋と右側の蓋とをよく見比べると、文字や真ん中の絵柄の仕様が異なっているのが分かるかと思いますが、これは1992年に東京都下水道局のマンホール蓋の仕様が変更されたことに呼応しているようです。
こちらは竹ノ塚駅周辺の赤山街道沿いにこれでもかというくらいたくさん設置されているので、すぐに見つけることができるかと思います。
こちらは足立区のシンボルマークが入った蓋です。足立区のシンボルであるサクラが咲き乱れているデザインになります。桜吹雪の舞う、見事な絵柄ですね。マンホールの蓋に求められる性能のひとつ、滑りにくさも兼ね備えた素晴らしいデザインです。
こちらは赤山街道を北西の方向に歩くと交差する、保木間堀親水水路にいくつか設置されています。
貯水槽の蓋も表情豊かです。大雨の際に雨水を貯めることにより洪水対策を行ったり、貯留した水を水洗トイレや散水用に利用したりなど、その用途はさまざまです。こちらは駅の北西にある伊興町前沼児童遊園や、さらにその先にある保木間堀親水水路に設置されています。
近隣にはデザインの由来となったスポットも
竹ノ塚駅から徒歩12分のほどの「炎天寺」にはカエルの石像や銅像、置物がたくさん置かれています。先ほどご紹介したマンホール蓋のデザインとそっくりな相撲を取っているカエルの銅像も池の中央に設置されています。
この銅像は偶然見つけたのですが、蓋のデザインと全く同じ姿でしたので、その場でニヤニヤとしてしまいました。蓋になった風景ですね。蓋のデザインと同じ構図を狙って写真を撮ってみるのも楽しいですよ。
竹ノ塚からは少し離れてしまいますが、電車で梅島駅まで一駅乗り少し歩いたところにある「ベルモント公園」もオススメです。
赤レンガの陳列館には、オーストラリアの工芸品や日用品などが展示されています。ちなみに、ベルモント市には「Adachi Park」という日本庭園もあるのだそうですよ。
由来になったスポットを巡るとよりマンホール巡りが楽しくなります。みなさんもぜひあわせて散策してみてください。
〒121-0814
東京都足立区六月 3-13-20
竹ノ塚駅
〒121-0814
東京都足立区六月 3-13-20
竹ノ塚駅
〒121-0816
東京都足立区 梅島1-33-7 他
梅島駅
〒121-0816
東京都足立区 梅島1-33-7 他
梅島駅
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※本記事内の情報は2023年09月28日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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