マンホール巡り歴16年の鉄蓋観賞愛好家がナビゲート!

暇さえあればマンホール蓋を巡るようになって16年余り、少なくとも10万基のマンホールを巡った鉄蓋観賞愛好家の白浜公平です。


「赤羽」と聞いて、皆さんはどのような街を想像するでしょうか。私が好きなのは赤羽駅の東側に広がる雑多な居酒屋街だったりするのですが、実は今、赤羽駅の西側に広がる赤羽台がとてもおしゃれな団地になっていてるのです。さらにそこにあるマンホール蓋の話題でマンホール界隈も盛り上がっています


本記事では、赤羽駅から赤羽台までの間にあるマンホール蓋を巡ってみましょう。

【チェックポイント1】踏むと幸せになれる!?ユニークなマンホール蓋

▲踏むと幸せになれる、赤羽のハッピーラッキーマンホール

▲踏むと幸せになれる、赤羽のハッピーラッキーマンホール

赤羽駅の北側のガード下にある「クック・チャム ビーンズ赤羽駅店」の前に、とても目を引くデザインのマンホール蓋があります。「踏むと幸せになれる、赤羽のハッピーラッキーマンホールだよぉ」と書かれていますね。


この蓋をデザインしたのは赤羽在住の漫画家・清野とおるさんで、これは自画像とのことです。タレントの壇蜜さんと結婚されたことでも話題になりましたね。


実はこの蓋のデザインには仕掛けがあります。

▲“踏切Tシャツ”の少年の踏み方がオススメの踏み方です

▲“踏切Tシャツ”の少年の踏み方がオススメの踏み方です

なんと、踏むことによって完成するという珍しいデザインになっているのです。


デザインマンホール蓋は全国に2万種類はあるといわれていますが、積極的に踏んでくれと主張するデザインはこれだけかと思います。ぜひ踏んで幸せになりましょう。


清野さんによると「イラストの『両手』部分を『左足』で隠すように踏むのが『踏んでる感』が多めに醸されるのでオススメ」とのこと。写真の“踏切Tシャツ”の少年は左足ではなく右足で踏んでいますが、オススメの踏み方をするとほぼこのようなスタイルになります。


なお、このマンホールのマンホールカード(=マンホールのデザインをカード化したもの)が駅西側の赤羽文化センター(ショッピングセンター、ビビオの3階)で配布されています。こちらもぜひゲットしてみてください。

【チェックポイント2】文化財の集合住宅“スターハウス”とセットで楽しむマンホール蓋

▲スターハウス

▲スターハウス

ビビオの裏の赤羽並木通りを少し進むと、トンネル脇に階段が現れます。この階段を登りきると「ヌーヴェル赤羽台(旧赤羽台団地)」が目の前に広がります。左(南方向)へさらに少し進むと、3方向に展開する特徴的なデザインの建物が見えるかと思います。


こちらは集合住宅で、昭和30年代を中心に全国で数多く建設された形式のもの。上から見ると星型に見えることから「スターハウス」と呼ばれています。全室が角部屋という贅沢な造りになっていて、正に“団地のスター”です。旧赤羽台団地のスターハウスは、国の登録有形文化財にも指定されています。

▲スターハウスをデザインしたマンホール

▲スターハウスをデザインしたマンホール

旧赤羽台団地にスターハウスは3棟ありますが、全て文化財として保存されているもので住んでいる方はいません。遠慮なく眺めましょう。3棟あるうちの一番南側に位置する42号棟脇の芝生には、スターハウスをデザインしたマンホール蓋が設置されています。


このデザインのマンホール蓋はUR(都市再生機構)が制作し、2020年3月頃に関西(大阪市の森之宮団地や京都市の西京極団地)に最初に設置されました。関東の住民として羨ましく思っていたのですが、今年になってついに東京にも設置されました。しかもここでは、関西の設置場所ではできなかったことができるようになりました。

▲実物のスターハウスと一緒に写真が撮れる

▲実物のスターハウスと一緒に写真が撮れる

それは、実物のスターハウスと一緒に写真を撮ることです。私が大好きな「ご本人登場」という写真の撮り方で、マンホール蓋と、蓋にデザインされている実物(ご本人)とを同じ画角に収める方法です。今のところ全国でもここでしかできないスターハウスの「ご本人登場」、ぜひ狙ってみてください。

▲日本住宅公団時代のマンホール

▲日本住宅公団時代のマンホール

同じく42号棟脇の芝生(北側・43号棟寄り)には、比較的古い蓋も設置されています。こちらは昭和56(1981)年に解散した現在のURの源流でもある日本住宅公団の蓋です。


中央には日本住宅公団の紋章「マル住」が入っています。おしゃれな団地に建て替えるだけではなく、団地の歴史もしっかりと残すとは、とても素晴らしい試みですね。

【チェックポイント3】URのミュージアムで触れる、団地の歴史とマンホール蓋

  • ▲URまちとくらしのミュージアム

    ▲URまちとくらしのミュージアム

  • ▲日が暮れると映えます

    ▲日が暮れると映えます

スターハウスのそばには、2023年の9月に開館したばかりの「URまちとくらしのミュージアム」があります。正確には、先に紹介した「スターハウス」や、ザ・団地という面持ちの「41号棟(ラボ41)」を含めた敷地一帯がミュージアムになっていて、こちらはその中の「ミュージアム棟」という位置づけになっています。


ミュージアム棟の見学は無料ですが、予約が必要です。無料とは思えないほど楽しく学べる施設ですので、赤羽台を訪れる際にはぜひ予約の上こちらも見学しましょう。


ミュージアム棟にはマンホール蓋も展示されていますので、少しだけ紹介します。

  • ▲日本住宅公団時代の汚水桝の蓋

    ▲日本住宅公団時代の汚水桝の蓋

  • ▲住宅の一部として展示されています

    ▲住宅の一部として展示されています

こちらは「マル住」マークの日本住宅公団の蓋です。ミュージアム棟2階にあるのですが、ただ展示されているのではなく、再現した現在は解体されている建物(多摩平団地テラスハウス)の一部として展示されています。

▲同潤会アパートの蓋

▲同潤会アパートの蓋

こちらは「同潤会の紋章が入った蓋です。見学順路の終盤にある「団地はじめてモノ語り」のコーナーに壁面展示されています。


同潤会は関東大震災の義援金をもとに大正13(1924)年に当時の内務省によって設立された財団法人で、同潤会アパートの建設で知られています。この蓋は同潤会鶯谷アパートに設置されていたもので、平成11(1999)年に解体された際に保管されたものだそうです。


私がマンホール蓋の趣味に目覚めた頃、同潤会アパートはもうほとんど残っていませんでした。残っている建物も人が住む場所なので無遠慮に立ち入ることができず、この蓋は私にとって憧れであり幻の蓋でしたここで会えるとは思っておらず、とてもうれしく思いました。皆さまもぜひ、団地の歴史に対面してみてください。

スポット
URまちとくらしのミュージアム

〒115-0053
東京都北区赤羽台 1-4-50

赤羽駅

〒115-0053
東京都北区赤羽台 1-4-50

赤羽駅

【おまけ】誰でも応募可能!新しいマンホール蓋のデザインを募集中

▲東京都北区赤羽台 デザインマンホール デザイン募集

▲東京都北区赤羽台 デザインマンホール デザイン募集

余談ですが、なんと現在、北区とUR都市機構が赤羽台に設置する新しいマンホール蓋のデザインを募集中です。「赤羽台で思い浮かべるデザイン」とのことですが、どなたでも応募できます。募集期間は2023年12月10日(日)まで。


北区のデザインマンホールは現在3種類あり、今のところ全てマンホールカードにもなっています。新デザインの蓋もカードになることが期待できますね。皆さまも応募してみてはいかがでしょうか。


応募についての詳細は、北区の公式サイトをご確認ください。

本記事内の情報に関して

※本記事内の情報は2023年11月30日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
※本記事中の金額表示は、税抜表記のないものはすべて税込です。