4,000軒以上のカレー屋を渡り歩く、カレー愛好家がナビゲート!
今、「欧風カレー」というジャンルの再評価が高まっています。自宅では絶対に作れない、熟練の技で手間暇かけて生み出された極上のカレーは、まさに外食ならではの喜びです。
中でも2024年8月、東京・市ヶ谷にオープンした「スパイス欧風カレー PAIKAJI」は要チェック。石垣島からやってきた欧風カレーのお店なんです。早速ご紹介しましょう。
東京の欧風カレー界に新しい風!/スパイス欧風カレー PAIKAJI
市ヶ谷駅から徒歩3分ほど。8月8日(木)にグランドオープンした、今一番注目すべきカレー店「スパイス欧風カレー PAIKAJI」。
店名のPAIKAJI=「ぱいかじ」は、沖縄・八重山の言葉で「南風」という意味。実はこのお店の前身は、石垣島で7年間営業し人気を博した「ビストロスマイル」というお店なんです。
ビストロスマイルを営んでいた戸塚さん夫妻は今年1月に石垣島のお店を閉め、東京で新たなスタートを切りました。
石垣島だからこそ生まれた魅惑の欧風カレー
シェフの戸塚勝敏さんは愛知県出身。「ANAインターコンチネンタル石垣リゾート」に勤務するため石垣島へと渡り、ホテルの洋食シェフとして10年間腕を磨きました。
そして、石垣島でパン屋「スマイル」を営んでいた福島県出身の泰子さんと結婚。平成28(2016)年、夫婦で「ビストロスマイル」の営業を始めました。
▲石垣島で営業していた「ビストロスマイル」(写真提供:PAIKAJI)
レストラン営業を始めるにあたり、何かランチタイムの看板メニューがほしいと考えたお二人。そこで、ホテル時代から戸塚シェフが一番得意としていた「ハッシュドビーフ」の手法をアレンジしたカレーを提供したところ、たちまち人気に。
しかしシェフはそこで満足はできなかったようです。「自分が目指すべきカレーの味を見つけたい」と夫婦で東京を訪れ、欧風カレー店を食べ歩くことに。中でも衝撃を受けたというのが、荻窪の名店「トマト」でした。
「欧風カレーなのにスパイスがしっかりと感じられるなんてすごい!」「僕たちが目指すのは、スパイスが立つ欧風カレー。そこに島ならではの魅力を加えていきたい」――新たなる「スパイス欧風カレー」への道が開けたのです。
そこからはもう、迷うことなく研鑽の日々。目指すは、ホテルで磨いた洋食の技法とスパイスの融合です。
香りの鍵となるスパイスには、石垣島で日常的に親しまれている島胡椒「ピパーツ」(他島ではヒバーチとも呼ぶ)を採用。さらに島のパイナップルでフルーティーな味わいを加えて生まれたのは、石垣島だからこそ完成した、独自の「スパイス欧風カレー」でした。これが評判を呼び、お店は大繁盛。
一方で、戸塚シェフの心には「あの日衝撃を受けた東京の地で、いつか勝負をしたい」との思いが募っていたといいます。
▲2023〜2024年の年末年始イベント「にっぽんカレー列島 冬の熱々招福篇」に出場した「ビストロスマイル」
その思いを叶えるべく、2022年には新橋に支店として間借りカレー「石垣島カレー 南風(ぱいかじ)」を展開。
翌2023年の5月には、西武池袋本店の催事場に全国からカレー名店20店以上が集うイベント「にっぽんカレー列島」に沖縄県代表として出店すると、続く年末年始「にっぽんカレー列島 冬の熱々招福篇」にも出店。
イベントでさまざまな個性あふれるカレー店、東京のカレーファンたちの熱量に触れ、「やはり、東京で勝負する」と、戸塚シェフの決意は固まりました。
初めは戸惑っていた妻の泰子さんも「シェフがどうしてもやりたいというならば、その夢を叶えたい」と心を決め、年末年始のイベントが終了した2024年1月にはもう、多くの人から愛された石垣島の店を閉店。退路を断つ思いで上京したのです。
▲「スパイス欧風カレー PAIKAJI」店内。都心ながら窓の外は緑豊か。心落ち着く空間だ
そこからの道のりは平坦ではありませんでした。とにかく、物件が見つからない。夫妻はそれぞれが飲食店でのアルバイトをしながら都内を回る日々。焦りと不安、けれどももう戻ることはできない。そんな時、市ヶ谷のとある場所で、夫妻は「ここだ!」という物件と巡り会ったのです。
そこは東京のど真ん中にありながら、公園に面し緑が豊か。都会のあくせくした雰囲気がなくて、まるで島のように穏やかな時間が流れていました。
▲戸塚勝敏・泰子ご夫妻。お二人の実直な人柄も「PAIKAJI」の魅力だ
かくして2024年8月8日(木)、戸塚夫妻の新たなお店がオープン。店名は、"南から吹く幸せな風”という思いを込め「スパイス欧風カレー PAIKAJI」と決めました。
PAIKAJIの全く新しい「スパイス欧風カレー」
▲じんわり品よく。けれどとっても深いうま味の「ぬちぐすい」
食前に出てくるのは「ぬちぐすい」と名付けられた一杯。実はこの「ぬちぐすい」の正体、カレーのベースとなる洋風出汁スープ「フォン」なのです。
「ぬちぐすい」とは「命の薬」という意味。具材からベースとなるスープに至るまで素材の味をしっかりと楽しんでもらい、心も体も元気になってほしいという気持ちが込められています。
鶏ガラをベースに、それぞれ香ばしく甘みが出るまで炒めたタマネギ、ニンジン、ニンニクなどを火にかけて8時間ほど。それを漉して「フォン」が完成するまで4日、さらにカレーに仕上げるのに1日。提供まで計5日をかけるというのですから、絶対に真似はできません。
そうして完成したありがたいカレーがこちら。
自慢のピパーツカレーにドライキーマを組み合わせ、さらにハンバーグに衣をつけて揚げた「バーグカツ」が組み合わさった、贅沢な一皿。お店一番のオススメカレーです。
ピパーツカレーはフォンの滋味深いうま味、パイナップルのフルーティーな甘酸っぱさ、そしてスパイスの香り、特に島胡椒であるピパーツ特有のスモーキー感が重なり合い、実にリッチな味わい。それでいて、食べ心地は実にさわやかなことに驚きます。
実はこのカレー、小麦粉ではなく米粉を使用。さらに南の島の食材やスパイスに合わせるため、ココナッツミルクも用いているんです。
「欧風カレー」でありながら、完全なるシェフオリジナル。南の島でしか生まれ得なかった、新感覚のスパイス欧風カレーなのです。
▲ライスの上にはラムポークキーマ
ラムポークキーマは、羊と豚の良いとこ取り。濃厚で肉肉しさ満点!これは肉好きなら絶対に食べるべきカレーですよ。
▲衣サクッと、中のお肉はきめ細かくジューシー!
さらに驚くのは、バーグカツ。
もともとハンバーグの美味しさにも定評があったビストロスマイル。そこに衣を付けて揚げ、極上のメンチカツカレーにしちゃったアイデアがすばらしい。
しかもこれが驚きのクオリティー。ビストロの肉料理としても相当なレベル。ホテル洋食で腕を振るった戸塚シェフの技量を存分に楽しめる逸品です。
さらにこのバーグカツ、フルーティーなピパーツカレーとの相性がバツグン。バーグカツがカレーの具材となり、カレーがバーグカツのソースとなり、互いを高め合っているんです。早くも「東京イチ美味しいメンチカツカレー」確定です。間違いない。
南から吹いてきた、やさしくて美味しい風
▲お土産として「ピパーツ」の販売も。島の香りを持ち帰ろう
「このお店とカレーを通じて、もっともっと石垣島の魅力を伝えていけたら。」
「東京で勝負したい!」と、慣れ親しんだ石垣島のお店を閉めて上京してきた戸塚夫妻。ですが、やはりそのカレーには石垣島ならではの魅力がぎっしりと詰まっていたのでした。
とにかく、とってもオススメなお店ですよ。
〒102-0075
東京都千代田区三番町 18-19 アルテビル三番町1F
市ケ谷駅
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※本記事内の情報は2024年09月24日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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