東京進出を果たした“日本三大ビリヤニ”の一つとも称される人気店/ジョニーのビリヤニ 神田店
2024年、カレー界最大のホットワードといえば「ビリヤニ」。ごく簡潔にいうならば、インドとその周辺諸国で愛される「スパイス炊き込みご飯」なのですが、コメ好きでカレー好きな日本人の味覚にもドンピシャにはまり、最近はコンビニで「ビリヤニ弁当」が販売されたり、「レトルトビリヤニ」が登場したりと、その勢いは止まることを知りません。
そんな中、「日本三大ビリヤニ」に挙げられるほどの実力と人気を誇る石川県のビリヤニ専門店「ジョニーのビリヤニ」が、ついに東京へ進出。本記事ではそんな、日本ビリヤニ史に残るトピックについてご紹介しましょう。
ごちそうスパイスご飯“ビリヤニ”の魅力
「ビリヤニ(biryānī)」は地域などによって製法にバリエーションがあり、定義もそれぞれですが、もともとはイスラム(ムスリム)文化圏に起源を持つ料理です。現地ではお祝い事や特別な日に振る舞われるごちそうであるとともに、屋台メシとしても親しまれているんです。
日本でも以前からイスラム教徒が訪れるお店(特にイスラム寺院”モスク”がある地域のお店)でビリヤニの提供はあったのですが、マニア以外の日本人にはあまり知られていませんでした。その一方、街角のカジュアルインド料理店では日本米をスパイスとともに炒めただけの「カレー炒飯」を「ビリヤニ」と称して提供する例も多かったため、「ビリヤニ」の真の魅力は日本でなかなか広まらなかったのが実情です。
ところが近年、ビリヤニを心から愛しその魅力を広めようと尽力してきた人たちの努力が実り、「ビリヤニ」がメディアで取り上げられたり、コンビニ弁当に採用されたり、レトルトのビリヤニが発売されたりと人気に火が付き、瞬く間に「話題の料理」となったのです。やっと、やっとのことなんです。
「ジョニーのビリヤニ」、ジョニーって何者?
これからご紹介する「ジョニーのビリヤニ」創業者のジョニーさんも、日本でのビリヤニ普及に尽力した一人。ジョニー・・・どこの国の方かしら?
実は純然たる千葉県生まれの日本人、本名は谷晃一さんといいます。インドを旅していた際、たまたまスコッチウイスキー「ジョニーウォーカー」のTシャツを着ていたため、現地の人に「Hey!ジョニー!」と呼ばれて仲良くなったのがきっかけだそうです。
今から12年前の平成24(2012)年、ビリヤニマニアの盟友たちと共に東京・経堂のスパイス料理店「ガラムマサラ」を間借りし、「ビリヤニマサラ」をオープン。日本初の“間借りビリヤニ専門店”です。ちなみにこの時の盟友の一人が、現「ビリヤニ大澤」のオーナーシェフ、大澤孝将さんでした。
その後ジョニーさんは金沢を訪れ、食のレベルの高さに惚れ込んで移住。平成31(2019)年に北陸初のビリヤニ専門店「ジョニーのビリヤニ」をオープンします。翌2020年にコロナ禍へ突入してからも、ビリヤニの冷凍通販を本格稼働。すると全国からオーダーが殺到、1年で約10,000食の冷凍ビリヤニを売り上げるほど人気となったのです(この通販人気は今も続いているそうですよ)。
今や日本人シェフによる本気ビリヤニ専門店として、かつての盟友が営む「ビリヤニ大澤」、京都「INDIA GATE(インディアゲート)」と並び、「日本三大ビリヤニ」といわれることがあるほどの名声を得ています。
北陸No.1注目度のビリヤニ、ついに東京進出!
そんな「ジョニーのビリヤニ」が東京・神田に進出したのは2024年6月21日のこと。出店が決まったのは5月、わずか1カ月の準備でオープンまでこぎつけたというのだから驚きです。しかもこれ、富山の支店「ザバルダスト」の開店準備と並行して行っていたとのこと(こちらは7月24日にオープン)。
ジョニーさん曰く「みんな自分のレシピを人に教えたがらないけど、俺は朝起きたくないんですよ(笑)。だからスタッフにビリヤニの作り方を教えて、作ってもらう」。こうした「ジョニー流」のビリヤニシェフ育成・レシピ共有があったからこそ、2店舗同時のオープン準備が可能だったというわけなんですね。
ジョニーのビリヤニ 神田店は、JR神田駅南口から徒歩2分ほどの路地裏に位置する、カウンター5席のみの小さなお店。
もともと「BENGAL CURRY FACTORY(ベンガルカレーファクトリー)」というお店があった場所で、前店舗でもビリヤニを出していたことから厨房もそのまま、居抜きでのオープンとなりました。
神田店の店長は大阪出身の冨田さん。
実は冨田さん、ジョニーのビリヤニで働くため、今年1月に石川県に引っ越ししたばかり。ジョニーさんからビリヤニの作り方を教わり、調理を任せられ、半年も経たないうちに神田店の店長に。今度は石川の部屋を引き払い、東京で部屋探しとあって、「そりゃあもうドタバタでしたね(笑)」。
朝イチの炊きたてビリヤニを狙え!
神田店のオープンは11時。スパイスの香りと炊きたて米の美味しさにこだわるため、調理は基本、当日の朝に行います(ここが「〇日じっくり煮込んで」という欧風カレーとは逆のアプローチです)。
ビリヤニに用いるお米は、インドやパキスタン産の粒が長い高級米バスマティライス。当日の朝、米を1時間浸水し、それから茹でます。並行して仕込んだグレービー(肉のカレー的なもの)と茹でた米を鍋の中で層状に重ね、1時間ほどじっくりと炊き上げていきます。
炊き上がった直後のバスマティライスの香りは気品があって、なんと表現したら良いか・・・とにかくたまらないんですよ!
そんな炊きたてバスマティライスの香りを楽しむなら、オープンの11時を狙いましょう!
なお、その日提供されるビリヤニは日によって変わるため、製法も異なる場合があります。当日提供されるビリヤニは、お店のInstagramで告知されるので是非チェックを。
圧倒的うまさのビリヤニにスプーンが止まらない!
この日提供されたビリヤニは「マトンビリヤニ」(1,500円)。ビリヤニ350gに加え、パクチー、赤タマネギ、レモン、ライタ(ビリヤニに付けるヨーグルト)が付いてきます。
見てください!米が長く伸び、ツンと立った最高の仕上がりを!美しいツヤを!
一言でビリヤニといってもお店によって味わいは千差万別。米にコシがあってパラッとした仕上がりがジョニーのビリヤニの特徴です。
米をギュッと噛み締め、肉のうま味、そしてスパイスの香りを纏った油を楽しみ・・・一度食べ始めたら最後、もうスプーンを口に運ぶ手が止まりません。これこそがビリヤニの魔力。
香りとうま味と食感のメリハリはあれど、決して辛くはありません。
口の中で味が濃くなってきたなと感じたら、ライタ(ヨーグルト)をビリヤニに混ぜ込めばマイルドに味変。米にヨーグルトを混ぜることに初めは抵抗のある人がいるかもしれませんが、やってみて損はありません。バスマティライスは日本米と比べて低糖質なのもうれしいところ。思いっきり食べちゃってくださいね。
最高の米料理であり、最高のスパイス料理であり、最高の肉料理でもあるビリヤニ。
「興味はあるけど食べたことがない」という方にもオススメなのが、ジョニーのビリヤニです。ビリヤニ初体験は間違いなく美味しいお店から、ですよ。
営業は11時から15時まで(14時30分ラストオーダー ※売り切れ次第終了)。席数は少ないですがテイクアウトもOKです。
〒101-0047
東京都千代田区内神田 3-8-1
神田駅
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東京都千代田区内神田 3-8-1
神田駅
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※本記事内の情報は2024年11月20日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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