年200杯のラーメンを食べるラーメンインタビュアーがナビゲート!
こんにちは、ラーメンインタビュアーの岡崎美玖です。東京都内を中心に年間約200杯以上のラーメンを食べ歩き、作り手の人柄や思いを伝える「ラーメンインタビュアー」として活動しています。
本記事では、朝活で訪れるのにもピッタリな「至高の朝ラーメン」がいただけるお店をご紹介します。
55歳で独立した元プロミュージシャンが手掛けるラーメン店/麺創庵 砂田
ご紹介するのは、巣鴨駅より徒歩約8分の場所にある「麺創庵 砂田」。
「中華そば」を看板メニューとしており、2020年4月のオープン後、瞬く間に人気店となりました。
のれんにも描かれているお店のロゴは、店主の砂田裕史さんがお父様から譲り受けたという砂田家の家紋をもとに、WEBデザイナーとして活動されているご子息がデザインを担当されたのだそう。
「1964年の東京オリンピックの年に生まれたこともあり、お店のオープンは、2回目の東京オリンピックが予定されていた2020年にすると心に決めていました」と話すのは、“元プロミュージシャン”という異色の経歴を持つ砂田さん。
1992年にバンドでメジャーデビューし、シングル10枚、ベスト含むアルバムは4枚リリース。さらに作詞作曲も手掛け、誰もが知る有名アーティストに楽曲提供も行うなど、傍から見れば順風満帆な音楽家人生を送ってきましたが、1997年のバンド解散を機に音楽の道はスッパリと辞め、会社員として働くことを決心します。
「息子が生まれて、小学校に上がるくらいのタイミングで、不安定でも音楽を続けようという思いよりも『きちんと稼がなきゃ』という思いが勝ったんですよね。その後、起業なども試みたのですが上手くいかず、それなら会社員として働こうと思った瞬間、音楽への興味もどこかへ飛んでいきました(笑)。元々の僕の性格なんですけど、好きになったものや、やると決めたものには一直線で、他のものに一切興味がなくなっちゃうんですよ(笑)」(砂田さん、以下同)
その後会社員として働いている中で肺炎を患ったのを機にタバコを辞めたという砂田さんは、それまで普通に食べていた“蕎麦”の美味しさに感動を覚えるようになったのだそう。
「息子が大学を卒業して就職も決まったころ『もうそろそろ好きなことをやっても良いかな』と、新たな趣味である蕎麦打ちにのめり込んでいきました。」
蕎麦に合わせるさまざまな出汁やつゆを試していく中で、蕎麦打ち以上につけダレを作るほうに楽しさを見出していったという砂田さん。
「ある日、自作の蕎麦つゆを先生に持っていくと『これは負けた・・・!』と言ってもらえるほど上達していきました(笑)。そうなってくると、蕎麦やうどんではなく、麺もスープも幅広く追及できる“ラーメン”が向いているんじゃないかと、自作ラーメンを作り始めました」。
それからというもの、池袋「瞠」の魚介豚骨ラーメンに衝撃を受け、魚介豚骨の名店「渡なべ」を率いる「渡なべスタイル」代表の渡辺樹庵氏に師事。修業を詰み、独立したのは55歳。現在も“ラーメン職人”という新たな道を楽しんでいる最中なのだそう。
朝しか食べられない限定メニュー「朝ざる中華」は必食!
看板メニューの「中華そば」は言わずもがなオススメなのですが、本記事でご紹介したいのが、こちらの「朝ざる中華」(800円)。朝8時~11時までしか食べられない限定メニューです。
麺の上には、海苔がトッピングされています。その他、薬味のネギと、山わさびが小皿で提供されます。
鰹・宗田・鯖の本枯節を同じ割合で入れ、どんこの干し椎茸と昆布で出汁を取り、中華そばにも使っているタレと味醂を合わせて作っているというつゆは、日本蕎麦の"からつゆ”をイメージしたもの。
節感のあるつゆの中には、ほんのりとした甘みも感じられ、ほどよい辛味が心地よい山わさびやピリッとした薬味とのバランスもちょうど良い塩梅。シンプルさが故に、つゆや麺の美味しさがストレートにビシビシと伝わってくる至極の一杯です。
「出勤前の一杯や夜勤明けの一杯としても、とても人気ですね。今ではお昼のピークの次に8時台が一番忙しいくらいです」
麺は「(特)飛龍」を主軸に少量の「もち小麦」をブレンドして打っているという、こだわりの自家製麺。通常、讃岐うどんなどで用いられることが多い製麺機を使い、昼営業を含めて一日約100食ほどを仕込んでいるのだそう。
多加水ならではのプリッとした喉越しの良い麺は、まさに「ざるそば」のような感覚でするすると胃袋に入ってしまいます。
麺量は通常180gですが、朝限定で大盛券を2枚購入することでなんと「特盛」まで増やせるとのことなので、たっぷりと堪能したい方にもオススメです。
そして「朝ざる中華」を頼む際に欠かせないのが、「専用トッピング」(400円)。
虎ノ門にあった立ち食い蕎麦の名店「港屋」(虎ノ門本店はすでに閉店)から着想を得たという「豚バラネギ辣油」を専用トッピングとして楽しむことができ、なんと一度で二度美味しいざる中華を堪能できてしまうのです!
桜上水の人気ラーメン店「桜上水船越」直伝の辣油レシピにアレンジを加えたものを、朝ざる中華のつゆにブレンドしているそう。そこに甘辛く味付けされた豚バラを麺にのせ、そのままネギ辣油につけて食べれば、花椒とマッチした"シビ辛”具合がたまりません!
2種のスープとともに、一瞬にして消えてゆく麺・・・その美味しさに圧倒され尽くす筆者です。
麺を食べた後には、「中華そば」にも使われている丸鶏のうま味が凝縮したスープが提供され、“蕎麦湯”ならぬスープ割を楽しむことができます。
つゆと合わせてさらっとしたそばつゆ風に飲むも良し、豚バラネギ辣油に入れて温かいピリ辛スープとして楽しむのも良し!
ちなみにこちらスープ割は、そのまま飲んでもまろやかでとっても美味しいのです。聞けば割りスープそのままで“くいっ!”と飲んでいかれる方もいらっしゃるのだとか!
「今年になってやっとすべてのメニューが出そろったような気がします。『朝ざる中華』はもちろん、煮干し好きの方には7種の煮干しをメインにした『背脂煮干し』もぜひ食べていただきたいです」
中華そば専門店としてオープンし、2024年4月でオープン4周年を迎えた「麺創庵 砂田」。水面下で試作し続けた渾身の一杯をレギュラーメニュー化していくなど、幅広いメニューにもどんどん挑戦していく砂田さんの今後にますます目が離せません。
ご紹介した朝ざる中華をはじめ、美味しい一杯を味わいにぜひ訪れてみてくださいね。
〒170-0002
東京都豊島区巣鴨 4-24-6 富士ビル
巣鴨駅
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※本記事内の情報は2024年09月18日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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