日本在住16年、イタリア人フードライター・マッシがナビゲート!
こんにちは、イタリア人フードライターのマッシです。日本に来て約16年、日本食やスイーツを中心に食べることが大好きで、毎日SNSやブログで食への愛を発信しています。
そんな私が今回紹介するのは、「イタリアを感じられる新宿のカフェならココ!」というお店。
店内の雰囲気もまるでイタリアのカフェ!/TSUBASA COFFEE
新宿御苑前をぶらぶらしながら日本の街並みを堪能していると、あるお店の前で足が止まった。「TSUBASA COFFEE(ツバサコーヒー)」というカフェだ。
窓ガラス越しの店内に、なんだか故郷・イタリアの温かさを思い出して、無意識に列に並び始めていた。
お店に入った瞬間、木材で作られたカウンター席、赤レンガの壁などが、イタリアのカフェと同じだと思った。それだけではない。スタッフの方たちの接客の明るさと作業中の真剣さがイタリアのカフェ店員のようで、カフェに対する情熱があふれ出ていたのだ。
オーナーはヨーロッパの文化が好きで北イタリアのジェノヴァとヴェネツィアを訪れたことがあると言っていた。現地で1番気に入ったものはジェノヴァで食べたレモンのリゾットだったそう。実は僕も好きな食べ物で、意外な共通点により親近感が湧いた。
TSUBASA COFFEでは、日本人の口に合わせたスイーツとイタリアのコーヒー文化との“マリアージュ”が楽しめる。
メニューを見て、今自分は日本にいるのか、それとも急にイタリアに飛ばされたのか分からなくなった。なぜかというと、アフォガードからティラミス、硬めのプリン、エスプレッソとカプチーノ、そしてワインまで、イタリアのカフェにあるようなメニューがそろっていたからだ。
迷いながらもまずは飲み物を注文。
カプチーノもエスプレッソもイタリア人が喜びそうな味わい。とくにカプチーノはクリーミーさとコーヒーの苦味がうまくマッチしている。多くのカプチーノにある、飲み終わったあと口の中に残るミルクのもたつきがなくて非常に飲みやすい。イタリア人もこういった飲みやすいカプチーノを好む人が多く、僕もその一人だ。
餡バターブリオッシュは、一見すると日本のスイーツのようだけど、食べてみるとブリオッシュがイタリアのものに似ていて驚いた。
噛むたびに最大級の美味しさが出てくる。ブリオッシュの軟らかさとバターと餡の組み合わせが、もうたまらないし、アイスコーヒーにも良く合う。見た目もかわいくてずっと見ていられる。
TSUBASA COFFEEのプリンは、甘さ控えめのプリンにカラメルの苦味が効いてバランスが良く、手作り感が伝わってくる。器への盛り方も美しい。イタリアのプリンもこのプリンのように硬めで少し力を入れないと飲み込めない。この硬さが美味しさの秘訣だ。
イタリア生まれのスイーツであるティラミスも注文。手軽なサイズ感のなかにコーヒーの濃厚さが潜む、バランスがちょうど良い。決して大きくはないサイズだからこそ、中のほろ苦い濃厚なコーヒーの味を、少しずつスプーンですくって食べるのが楽しい。途中でイチゴの酸味を挟むとことでスプーンがどんどん進み、いつの間にか完食してしまった。
そして僕がとくに感動したのが、レモンパウンドケーキだ。
まずケーキにフォークを刺した瞬間、その硬さに「あ、これは自分好みのやつだ」とすぐに分かった。香りはイタリアのレモン畑にいるようで、一口食べた瞬間からレモンをそのままぎゅっと絞ったような濃厚さを感じられる。毎日提供されているメニューではないけれど、ぜひとも定番にしてほしい。
初めて訪れたときから居心地が良くて、すぐにお店に馴染めた「TSUBASA COFFEE」。店内に一歩足を踏み入ればその瞬間にまるでイタリアのカフェにワープしたかのような感覚になる。
新宿にこんなに身近に感じられるお店があるなんて意外だった。東京にお気に入りの場所がまた一つ増えて嬉しい。
- TSUBASA COFFEE
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所在地
東京都新宿区新宿 千寿ビル1F
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最寄駅
新宿御苑前
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ライター紹介
イタリア・ピエモンテ出身の日本食が大好きなイタリア人フードライター。KADOKAWAでフードエッセイ「イタリア人マッシがぶっとんだ、日本の神グルメ」を出版。日伊文化の違いの面白さ、日本食の魅力、食の美味しいアレンジの他、関東の気になるお店や食をイタリア人の目線で発信。
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※本記事内の情報は2023年05月02日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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