食べ応えバツグン!ボリューミーな"元祖ピザトースト"を味わいに/珈琲館 紅鹿舎
▲2024年夏に撮影。外はまだ暑く、店先にはかき氷の旗も出ていた
「ピザ」と「トースト」を一つの料理にするという発想は、日本に住み始めるまで一度もなかった。イタリア人の僕は「ピザはピザで、トーストはトースト」と当たり前のように考えていたが、日本のピザトーストと出会ってからは、この美味しさが世界中に広がってほしいと思うようになり、今でもそう思い続けている。
今日はすばらしいピザトーストが食べられるお店を紹介しよう。
近代的な建物が立ち並ぶ千代田区に、昭和にタイムスリップできるような場所がある。有楽町駅から徒歩約5分のところにある「珈琲館 紅鹿舎(コーヒーカン ベニシカ)」という昔ながらの喫茶店だ。赤レンガと色濃くなった木材の外観で、年月の経過が一目で分かる。
そんなレトロな外観のインパクトが強くて、自然に足が止まる。お店の前にあるメニューとショーウインドウに並んでいるスイーツや料理をじっと見てしまう。
そして、吸い込まれるようにお店に入る。店内には、どこか懐かしい雰囲気が漂い、温かみのある木製のテーブルやいすが並んでいる。
メニューを開くと、"元祖ピザトースト”の文字が目に飛び込む。迷わずドリンク付きのセット(1,600円)を注文して、できあがりを待つ。
そう、ここはなんと"ピザトースト発祥の店”として知られる喫茶店なのだ。日本のピザトーストが生まれたきっかけとなったというこの紅鹿舎で、一体どのようなものが出てくるのかと期待に胸が膨らむ。
▲「ピザトーストセット」(ドリンク1杯付)とアイスティー(単品)
アイスコーヒーを飲みながら空間を楽しんでいるうちに、ついにアツアツのピザトーストが登場だ。
まず、その大きさに驚いた。今まで食べたものと比べて明らかに大きい。そしてよく見ると、分厚いトーストにチーズがたっぷりのっている。どこを持てば良いのか、どこから食べれば良いのかという贅沢な悩みが始まる。
やっと一切れを食べようと手で持った途端、その重さに声が出た。こんなに重量感があるなんて、きっと食べ応えバツグンだろう。
いよいよ食べてみる。そして、一口目から"元祖ピザトースト”として支持され続けている理由が分かった。
パンは軽くてフワフワ、具はぎっしりでチーズたっぷりという作りは初めてだった。具はタマネギやピーマンなど定番の食材に加え、キノコまで入っている。さらに、上にのっているチーズはこんがり焼き色がつくまで焼かれていて、その香ばしさがより一層ピザトーストのうま味を引き立てる。
イタリアのピザは1番シンプルなマルゲリータでも800kcal以上あるから、食パンが使われていて野菜も入っているピザトーストは低カロリーだから最高だ。ピザは小さくて薄いと思われるかもしれないけど、実は300gもある。一枚のピザを一人で食べきれない人がいるけど、ピザトーストはぺろっと食べられる。
アイスコーヒーやアイスティーでのどを潤しながら、最後の一口まで楽しく、あっという間に食べられた。ボリュームたっぷりで満足感が非常に強いにもかかわらず、「おかわり!」と店員さんに言ってしまいそうになる。お腹いっぱいでもまた食べたくなるということは、僕はもう紅鹿舎のピザトーストの虜になってしまったようだ。
こんなにいろんな食材を生かして「ピザ」と「トースト」二つのものを一つの料理にするなんて。そしてそれが、こんなに美味しく仕上がるとは。イタリア人もここまでの発想力はないだろう。
イタリアのパンメニューといえばパニーニのイメージだけど、きっとこのようなピザトーストを出せば、パニーニ以上に人気になるだろうな、と思いながら僕の頭はおかわりのことでいっぱいだ。一度食べれば、定期的に食べたくなるしクセにもなる。
元祖ピザトーストを食べながら、これは単なる食事ではなく、大切な日本の食文化を味わっているような気がした。海外生まれのものを組み合わせて、海外のものを超えた美味しさに仕上げてしまうなんて、やっぱり日本の発想力には頭が下がる。
〒100-0006
東京都千代田区 有楽町1-6-8 松井ビル 1F
日比谷駅
〒100-0006
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※本記事内の情報は2024年10月15日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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