日本の伝統技術を凝縮した、唯一無二のカフェ/松葉屋茶寮
こんにちは!和菓子・ネオ和菓子専門家の安原伶香です。
世界的に人気がある日本の伝統文化。和菓子や着物などはもちろん、禅や“侘び寂び(わびさび)”といった思想にも注目が集まっています。
本記事では、そんな和文化をさまざまな角度から楽しめるギャラリーカフェをご紹介します♪
表参道駅から徒歩7分、骨董通り沿いにあるのが「松葉屋茶寮(マツバヤサリョウ)」です。
2023年12月にオープンした同店は、日本の伝統技術や和の文化を凝縮した「方舟ギャラリー」を併設するギャラリーカフェになっています。
国産の藁の立派なしめ縄がお出迎えしてくれる「方舟ギャラリー」は、各分野の職人たちによる作品が並ぶ贅沢な空間。“失われていく日本の伝統文化と伝統技術を継承し、次の世代へと繋いでいきたい。さらには日本の伝統工芸に携わる職人の価値を高めたい“という思いのもと、歴史を感じる古美術から現代アーティストの和をテーマにしたアートまで、新旧を問わずさまざまな作品が展示されています。丹精込めて作られた作品は、どれも見応えバツグンです。
中でも同店を代表する作品群である盆栽は、国内外に熱狂的なファンを持つ盆栽アーティスト集団“TRADMAN'S BONSAI”が手掛けた立派なものばかり。週替わりで展示されるため、行くたびに新しい作品と出会えます。季節に合わせた剪定や飾りが施されるので、四季を感じられるのもポイントです。

そんなギャラリーの奥にある御簾の先のカウンター席では、お茶とお菓子のペアリングコースが楽しめます。
まずは複数ある茶器の中から自身のお好みの一つをチョイスし、お抹茶や煎茶、和紅茶などの中から好きなお茶を選びます。

器とお茶が決まると、茶人が目の前で点ててくれます。丁寧で美しい所作を間近で見られるなんて、ほかではなかなか体験できません。

同店でいただける日本茶は、季節ごとに産地や品種を厳選し、生産者さんから直接仕入れているそう。どれも雑味がなく、香り高く風味の良いまろやかな味わいが楽しめます。
ちなみに、煎茶をいただくときはまずお茶の香りや味わいを堪能するため、お茶を一口いただいてからお茶菓子をいただくのが主流。一方、抹茶をいただくときは、お茶菓子を一口いただいてからお抹茶をいただくのがオススメです。
また、煎茶は三煎まで楽しめますが、一煎目、二煎目、三煎目で風味や味わいが変わるのでその変化を体感できるのもポイントです。

▲「二茶二菓」
こだわりの日本茶とあわせたいのが、和洋折衷がテーマのお茶菓子。どれも素材本来の美味しさを生かしたものばかりです。
まずオススメしたいのが、複数のお茶(抹茶含む)とお菓子を満喫できる「二茶二菓」(4,000円 写真前:テリーヌショコラ、写真奥:季節の松葉屋羊羹)のセット。
1番人気の「テリーヌショコラ」は、伝統を超える革新的な製法でカカオの深い風味を引き出した、ほかにはないチョコレートのお菓子。同店独自の方法で、カカオの豊かな味わいと素材の良さを最大限に生かしているそうです。濃厚でありながら繊細なテリーヌショコラは、まさに新しいチョコレート体験。生クリームの代わりに天然水を使用しているため、究極の口溶けと、濃厚なのに軽やかな極上のしっとり感を感じられます。甘さもかなり控えめなので、お抹茶との相性もバツグンです!

▲「季節の松葉屋羊羹」「抹茶」
「季節の松葉屋羊羹」には、旬の素材をふんだんに使用。季節限定の「芋ようかん」(なくなり次第終了)は小豆(餡)を使用せず、独自の革新的な製法で軽やかな味わいに仕立て、お芋本来の味を引き出しています。
伝統的な羊羹とは一味違った、パティシエならではの感性から生み出される一品をご堪能あれ。

▲「ピュアレア」
3つ目にオススメしたいのが、同店の定番お菓子であるレアチーズケーキ「ピュアレア」(900円)。通常使用する生クリームやレモンなどをあえて使用せず、クリームチーズ、日本の天然水、少々の砂糖のみで仕上げた逸品です。

口に入れた瞬間に広がるチーズ本来の酸味やコク深さが印象的で、驚くほどすっきりとした後味。純粋なフレッシュチーズの口当たりや味わいを引き立たせるため、生クリームは使用せず日本の天然水を使うことで、コクは残しつつキレの良い後味に仕上げているそうです。保存料、添加物、着色料などを使っていないため、子どもやお年寄りの方も安心して楽しめるのもポイントです。

全体的に“引き算”を意識したお茶菓子と、雑味のない日本茶が織りなす最高のマリアージュ。今までのお茶の概念が覆るほど、上質で凛とした味わいは感動モノでした。
目の前でお点前を眺めつつ、ゆったりと流れる時間を過ごすのは、粋で贅沢なひとときです。心が洗われるような特別な時間を体感してみてはいかがでしょうか?
なお、同店では、日本草木研究所の「フォレストジン」や増田德兵衞商店の「月の桂」をはじめとする日本酒を堪能することもできます。大人なひとときを過ごしたいときにもピッタリですね。
伝統の尊さ、職人の技術の素晴らしさ、丁寧に生きることの大切さ――日本文化をさまざまな角度から楽しめる松葉屋茶寮、ぜひチェックしてみてください!

〒107-0062
東京都港区南青山 5-4-27 1F
表参道駅
〒107-0062
東京都港区南青山 5-4-27 1F
表参道駅

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※本記事内の情報は2024年04月30日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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