4,000軒以上のカレー屋を渡り歩く、カレー愛好家がナビゲート!
韓国料理とカレー、辛いもの好きのあなたならどっちも好きなはずですよね。けれども不思議に思ったことはありませんか?「韓国料理×カレーって見たことないなぁ」って。
そもそも「唐辛子」って名前自体、唐(朝鮮半島)からやってきた辛子、というくらい、韓国料理と唐辛子は切っても切れない関係。特にカレーにせずとも辛いモノ欲が満たされるからか、韓国独自のカレー文化が発達したという話はあまり聞きません(もちろんインド料理や日本式のカレーライスも韓国で食べられてはいます)。
日本国内の韓国料理店でカレーを提供しているところも無くはないのですが、そのほとんどは日本式のカレーライスか、それにコチュジャンやナムルを加えたアレンジにとどまっているのでした。
うーん。
「韓国料理×カレーって、絶対面白いのになぁ」なんて思っていたのは私だけじゃないはず。
ところが、遂にその夢は叶いました。しかも、予想を遥かに超えた美味しさとなって。
早速ご紹介しましょう。
オモニが作る、ナチュラルな韓国料理が人気のお店/ハンナ
ご紹介する鉄板韓国料理の「ハンナ」は渋谷の明治通り沿い、宮下公園改め「MIYASHITA PARK」のすぐ脇に立つ雑居ビルの2階にあります。
オープンは2023年4月12日。渋谷で“渋谷らしくない”通好みの業態を展開するアイクリエイティブオフィスが手掛ける、ロブスター専門店「EBIZO」 、シンガポール中華居酒屋「獅天鶏飯」に次ぐ3つめのお店です。
韓国料理=焼肉のイメージを覆すスタイリッシュな店内には、カウンター席とこぢんまりとしたテーブル席を設置。小皿をちょこちょこつまみながら飲める、グループでも一人でも楽しめるスタイルです。
窓の向かいにはMIYASHITA PARK。見下ろせば若者たちで賑わう「渋谷横丁」。
ちょっとした優越感に浸れます。
「閉店しようと思っていた」新たな仲間と共に、新橋から渋谷へ
このお店の前身は新橋で20年近く続いた「韓菜(ハンナ)」。
釜山出身ソウル育ちのオモニ(お母さん)が手掛ける伝統的な韓国家庭料理は、美味しいのはもちろん、ヘルシーで食べると元気になると評判になり、多くのファンから支持を集めていました。
「けど、一人でずっとやるのが大変で。本当は定年でお店を閉めようと思ったのだけど・・・」
そんな時、今のチームと出会い、一緒にやろうという話が。
「このみんなと一緒に、もう一回頑張ろうかな、と思ったの」
オープン時には新橋時代のファンも詰めかけ大にぎわいに。その後も評判が評判を呼び、渋谷でも人気店となりつつあります。
ていねいに、一から作る、オモニの家庭料理。
ハンナのテーマは“毎日食べたくなるナチュラルな韓国料理と美味しいお酒”。オモニにお話を伺いました。
「新橋でお店を出す時、その周辺の韓国料理店を全部食べ歩きました。その時、どの店も出していなかった料理、昔ながらの添加物、化学調味料なしで自然の味を生かす伝統的な家庭料理を出そうと思ったんです。韓国料理店って、味や調味料の足し算をしすぎちゃうことが多い。美味しいけど、調味料を使いすぎる料理って、すぐ水が欲しくなっちゃう。そうじゃなくって、自然の味を生かしたかった。塩や砂糖などの調味料もちゃんと良いものを選んで、野菜も毎朝仕入れたものを使って、出汁を使って素材の味を引き出したかった。さらに塩分を控えて、見えない健康に気を遣う。すると次の日に元気になって、また食べたくなる、そんな料理を作ってます」
「一から作る」それがオモニの韓国家庭料理なんです。
未だかつてなかった“韓国料理×カレー”の衝撃的なうまさ!
ハンナの衝撃的なカレー誕生のきっかけは、筆者がプロデュースし、毎年8月に開催している「ジャパニーズカレーフェスティバルin渋谷」というイベントでした。2023年にはオープンしたてのハンナにも参加してもらい、会期中限定の特別なカレーを提供してもらったら・・・
そのカレーがもう衝撃的なうまさで。
「絶対これ、レギュラーメニューにしてほしい!」と言っていたら、やはりかなり評判が良かったようで、このたび晴れてレギュラーメニューに昇格したというわけなんです。
今までなかった、韓国料理そのものをカレー化する試み。釜山出身のオモニと、日本人チームがタッグを組んだハンナだからできたことでしょう。
“カレー化する”韓国料理として選ばれたのは「チュクミ」(1,518円)。プリプリのイイダコを用いたピリッと辛い鍋料理で、近年韓国や新大久保でブレイクしている人気料理なんです。
韓国ではこの「チュクミ」を食べた後、残ったソースを炒飯(ポックンパ)にしていただくのが定番。
チュクミのポックンパ。
チュクミのポックンパ。
声に出してみてください。クセになる響きでしょう?
「チュクミのポックンパ」がベースになって完成した、衝撃のカレーはこちら。
「チュクミカレー」(1,200円)です、早速いただいてみましょう!
ピリリと甘辛のチュクミのタレに香るスパイス。これは確かに、韓国料理であると同時にカレーでもある、絶妙のバランスです。トッピングには韓国海苔と刻みエゴマ。そこにイイダコのプリプリ感、更にとびこのプチプチ感も加わってエンタメ性もバツグン!
どうしようもなく食がすすむ美味しさです!
もちろんチュクミのタレも一から手作り。添加物は一切なしで、甘みは果物と玉ねぎなどの野菜によるものです。このタレの味をベースにして煮込む際にクミン、ターメリック、コリアンダーなどのスパイスを加え、少量の片栗粉でとろみをつけているそう。
唐辛子はドライの粉唐辛子と刻み唐辛子、そして生の青唐辛子の3種を用いて、辛さ自体にも立体感を持たせています。最近はスパイスカレーやスープカレーなど多種多様なカレーが世の中にあふれていますが、こっちの方向のカレーは本当になかった。
まさにカレーの新天地、ニューフロンティア!!
一人でも、グループでも楽しめる。新しいスタイルの韓国料理も見逃せない
大皿で提供されるイメージが強い韓国料理ですが、ハンナではちょこちょこいろんな料理をつまみながら飲めるよう、一品一品が小さめのポーションで提供されるのも魅力。「いろいろ食べたいのにすぐお腹いっぱいになっちゃう」なんて人には、うってつけのスタイルなのではないでしょうか。しかも、それぞれのお酒や料理にとても気が利いているんです。
その時々の限定料理もいろいろ。こちらの「カンジャンサーモン」(1,200円)は、肉厚な漬けサーモンが贅沢です。
珍しい韓国のクラフトビールもいろいろあります。
筆者の個人的オススメは「チャプチェ」(935円)。初めて食べた時「何これ?今まで食べてたチャプチェと全然違う!美味しい!」と唸った逸品です。
佐藤マネージャーによると、
「よくあるチャプチェは春雨を茹でて炒めるときにソースを加えるのだけど、うちはチャプチェ自体にしっかり下味をつけて仕込んでいるんです。麺自体にも味が均等に行き渡るように。野菜の食感も意識して炒めて仕上げます」
なるほど、“美味しい”にはちゃんと理由があるんですね。そして、見えない手間暇もかかってます。
さらに、季節ごとに旬野菜を使った限定チャプチェも登場。今年の秋は「牛蒡(ゴボウ)チャプチェ」だったそうですよ。
まだまだ終わらない!飽くなき“韓国料理×カレー”への挑戦
この革命的な「チュクミカレー」は現在ランチタイムもディナータイムも提供中。
それだけではありません。
「実はほかにも、韓国料理をカレーに落とし込む試みをやってるんです。ソルロンタンをホワイトカレーっぽくしてみたり」と佐藤マネージャー。 今後もランチなどの限定メニューとして登場する可能性があるそうです。
“韓国料理×カレー”の未知なる可能性。今後も目が離せないようですね。
〒150-0002
東京都渋谷区渋谷 1-24-7 渋谷フラットビル 2F
渋谷駅
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※本記事内の情報は2023年12月26日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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