“ピンサ・ロマーナ”って知ってる？新感覚ピッツァが絶品の「Bontà Italia」へ

こんにちは、イタリア人フードライターのマッシです。日本に来て約16年、日本食やスイーツを中心に食べることが大好きで、毎日SNSやブログで食への愛を発信しています。

そんな私が本記事で紹介するのは、「イタリア感が半端ない、新感覚ピッツァが味わえるお店」です。

イタリア料理といえば思い浮かぶものは、間違いなくピッツァだ。イタリア人にとってはもちろん、きっと日本人にとっても大事な存在。しかも、日本ではイタリアのように全国どこでも食べられる。

今回紹介するお店は、みんなが思っているピッツァと違って、あまり馴染みのない形だろう。

渋谷駅から代官山方面に徒歩12分ほど、代官山駅からなら徒歩7分。駅から離れていくにつれ、周囲は静かになっていく。そのうち、シンプルだけど目を引く建物が現れる。そこが「Bontà Italia（ボンタイタリア）」というピッツァ専門店だ。

ここでは、「ピンサ・ロマーナ（Pinsa Romana）」というピッツァを味わえる。

ピンサ・ロマーナとは、イタリア・ローマの食品メーカーCorrado Di Marco S.r.l.社（コッラードディマルコ社）のコッラード氏がローマ時代のレシピを参考に考案したピッツァのジャンル。1981年の創業時から研究し、2001年に発表した。

見た目はいつものピッツァのように感じられるかもしれないけど、食べてみれば新しい食感と味を発見できるだろう。

ピンサには2つのポイントがある。まずは外側はサクッと、内側はフワフワな食感。生地種の水分含有率が80％と非常に高いのに加え、綿棒等を使わず指先で成形したり、空気の層が壊れないようにトッピングをのせる前に一度焼いたりと、ピンサならではの作り方によりこの食感を実現している。

もう一つのポイントは生地の軽やかさだ。24時間以上の長時間発酵によって一般的なピッツァより消化しやすくなっていることから、重さを感じることがない。また、生地種に小麦粉だけでなく、米粉や大豆粉が使われているのもピンサならではの特徴だ。

こうして作られるピンサは、一口目からその美味しさに思わずニヤニヤしてしまう。提供時には既に切ってあるから簡単に食べられる。生地が軽いのであっという間に完食してしまうが、満足感は十分だ。

ランチセットは3種類。今回は一人で訪れたので「ハーフ＆ハーフ」（1,950円）を選んだ。好きなピンサ2種類にサラダまたはポテト、ドリンクとデザートも付いている、食べ応えあるランチだった。

イタリアのように、テーブルにオリーブオイルと唐辛子入りオリーブオイルが置いてあるのもうれしい。

筆者は、「モルタデッラ＆ピスタチオ」（写真左）と「ピッカンテ」（写真右、イタリア語で辛いという意味）という贅沢なピンサを選んだ。

実際に目の前に登場したときの感動たるや！具がたっぷりと生地のギリギリまでのっている。「今、本当に僕は渋谷にいるのか？」と疑ってしまうほど、イタリア感が強い。

同店を経営し、ピンサを作っている方はイタリアと日本のハーフ。日伊両方の文化と味を深く知っているからこそ、このような最高の料理を出せるのだろう。これから、ピンサ・ロマーナは少しずつ日本全国に広がるに違いない。

内装の飾りもイタリア感が半端ない。シチリアのマヨルカ焼きのお皿やコップ、飾りがあって、おしゃれでテンションが上がる。

ピンサのショーケース前の席に座ったから店員さんと会話もできたし、味からではなくまず心から食事の場を楽しめた。テイクアウトもOKだから、おうちでピンサパーティーもできる！

テラス席もあるので、晴れている日に友達と行ったら楽しいだろう。

改めて、渋谷駅から歩いてきたことを思い出すと、不思議でたまらない。たった一本の道を渡るだけで、全く違う街のエッセンスを感じられるなんて。東京は知らないうちに冒険が始まるから、世界が一瞬で面白くなる。

おしゃれで新感覚なピッツァ、ピンサ・ロマーナを楽しんでみたい方は、ぜひ訪れてみてね。