日本在住約15年、イタリア人フードライター・マッシがナビゲート

こんにちは、イタリア人フードライターのマッシです。日本に来て約15年、日本食やスイーツを中心に食べることが大好きで、毎日SNSやブログで食への愛を発信しています。


そんな私が今回ご紹介するのは、「南イタリアの風景が浮かぶ世田谷のピッツェリア」です。

店員さんとの会話や店内の雰囲気…すべてが“南イタリア”/トラットリア エ ピッツェリア ラルテ

▲写真提供:トラットリア エ ピッツェリア ラルテ

▲写真提供:トラットリア エ ピッツェリア ラルテ

イタリア人に欠かせない食べ物は、言うまでもなくパスタとピッツァだ。イタリアに負けないほど数多くのイタリア料理店がひしめくこの日本では、全国どこを回っても、イタリアのトリコロールが目に入る。メニュー表を見ると、ピッツァなどのメニューが豊富で、ついつい足を止めてしまいがちだ。


今回は東京にあるイタリア料理店を巡る中で見つけた、その味とお店の雰囲気が心に残って離れない、とっておきの場所を紹介する。三軒茶屋の路地裏にある「トラットリア エ ピッツェリア ラルテ(Trattoria e Pizzeria L’ARTE)」だ。

  • ▲写真提供:トラットリア エ ピッツェリア ラルテ

    ▲写真提供:トラットリア エ ピッツェリア ラルテ

  • ▲写真提供:トラットリア エ ピッツェリア ラルテ

    ▲写真提供:トラットリア エ ピッツェリア ラルテ

南イタリアの建物を思い起こさせる外観もさることながら、お店のドアを開けた瞬間から美味しそうなイタリア料理の香りとともに温かな店員さんたちが出迎えてくれ、思わず「ここはナポリだ」と錯覚してしまいそうになる。ウェルカム感が強く、初めて訪れた際もなぜか「また来たよ」という気持ちが心の奥から湧き上がってきて、胸が温かくなった。


内装のクオリティも非の打ちどころがなく、完全に南イタリアにいるような気分になる。

▲写真提供:トラットリア エ ピッツェリア ラルテ

▲写真提供:トラットリア エ ピッツェリア ラルテ

さらにイタリア人である僕が驚いたのは、ラルテのピッツァはナポリと同じ製法で焼く本物のピッツァだということ。ちょうどピザ窯の横の席に案内され、ピッツァを作る工程をじっと見ている中で気付いた(意外かもしれないが、実はピッツァは90秒くらいで焼き上がる)。


その後、イタリアの「ナポリピッツァ協会」と「ナポリピッツァ職人協会」の両協会から認定を受けていることを知り、おおいに納得した。

▲ランチセットの前菜盛り合わせとパン

▲ランチセットの前菜盛り合わせとパン

僕が選んだのはランチコース(平日1,600円~、土日祝2,600円~)。メインをパスタかピッツァどちらにするか迷った挙句、やはりピッツァにした。これに加え、前菜の盛り合わせとパン、そして締めにはエスプレッソ付きという食べ応えのあるセット内容だ。


前菜はモルタデッラというハム類に野菜、そしてチーズ。さっぱりといただけて、食べ進めていくうちに知らぬ間になくなっていた。


イタリア式ということで、テーブルにオリーブオイルも置いてあって、好きなタイミングで好きな料理にかけることができる。すでにパーフェクトな料理も、オリーブオイルをかけることでより濃厚でたまらない味わいになる。

▲マルゲリータピッツァ

▲マルゲリータピッツァ

そして、お待ちかねのマルゲリータピッツァ(トマトソース、バジル、モッツァレラ)も登場だ。このピッツァを見た瞬間に「なるほど」と口から出てしまった。色・香り・形から使用されている食材まで、すべてがキレイで美しい。イタリアでよく見る、大きくて熱々で、まるで芸術品のようなマルゲリータだった。


「トラットリア エ ピッツェリア ラルテ」のラルテはイタリア語で「芸術」という意味。芸術品というポイントはオーナーさんにとって、非常に重要なのだ。相当のアモーレ(=愛)がなければこの素晴らしい芸術品を作り上げられないと、感動しながら食べ始めた。


一口目から、美味しさのあまり意識が遥か彼方に飛んでいった。ピッツァワールドに飛ばされたような気分だ。トマトソースがたっぷりで、モッツァレラの食感も完璧。そしてこのピッツァの1番の美味しさはなんといっても生地で、噛むたびにパンチが来る。小麦粉は、ナポリピッツァが生まれた地であるカンパーニャ州から輸入しているそうだ。

▲サラーメ

▲サラーメ

コースとは別に2枚目に注文したピッツァはサラーメ(サラミ、モッツァレラがのったピッツァ)。こちらも言うまでもなく、涙がでるほど美味しかった。マルゲリータのように好みの量のオリーブオイルをかけ、さらに夢中になって食べる。

▲エスプレッソ

▲エスプレッソ

そして食べ物の味以上に忘れられないのが、店員さんの笑顔と会話。イタリア人のような陽気な人柄と楽しい会話が心地よく、日本語で話しているのに相手は日本人ではなくイタリア人なのではないかと思えてくるほどだった。


丁寧な商品説明やイタリアの話などは、より料理が美味しく感じるスパイスのよう。そして店内にはナポリの飾りや絵などもたくさんあり、久しぶりの“南イタリアの風景”にテンションが上がっていた。


この素敵な旅の最後に、ナポリのエスプレッソを飲んで、自分の中で弱くなっていた故郷へのアモーレが一気に出てきた。やっぱり、このお店の食事はイタリア現地に負けないほど、細かいところまで考えて作られた、芸術品だった。


もし最高のピッツァを食べたいと思ったら、三軒茶屋の路地裏に行ってほしい。ナポリへの扉があなたを待っているから。

スポット
ラルテ
ラルテ

〒154-0024
東京都世田谷区三軒茶屋1-35-17

三軒茶屋駅

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東京都世田谷区三軒茶屋1-35-17

三軒茶屋駅

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※本記事内の情報は2023年08月20日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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