3000基以上の古墳を巡ってきた、古墳シンガーがナビゲート!
「古墳は空から見ないと意味がない」「歴史苦手だから無理」
・・・いえいえ、そんなことはないのです。誰でも古墳は楽しめます。
古墳シンガーで古墳にコーフン協会会長のまりこふんが、知られざる古墳の魅力、そして古墳の歩き方をみなさまにご紹介!今回は「初めて古墳見学をするならココ!」という埼玉の古墳です。
古墳初心者にピッタリ!1番最初に行って欲しいのはココ/さきたま古墳公園(埼玉古墳群)
古墳といえば緑色でモコモコっとした前方後円墳を思い浮かべますよね。そんなイメージを裏切らず、登れて入れて作れる(!?)エンターテインメントな古墳群があります。
それが埼玉県行田市にある「埼玉古墳群(さきたまこふんぐん)」。埼玉県という県名の由来ともいわれています。
そもそも古墳とは弥生時代と奈良時代の間3世紀後半~7世紀頃の「古墳時代」に造られた豪族のお墓です。天皇だけではなく、今でいう村長さんなども古墳を造れたと考えられています。
天皇や皇族に関わる古墳は宮内庁が管轄していて基本中には入れません。他の古墳でも、国指定史跡になっていてガードが固かったり、崩れかかっていて危ない古墳なども登ったり埋葬施設を見学することはできません。
埼玉古墳群は登ったり入れたりできる古墳もあるし、古墳を守る為につくられたという説もある、はにわをつくることもできるため、まるで“古墳のテーマパーク”のような場所なのです!
埼玉古墳群は公園になっていて、半日あれば歩ける距離に前方後円墳が8基、円墳が1基きれいに整備されています。道を挟んで博物館ゾーンとデカイ古墳ゾーンに分かれているのも特徴。行田駅前観光案内所からレンタサイクルでも行けるし、吹上駅からタクシーで10分くらいでも行けますよ。
園内では、いたるところに古墳やはにわを見つけることができて、「あぁ、古墳に来たんだなぁ!」とテンションが上がります。
ポイント1:登れる
こちらはデカい古墳ゾーンにある「稲荷山古墳(いなりやまこふん)」。稲荷山古墳は前方後円墳で、埼玉古墳群の中で一番最初に造られた古墳です。
この古墳、階段がついていて登ることができます。丸い方(後円部)からも四角い方(前方部)からも登れるようになっているから迷っちゃう!なんてウェルカム前方後円墳!
私は古墳に登る前はいつも「失礼します」と手を合わせてから登ります。どんなにワクワクして駆け登りたくなってもそこはグッとこらえましょう。古墳は「お墓」だということを忘れずに!
古墳の上から見える景色、山々なんかは1500年くらいではそんなに形は変わらないものです。この古墳を造っていた古代人も同じ山を見ていたんだなぁと思うと、古代人を身近に感じられて1500年前にタイムスリップしたような気持ちになれます。
稲荷山古墳の場合、後円部と前方部の高低差や、前方後円墳のくびれを造るの苦労しただろうなぁなど、古代人の気持ちになって古墳を巡るとより一層楽しめます。また、後円部には埋葬施設が示してあって、どの場所から国宝の金錯銘鉄剣(きんさくめいてっけん)が出土したのかがわかるのも嬉しいところ。
稲荷山古墳から出土した国宝の金錯銘鉄剣を見ることができる「埼玉県立さきたま史跡の博物館」が、博物館ゾーンにあるので、あわせて見てみるとさらにコーフン!できます。古墳時代の物で文字が残っているものは少なく、とても貴重なのです。是非じっくり観察していただきたい。
そして、金錯銘鉄剣に書かれた文字をデザインした箸や、はにわのトートバッグなど、ユニークなミュージアムグッズも販売しているので是非ゲットして欲しいです。
ポイント2:入れる
はにわが並んでいる「将軍山古墳(しょうぐんやまこふん)」、こちらはなんと、古墳自体が展示館になっていて中に入ることができるのです!
中に入ると、古墳の断面の剥ぎ取りや、古墳で使われた実際の石を間近に見ることが出来ます。そこですでに大コーフンなのですが、階段を昇ると埋葬施設の様子がドド~ンと展示されているので更にコーフンです!
こちら、実際の古墳の埋葬部分に再現されているので、将軍山古墳の本物の石や土を見ることも出来るんです。横の壁の石は再現ですが、下の石はほとんど本物なので、違いを見比べてみるのも楽しいと思います。
ポイント3:作れる
今度は博物館ゾーンへ。当時の作り方を学び、ちゃんとしたはにわが作れる「はにわの館」に行ってMyはにわを作りましょう。
はにわの粘土は1kgと2kgが選べ、所要時間は2kgで約5時間(1,000円)、1kgで約3時間(600円)。さきたま古墳群全体を余すことなく楽しむために、短時間で作れる1kgの方を選択するのが個人的にはおすすめです。
このMyはにわ、作った後は約1ヶ月乾燥させて、釜で焼いてやっと完成なので、遠くから来ている人のために宅配便で送ってくれるサービスもやってくれているのです。非常にありがたいです(※送料別途)。忘れたころにMyはにわが自宅へ届きます。
コーフンしたらお腹が空いてきますよね。
武蔵国で一番大きい前方後円墳、二子山古墳のすぐそばにある「さんぽ道」では美味しい天ぷらうどんやそば、行田のB級グルメで有名なゼリーフライも食べることができます。古墳を側に感じながらのランチは格別です。
紹介した古墳以外にも、さまざまな古墳があなたを待っていますよ。
特に古墳群の端っこで木々に囲まれてひっそりとたたずむ「中の山古墳」はオススメです。ここも前方後円墳なのだけど、くびれが見当たらず、なんだかだらしないフォルムなのがかわいらしいのです。みんなが来ないから油断しているのかもしれませんね。
以上、埼玉古墳群の歩き方でした。
最後に、忘れないで欲しいこと、古墳は「お墓」です。マナーを守って、楽しんでくださいね。
さきたま古墳公園(埼玉古墳群)
所在地:埼玉県行田市埼玉4834
電話番号:048-559-1111(埼玉県立さきたま史跡の博物館)
最寄駅:行田/吹上/行田市
はにわ館
所在地:埼玉県行田市埼玉5239-2
電話番号:048-559-4599
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※本記事内の情報は2022年10月04日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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