うちの入魂グルメ



“生販直結”スタイルで希少な地鶏の提供を実現

うちの入魂グルメ_塚田農場 米山久さん


―食品の生産から流通、そして飲食店での販売までを一貫して自社で手掛ける“生販直結モデル”という独自スタイルを確立した塚田農場は、飲食業界に大きなインパクトを与えた。

さらに日本の流通1%に満たないといわれる希少な地鶏を、安心安全を担保しながら適正価格で安定供給する仕組みを構築。“現地でなくても、ご当地の味が楽しめる”という革命を起こした。



塚田農場 店内

塚田農場 店内


―そんな塚田農場のコンセプトが体現された商品といえば、宮崎産の地鶏を使用したメニュー。もちろん素材の品質に絶対的な自信があるからこそ、シンプルな調理法で提供できる。しかし塚田農場は決して、素材頼みなわけではない。その裏には並々ならぬ努力とこだわり、そして従業員たちの熱い思いがあったという。

「私たちには“料理長自慢の逸品”のようなメニューはありません。生産者やお客様に接するスタッフの意見も取り入れながら、みんなで作りあげる。だから一つひとつのメニューに対する思い入れが強いのです」

―産地に赴くなど、地鶏と向き合ってきた“地鶏専門家”ともいえるスタッフが、目の前の一皿に至るまでの奥深いストーリーを伝えるのだという。

「店舗は塚田農場のブランドではなく、生産者の思いや取り組み自体を伝える媒体。そのストーリーの中に、私たちの料理が美味しい理由が明確に存在しています」



社長おすすめNo.1メニュー/地鶏炭火焼 骨付き塚田焼

うちの入魂グルメ_塚田農場 地鶏炭火焼 骨付き塚田焼


―同店で一番人気の高いメニュー『地鶏炭火焼』は、鮮度の良い状態で届いた地鶏を、高温、短時間で焼き上げる。地鶏のうま味を引き出すには最適な調理法なのだとか。



うちの入魂グルメ_塚田農場 地鶏炭火焼


「炎を上げた炭火によって炭の香りをまとわせる。噛むほどに口の中に香ばしい炭の香り、地鶏本来の食感とうま味、そして上質な脂によるジューシーな味わいが口の中に広がります」

―中でも『骨付き塚田焼』(1,980円/税抜 ※数量限定、薬味5種盛り付き)は、骨から身を外したばかりの一番美味しい状態が楽しめると好評。地鶏のうま味を存分に味わうことができる、米山社長の一押しの一品だ。



うちの入魂グルメ_塚田農場 地鶏炭火焼 骨付き塚田焼


「きれいに身離れするように丁寧に包丁を入れて仕込みを施したもも肉を、骨付きのまま豪快に炭火で焼き上げる。骨から外したばかりの一番美味しいお肉を楽しんでもらうため、お客様の目の前で、肉の構造を熟知したスタッフがアツアツのうちに素早くはさみを入れて提供します」



うちの入魂グルメ_塚田農場 みやざき地頭鶏 炭火焼


―骨付きが数量限定の一方で、もも肉とむね肉などが同時に楽しめる、定番の『みやざき地頭鶏 炭火焼』(中1,280円/税抜)も、シンプルで力強い味わいが楽しめると人気のメニューだ。

地鶏だけでなく、魚(鮮魚、すし)、ホルモン、鴨など専門店を展開する同社。「日本中に素晴らしい食材が眠っている。これからも、生産者のこだわりを発信し続けていきたい」と、米山社長は語る。



社長おすすめNo.2メニュー/生つくね

うちの入魂グルメ_塚田農場 生つくね


―米山社長が、No.2メニューとして選んだのが、“加工課程で生じる希少部位を余すことなくお客様に提供したいという思いから生まれた”という『生つくね』(1人前780円/税抜 ※2人前~)。地鶏100%の贅沢な生つくねを、地鶏のガラから抽出した鶏白湯、昆布、塩ダレで煮込む、まるで水炊きのような一品だ。

「つくねは主にムネ肉を使用。その他の部位との配合に関しては、何度も改良を重ね、食感が楽しめる荒挽きで仕上げたことで、肉のうま味もたっぷり楽しめるようになっています」。

―鶏ガラの表面には、うま味の強い肉が残されているのだとか。じっくり煮込んで抽出したスープは驚くほどなめらかでコクがある。注文した人のほとんどが最後の一滴まで残さず飲み干しているという。

「ネギと生姜の香りをうつしたチーユ(鶏油)を足すことで味変も楽しめますし、〆のラーメンも大好評ですね。麺の追加は380円(税抜)。麺とスープが絶妙に絡み合い、最後の一滴まで余すことなく味わっていただけます」。

―まさに地鶏を知り尽くす塚田農場にしか提供できない、満足度の高いメニューといえる。



社長おすすめNo.3メニュー/砂肝刺し ねぎ生姜

うちの入魂グルメ_塚田農場 砂肝刺し ねぎ生姜


―鮮度の良い地鶏は、レバーやハツなども美味しくいただける。特に「砂肝」は大ぶりで味わい深い。この希少部位をどうにかして多くの人に味わってもらいたいという思いから生まれたのが、この『砂肝刺し ねぎ生姜』(580円/税抜)だ。

「これまでも串焼きにしたり、エスカルゴのように味付けした加工品として提供してきたのですが、もっと素材そのものの味を楽しんでいただきたいと思っていました」

―長い時間をかけて、砂肝という素材に向き合い、その味わいや性質について研究を重ねていった結果、レアに近い食感を残しながら、安心安全に楽しめる“低温調理法”を採用するに至ったという。

「味付けは至ってシンプル。ネギとショウガの風味が、砂肝そのものの味を引き立てます。一皿に盛り合わせた約2羽分の砂肝を全店で提供。希少部位をこれほどまでに贅沢にご提供できるのも、すべての加工を自社で実施しているからですね」

―徹底的に素材に向き合い、時間をかけて良いメニューを作っていく。そんな塚田農場の姿勢が色濃く現れた商品といえる。



“思い”に共感が集まることで生まれるコラボレーション

うちの入魂グルメ_塚田農場 店内


―生産者とともに歩み、生産者の思いを顧客につなぐ役割を自覚するスタッフの思いが集約された数々のメニュー。実は、生販直結の取り組みがカタチになっているのは地鶏料理だけではない。

「地元の酒造会社の方々も私たちの取り組みに共感してくださっていて、様々なコラボ商品が生まれています。宮崎や鹿児島で地鶏料理と相性が良い酒と言えば焼酎。地鶏料理にぴったりのものを提案いただいて共同開発する、PB焼酎の先駆けともいえます」



うちの入魂グルメ_塚田農場 焼酎


―480円(税抜)で提供する『さつまハイボール』は、エー・ピーカンパニーと若潮酒造が共同開発したオリジナルの焼酎『WAKASHIO 515 for Highball』を使用。このハイボール専用の焼酎は、2015年春に誕生し、ブラッシュアップを重ねながら、味と品質を向上し続け、現在で4代目になるという。



うちの入魂グルメ_塚田農場 米山久さん


「樫樽で熟成させた芋焼酎と、シェリー樽で9年以上寝かせた麦焼酎を配合。焼酎の芋の甘みや余韻を残しつつ、ソーダ割りに合うようブレンドしています」

―様々な立場の人が思いを共感することで、様々なアイデアが生まれ、そして各商品も進化を続けていく。何事をも徹底的に追及する姿勢がエー・ピーカンパニー最大の強みといえるだろう。



塚田農場・米山 久さん

米山 久さん

1970年、東京都生まれ。2001年にエー・ピーカンパニーを設立。2004年には、塚田農場の前身となる地鶏居酒屋「わが家」を出店し、飲食業に本格参入する。2007年に「宮崎県日南市 塚田農場」の出店を開始。翌年の外食アワードを受賞する。2013年、マザーズから東証一部へと市場変更。現在は、地鶏、魚、鴨業態など本物の美味しさ、食材にこだわった店舗を国内外に200店舗以上多角的に展開。創業以来、食のあるべき姿と実直に向き合い既存の枠にとらわれない新しい価値づくりにチャレンジし続ける。

公式HPはこちら⇒ http://www.apcompany.jp/



お店はコチラ!
宮崎県日南市 塚田農場 渋谷宮益坂店
住所:東京都渋谷区渋谷1-14-6 平野屋ビル1F
電話番号:050-5265-9673
営業時間:月~木17:00~24:00(L.O.23:00)/金17:00~翌1:00(L.O.24:00)/土日祝16:00~24:00(L.O.23:00)
定休日:無休
最寄駅:渋谷


INFOMATION
地鶏炭火焼など、塚田農場のおすすめ料理全10品が楽しめる「塚田農場まるごとコース」は、一人3,980円(税込)。ボリューム満点の内容で、2時間飲み放題付きのお得なプラン。これからの夏の宴会にぴったり!



撮影/岡部敏明 取材・文/伊藤秋廣

※2019年7月24日現在の情報です。メニューや価格等は、現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
※価格はすべて税抜です。




本記事内の情報に関して

※本記事内の情報は2019年07月24日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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