お台場から新しくなって移転オープン/森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス

▲チームラボ《増殖する無量の生命 - A Whole Year per Year》《Moving Creates Vortices and Vortices Create Movement》©チームラボ

▲チームラボ《増殖する無量の生命 - A Whole Year per Year》《Moving Creates Vortices and Vortices Create Movement》©チームラボ

チームラボと森ビルが共同で手掛ける「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」が2024年2月9日(金)、お台場から移転オープンしました。


移転先は、2023年11月に開業した「麻布台ヒルズ」内。広大な地下空間で、新作や日本未公開作品を含む70以上の作品群を体感できるミュージアムとなっています。本記事では、その全貌と見どころをレポートします!

▲チームラボ《人間はカメラのように世界を見ていない》©チームラボ

▲チームラボ《人間はカメラのように世界を見ていない》©チームラボ

まず目を引くのが、入場口へとつながるエントランス。この空間を指定の位置付近からカメラで覗くと、「teamLabBorderless」の文字が空間に浮き上がります。しかし、同じ場所から肉眼で見ても、文字は浮き上がりません。


本作品は「人間はレンズのように世界を見ていない」ということを示唆しているのだそう。入場前から見られるこの不思議な展示が、これから足を踏み入れる作品空間への期待感を高めてくれます。

圧倒的な没入感!複数のアートが境界なく連続する一つの世界

▲チームラボ《Walk, Walk, Walk: 探し、遠ざかり、また 出会う》《境界のない群蝶》©チームラボ

▲チームラボ《Walk, Walk, Walk: 探し、遠ざかり、また 出会う》《境界のない群蝶》©チームラボ

チームラボボーダレスは、アートコレクティブ・チームラボの境界のないアート群による「地図のないミュージアム」。70以上ある作品群が複雑に関係し合い、境界なく連続する一つの世界をつくり上げている点が最大の特徴です。


例えば、部屋から部屋へと移動しながら歩き続ける群衆、館内のあちこちで飛び交い、他のアートと混ざり合いながら消えていく蝶の群れ・・・それぞれのアートは部屋を出て移動し、他の作品と関係し影響を受け合い、ときに混ざり合うことで"ボーダレス”な世界を構成しているのです。

  • ▲チームラボ《人々のための岩に憑依する滝》《花と人、コントロールできないけれども共に生きる– A Whole Year per Hour》《追われるカラス、追うカラスも追われるカラス:境界を越えて飛ぶ》 © チームラボ

    ▲チームラボ《人々のための岩に憑依する滝》《花と人、コントロールできないけれども共に生きる– A Whole Year per Hour》《追われるカラス、追うカラスも追われるカラス:境界を越えて飛ぶ》 © チームラボ

  • ▲《花と人、コントロールできないけれども共に生きる– A Whole Year per Hour》が空間を埋め尽くした様子 ※編集部撮影

    ▲《花と人、コントロールできないけれども共に生きる– A Whole Year per Hour》が空間を埋め尽くした様子 ※編集部撮影

チームラボボーダレスを象徴する作品である《人々のための岩に憑依する滝》は、移転後も健在。「人々のための岩」を仮想の三次元空間に立体的に再現し、そこに水の動きをシミュレーションすることで滝を描いている作品ですが、この空間でも、複数のアートが混じり合うさまを見ることができます。


空間のあちこちで花が生まれ成長したり、光で描かれた八咫烏(ヤタガラス)が追いかけっこをしながら飛翔したり・・・作品群が複雑に関係し合いながら刻々と姿を変えていく空間に身を置いていると、これまで体験したことのない没入感を味わえるはずですよ。

新作や日本初公開の作品も!注目のアート作品5選

▲チームラボ《Light Vortex》©チームラボ

▲チームラボ《Light Vortex》©チームラボ

新作や日本初公開の作品も多く登場している同館。ここからは、特に注目の作品を5つ紹介していきます。


新作の「ライトスカルプチャー- Flow」シリーズは、光の集合によって生み出された巨大な"彫刻”が、押し寄せ、広がり、人々を飲みこんでいく作品。現実空間とミラーの中の世界を光が行き来し、広がりのある世界を描き出します。

  • ▲チームラボ《Grid Space》©チームラボ

    ▲チームラボ《Grid Space》©チームラボ

  • ▲チームラボ《人々と共に蒸発する光》©チームラボ

    ▲チームラボ《人々と共に蒸発する光》©チームラボ

同シリーズは複数の異なる作品群で構成されており、中には人との接触によって光の輝きが変化する作品も。色や形を変えながら縦横無尽に行き交う光の渦は、いつまでも見ていたくなるような魅力にあふれています。

▲チームラボ《Infinite Crystal World》©チームラボ

▲チームラボ《Infinite Crystal World》©チームラボ

《Infinite Crystal World》は、平成25(2013)年のクリスタルツリーから続く「Light Sculpture - Point」シリーズの一つ。無数の光の柱によって生み出された光の彫刻群が、無限に広がっている作品です。


来場者は、スマートフォンから自ら選んだ世界の構成要素を投げ込むことができます。投げ込まれた構成要素は互いに影響を受け、また、投げ込まれた場所や人々の存在にも影響を受けながら永遠に変化していきます。

▲チームラボ《マイクロコスモス - ぷるんぷるんの光》©チームラボ

▲チームラボ《マイクロコスモス - ぷるんぷるんの光》©チームラボ

新作の《マイクロコスモス - ぷるんぷるんの光》は、奥行きも分からないほど広がる空間の中を、無数の"ぷるんぷるんの光”が走り続けるというもの。「構成要素が空間的時間的に離れていたとしても、全体に異なった秩序が形成され、重なり合う時、それは、宇宙か?」を模索する作品なのだとか。

▲チームラボ《Bubble Universe: 実体光、光のシャボン玉、ぷるんぷるんの光、環境が生む光 - ワンストローク》©チームラボ

▲チームラボ《Bubble Universe: 実体光、光のシャボン玉、ぷるんぷるんの光、環境が生む光 - ワンストローク》©チームラボ

 《Bubble Universe》は、世界でここでしか鑑賞できないという新作。無数の球体群によって埋め尽くされた空間に身を置き、それぞれの球体の中に異なる光の存在が入り混じる様子などを見ることができます。

  • ▲チームラボ《Bubble Universe: 実体光、光のシャボン玉、ぷるんぷるんの光、環境が生む光 - ワンストローク》©チームラボ

    ▲チームラボ《Bubble Universe: 実体光、光のシャボン玉、ぷるんぷるんの光、環境が生む光 - ワンストローク》©チームラボ

  • ▲手をかざすなどの人の動きによって光の色や動きが変化することも(球体に触れることは禁止されています) ※編集部撮影

    ▲手をかざすなどの人の動きによって光の色や動きが変化することも(球体に触れることは禁止されています) ※編集部撮影

チームラボの新たなアートプロジェクト「認識上の彫刻」をテーマにした作品で、「認識と存在について、そして、人間が世界をどのように見ているのか」を模索すると同時に、現象とは環境との連続的な関係性の中に存在することを示唆しているそう。

  • ▲チームラボ《地形の記憶》©チームラボ

    ▲チームラボ《地形の記憶》©チームラボ

  • ▲チームラボ《地形の記憶》©チームラボ

    ▲チームラボ《地形の記憶》©チームラボ

最後にご紹介するのが、高低差のある空間で里山の景色を描いた《地形の記憶》。現実の時間の流れに合わせて、青々とした稲から黄金色の稲穂などへと移ろう作品世界を楽しむことができます。


作品の中を人々が歩き回ることで空気の流れが変わり、稲や花びらの動きが変わるといった仕掛けも。また、本作は一年を通して景色を変えていきますが、次の年には昨年の景色とは微妙に異なる風景が描かれるようになっています。つまり、自然の景色が二度と同じものではないように、同じ瞬間は二度と見ることができないということを表現しているのです。

お茶やオリジナルグッズなど体験型のアート作品にも注目!

▲チームラボ《小さきものの中にある無限の宇宙に咲く花々》、《茶の木》©チームラボ

▲チームラボ《小さきものの中にある無限の宇宙に咲く花々》、《茶の木》©チームラボ

70以上の作品群が絶え間なく連続している同施設。写真撮影も含めてじっくり堪能するならば、2~3時間は確保したいところ。鑑賞中の一休みにピッタリな体験型のアートスポットもあるので、ぜひ立ち寄りましょう。


まずご紹介するのが、館内にあるティーハウス。こちらでは、一服の茶を点てると、そこに花が生まれ、無限に花々が咲き続けていく《小さきものの中にある無限の宇宙に咲く花々》と、凍結された茶(アイスクリーム)を置くと、そこから木が生い茂っていく《茶の木》という2つのアート作品を提供しています。


器を手に取ると器の外にも花や木が広がっていきますが、器の中が空になると、作品も枯れてなくなってしまうのでご注意を。

  • ▲チームラボ《スケッチオーシャン》©チームラボ

    ▲チームラボ《スケッチオーシャン》©チームラボ

  • ▲描いた絵をスキャンすると・・・ ※編集部撮影

    ▲描いた絵をスキャンすると・・・ ※編集部撮影

  • ▲海の中に描いた生き物が現れます! ※編集部撮影

    ▲海の中に描いた生き物が現れます! ※編集部撮影

もう一つの体験型スポットが、世界各地のチームラボの展覧会で人気を博している《スケッチオーシャン》。来場者が紙に描いた魚が、他者の描いた魚たちとともに目の前の海で泳ぎ出す作品です。


魚は人々にインタラクティブに反応しながら、部屋を出て、他の作品の境界を越えて館内を泳いでいきます。中でもマグロは、世界の他の場所で行われているチームラボの展覧会へと泳いでいくのだとか。まさに"ボーダレス”を体現する作品ですね。

  • ▲「スケッチファクトリー」で制作できるグッズ群 ※編集部撮影

    ▲「スケッチファクトリー」で制作できるグッズ群 ※編集部撮影

  • ▲実際に描いたイラストが・・・ ※編集部撮影

    ▲実際に描いたイラストが・・・ ※編集部撮影

  • ▲数十分後にはエコバッグになりました! ※編集部撮影

    ▲数十分後にはエコバッグになりました! ※編集部撮影

こちらには、自分だけのオリジナルグッズを制作できる「スケッチファクトリー」が併設されています。その場で描いた海の生き物たちをスキャンしてスマートフォンから申し込みをすると、その生き物たちがプリントされたTシャツやエコバッグなどを購入できるという仕組み。


申し込みから完成まではわずか数十分、受け取り場所はミュージアム外に設置されているので、完成までその場で待機する必要はありません。とても気軽に制作できるので、来場記念に世界で一つのお土産づくりにぜひトライしてみて。

まとめ

▲チームラボ《境界のない群蝶》©チームラボ

▲チームラボ《境界のない群蝶》©チームラボ

待望のオープンを迎え、その全貌が明らかになった「チームラボボーダレス」。今回ご紹介したのは、数あるアート作品のうちの一握りです。昨年オープンしたばかりの「麻布台ヒルズ」とあわせて、2024年の要注目スポットの一つになること間違いなし。いち早く訪れて、"境界なく連続する一つの世界の中で、さまよい、探索し、発見する”感覚を味わってみてくださいね。

スポット
森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス

〒106-0041
東京都港区麻布台 1-2-4 麻布台ヒルズ ガーデンプラザB B1F

神谷町駅

〒106-0041
東京都港区麻布台 1-2-4 麻布台ヒルズ ガーデンプラザB B1F

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