年200杯のラーメンを食べるラーメンインタビュアーがナビゲート!

こんにちは、ラーメンインタビュアーの岡崎美玖です。東京都内を中心に年間約200杯以上のラーメンを食べ歩き、作り手の人柄や思いを伝える「ラーメンインタビュアー」として活動しています。


本記事では「都内で本格派の博多ラーメンを食べるならココ!」というお店をご紹介します。

博多・中洲の屋台出身の店主が営む本格派・博多ラーメン店/ラーメン健太

▲大きな赤色の看板は大家さんが商いをしていた頃のもの。あえてそのままにしているそう

▲大きな赤色の看板は大家さんが商いをしていた頃のもの。あえてそのままにしているそう

ご紹介するのは、高円寺駅から徒歩7分ほどの場所にある「ラーメン健太」。


“福岡の豚骨ラーメン”と一口にいっても、実は発祥した地域によって更に細分化されており、「博多ラーメン」「長浜ラーメン」「久留米ラーメン」といった種類があります。ラーメン健太はそのうちの「博多ラーメン」にジャンル分けされるお店です。


営業時間はなんと12時~15時までの3時間のみ。店主の横尾健太さんが一人で仕込みから営業までのすべてを行っているため、一番美味しいと思うスープが作れる限界量に合わせたのがこの営業時間なのだそう。


店外まで漂う強烈な豚骨の香りは、まさに本場の博多ラーメンそのもの。東京で現地さながらの「クサウマ」な香りと味を堪能できるお店は実はとても希少なため、営業時間中は常にお客さんでにぎわっています

▲店主の横尾健太さん(左)と筆者(右)

▲店主の横尾健太さん(左)と筆者(右)

博多で生まれ育った横尾さんは、ファッションの専門学校を卒業後、中州の屋台でアルバイトとして働き始め、のちに店長として1店舗の屋台を任されるまでに。3年ほど修業した23歳の頃、東京に出ることを決意。友人が当時住んでいた高円寺に単身上京しました。


ある日、高円寺内で偶然空き店舗の情報を見つけた横尾さんは「やってみよう」と一念発起。平成25(2013)年、〆にラーメンを提供する居酒屋「中洲屋台 健太」をオープンし、人気を集めます。


その後、コロナ禍を挟んだことがきっかけとなり、今一度自身のラーメンを見直そうと福岡市にある博多ラーメンの名店「駒や」で修業。そして2021年3月、同じ高円寺内で移転し、「ラーメン健太」として現在のラーメン一本勝負の営業スタイルにしたのだといいます。

営業は一日3時間だけ!強烈な“豚骨香”が漂う博多ラーメン店、高円寺「ラーメン健太」_1658646

「飲食に関する考え方は、基本的に屋台のスタイルです。(お客さんと厨房を区切らない)お店の開放感や、提供スピードを重視してメニューを一種類に絞っているのも、すべて屋台の時の経験から来ています。屋台で働いていた頃はとにかく忙しくて、やり方も“見て学べ”のスタンスでしたね。アルバイト開始1週間後には屋台2店舗の焼き場を任せられるなど、すごく厳しくて、今考えると屋台時代が人生で一番ハードな時期でした」(横尾さん)

▲「ラーメン」

▲「ラーメン」

そんな横尾さんが作り出すのが、こちらの「ラーメン」(1,000円)。麺の上にはネギ、海苔、チャーシューがトッピングされています。


メニューはこれ一つのみですが、博多ラーメンの特徴の一つでもある「替玉」はなんと何玉でも無料という太っ腹サービス!ラーメン好きとしては、替玉が無料ということ自体だけでなく、途中で替玉を追加する際に小銭を出さなくても良いことも、うれしいポイントなのです。


というのも普段は「あ、やっぱり替玉たべたいな・・・」と途中で思った場合、麺が残り3分の1くらいに減ったら一旦食べる手を止め、鞄を手に取り、お財布を出して、小銭をじゃらじゃらと探し出し、お金を渡して替え玉をお願いする―――。そんな手間が発生します。ですがラーメン健太では、自分が食べ終わりそうなタイミングで「替玉お願いします」と一声かけさえすれば、引き続き食べ進めながら替玉が来るのを待つだけで良いのです。


「短時間営業なのでとにかく回転率を重視したいということになると、無料のほうが僕も楽なんですよ。小銭のやり取りも大変で、結果的にお客さんを待たせてしまうことになるので、ラーメン作りに集中できるこのスタイルにしました」(横尾さん)

営業は一日3時間だけ!強烈な“豚骨香”が漂う博多ラーメン店、高円寺「ラーメン健太」_1658648

自慢のスープは、豚の背ガラ、ゲンコツをメインに頭なども少量使いながら営業時間中炊き続けています。


一口飲むと、店外まで漂っていた強烈な豚骨感とは裏腹にあっさりとした一面もあり、やさしい味わいながらもしっかりと豚骨の風味も感じられる凝縮されたうま味に驚きます。


ラーメン健太では、ラードを使用しておらず、豚肉から丁寧に抽出された純粋な脂は全く胃袋がもたれることなく、まさに毎日飲みたくなるようなスープです。

営業は一日3時間だけ!強烈な“豚骨香”が漂う博多ラーメン店、高円寺「ラーメン健太」_1658649

「とにかくここの麺が好き」と横尾さんが話すこだわりの麺は、創業から100年以上続く福岡の老舗製麺所「青木食産」のもの。毎朝空輸で300食ほどを取り寄せているのだそう。


コシが強く、パツッと歯切れの良い麺で、するすると箸が進みます。私はいつも「おすすめ」でお願いしますが、麺の固さはもちろん好みでお願いすることも可能です。

営業は一日3時間だけ!強烈な“豚骨香”が漂う博多ラーメン店、高円寺「ラーメン健太」_1658650

卓上には博多ラーメンのお店らしく、自分の好きなように味を変化させることができる調味料やトッピングが並んでいます。

  • ▲替玉をお願いして、2杯目突入

    ▲替玉をお願いして、2杯目突入

  • 営業は一日3時間だけ!強烈な“豚骨香”が漂う博多ラーメン店、高円寺「ラーメン健太」_1658652

私は、1杯目はそのまま何も入れずに食べて、2杯目は紅ショウガをがっつりと入れてゴマを振りかけるスタイルがお気に入り。紅ショウガのさっぱりとした味わいが口の中を引き締めてくれるので、〆の食べ方としてオススメです。


今後も2号店や多店舗展開などは考えずに「自分が厨房に立ちたい」と話す横尾さん。客席からは横尾さんのテキパキとラーメンを作る姿を間近で見ることができ、そのライブ感も相まって、まるで福岡にワープして本場の屋台にいるかのような気分になります。


都内でも有数の、本格派博多ラーメンが食べられる「ラーメン健太」。ぜひ訪れてみてくださいね。

スポット
ラーメン健太

〒165-0034
東京都中野区大和町 1-66-6

高円寺駅

〒165-0034
東京都中野区大和町 1-66-6

高円寺駅

本記事内の情報に関して

※本記事内の情報は2024年06月27日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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