喫茶ライターがナビゲート!昼と夜で異なる顔を見せてくれるお店/simonne

喫茶ライターの川口葉子です。本記事でご紹介するのは、吉祥寺駅北口徒歩5分ほどの路地裏にあるお菓子とナチュラルワインのお店「simonne(シモンヌ)」。
昼はお菓子屋さん、夜はデザートを”あて”に呑めるワインバーとして、金・土・日曜の3日間だけ開かれるお店です。昼と夜、それぞれの魅力あふれる表情をお届けしましょう。

シモンヌは三鷹のビストロ「kuval(クバル)」の姉妹店です。クバルではオーナーシェフの久原将太さんとパティシエールの久原春香さん夫妻が腕をふるってきましたが、2023年6月、春香さんがお菓子とワインを主役にしたシモンヌをオープン。ご近所の大人たちを中心に、熱心なリピーターを生んでいます。

12時から15時までカウンターに並ぶのは、クッキーやフィナンシェ、フロランタンやマドレーヌなど、ギフトにも喜ばれるフランス菓子の定番と、毎朝の焼きたてをその日のうちにどうぞ、というスコーンやケーキ。お菓子を買いに行くという行為の楽しさと、ワクワクする気持ちの鮮度をあらためて意識したといいます。
使われている素材は国産小麦粉とフランス産小麦粉、粗糖や発酵バター、発酵生クリームなど、吟味されたものばかり。ぜひ試していただきたいのが、個性の光るスコーン各種(350円)です。ザクザクした食感を大切にして焼き上げ、甘みと塩味の絶妙のバランスを楽しませてくれます。どんな種類が並ぶかは当日のお楽しみ。
この日、4種類のスコーンの中から選んだのは「白カビサラミのスコーン」(写真左下)。ビストロの姉妹店である強みを生かし、お菓子屋さんとしては珍しい食材である白カビのサラミを活用した逸品です。上品なうま味と塩味をもつサラミと、焼き色のついた香ばしい小麦粉の香り、ほのかな甘みが混然一体となって口に広がり、ワインにもピッタリ。

17時からのワインバーは、グラス900~1,200円、ボトルワイン6,000円から。ワインを楽しみたい人のためのわずか6席の空間ゆえ、ノンアルコールドリンクのみのお客さまはご遠慮ください。
メニュー表には、”最初の一口のお楽しみ(小さなお菓子)”、“サレ(しょっぱいの)”と”シュクレ(甘いの)”が並んでいます。サレの中にはクバルのシェフが手掛けるパテドカンパーニュや季節の小さな一皿もあり、シュクレは焼き菓子やイートイン限定のデザート。どちらもクオリティーの高い美味しさです。
赤ワインと合わせたのは、貝殻のような形が目をひく焼き菓子「ショソン・ナポリタン」(写真左、400円)。しっとりした折り込みパイ生地のなかに、甘さ控えめのカスタードクリームとラムレーズンが入っていて、素朴ながら飽きのこない味わい。まさにワインを“呼ぶ”お菓子です。
「これは地味な伝統菓子で、つくるのに手間はかかりますが好きなんです」と春香さん。辻製菓専門学校で学んだ後、フランス校へ進学。シモンヌという店名はその時代に生徒に与えられた呼び名にちなんでいるのだそう。帰国後はレストランウェディングのケーキやイタリアンレストランのアシェットデセールを担当するなどして技術を磨いてきました。
シモンヌならではのお菓子づくりには、経験とインスピレーションが必要。「パティシェの仕事は常にインプットしつづけることが大切だと考えています。これからも引き出しを増やしていきたい」(春香さん)

▲「桜のパフェ」(期間限定)
イートイン限定の「桜のパフェ」(期間限定、1,320円)の美しいこと!淡くはかなげな酸味と香りが魅力の桜のジュレに、グリオットのコンポート、よもぎのパンナコッタ、さわやかなライチのアイス、クランブル、甘酸っぱいグリオットのアイスを重ね、桜のメレンゲに桜の花びらを散らしています。桜の時季、ワインの時間のしめくくりにぜひどうぞ。
お菓子の顔ぶれは、足しげく通うお客さまも飽きないように「少しずつ変わります」とのことで、その日、どんなお菓子に出会えるかは一期一会。日常的に気軽に買いに来てほしい、という願いから、ロスを少なくすることで価格を抑えているのも魅力です。クッキーは1枚からバラ売り。お菓子をいつもより1、2個多く買っても大丈夫!
散歩の楽しい季節、吉祥寺に出かけたらぜひ立ち寄ってみてください。

〒180-0004
東京都武蔵野市吉祥寺本町 2-17-6
吉祥寺駅
〒180-0004
東京都武蔵野市吉祥寺本町 2-17-6
吉祥寺駅

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※本記事内の情報は2024年04月20日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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