喫茶ライターがナビゲート!自分の居場所が必ず見つかる空間/ROUTE BOOKS

自分の居場所が必ず見つかる。上野の廃工場をリノベしたカフェ「ROUTE BOOKS」_1291700

喫茶ライターの川口葉子です。本記事では、上野駅から徒歩3分の路地裏にひろがる、本とコーヒーと亜熱帯植物の緑に囲まれた自由空間「ROUTE BOOKS」をご紹介します。


廃工場をリノベーションしたこのカフェで座っていると、不思議といつも以上に本棚に好奇心と想像力をかきたてられたり、何か新しいことを始めたくなったりするのです。

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正午前、香ばしいパンの香りが漂う細い路地。向かいあう2棟の古びた建物に次々に人々が訪れては、自分の場所を見つけて居心地よくおさまっていきます。


ある人は、まず隣接するパン屋「ROUTE pain」の焼きたてパンを手に、12時オープンのROUTE BOOKSで本とコーヒーを買ってテーブルへ。またある人は、向かいのビルの階段を上がって指輪づくりの教室へ――


東上野のゆるやかなカルチャー・ネットワークが胎動するこの場所は、1棟が独立書店とカフェ、ベーカリー、陶芸工房、ギャラリーなどの複合施設「ROUTE COMMON」、向かいの1棟がこれら全体の生みの親である工務店「ゆくい堂」が事務所と工房を構える「ROUTE 89 BLDG.」となっています。3階には古着ショップやクラフトアクセサリー工房などが入居して、秘密のマルシェのような空気感。音楽ライブなども頻繁におこなわれ、集まる人々の間にコミュニティが育っているのです。

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ゆくい堂はカフェ好きの人ならご存じであろう「松庵文庫」や「fukadaso」などの人気店のリノベーションを手がけてきた工務店。長い歳月を重ねた建物に残る記憶を生かしながら、再び人が集う場所へと生まれ変わらせてきました。


代表の丸野信次郎さんは、ROUTE COMMONについて「意図的にこういう場所づくりを計画したわけじゃないんです。自分が好きなこと、面白いと思うことを形にしていったらこうなりました」と語ります。

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ROUTE COMMONは平成27(2015)年、丸野さんが工務店の事務所として廃工場を借り、4階に書店をオープンしたことから始まりました。工務店が書店を発想するということ自体、珍しいと思いますが、「当初はシェアオフィスにすれば収益が上がるという話もあったんですが、僕らは埃だらけで作業してるんで、そこにビジネススーツの人々が出入りするのはちょっと違うなと。面白い人が来てくれたらいい、本屋ならいろいろな人が集まるんじゃない、くらいの発想で、結局は本屋とカフェという儲からない2業種を選んだ(笑)。赤字にならなければ良いんです」


翌年、空き物件となった向かいの建物も借りて、ROUTE BOOKSをその1階へ移し、陶芸教室やパン屋さんなどを開いていきました。


驚くべきは、大手取次を通さない本の仕入れも、観葉植物の仕入れルート開拓も、ゆくい堂のスタッフがおこなっていること。“産地直送”がゆくい堂の経営理念。本も植物もパンも、可能な限り作り手とお客さんの距離を近づけているのです。

▲「コーヒー」(グアテマラ・500円)、「ミルクフランス」(350円)

▲「コーヒー」(グアテマラ・500円)、「ミルクフランス」(350円)

カフェで食べるなら、とROUTE painのスタッフが勧めてくれたのは「ミルクフランス」(350円)。香ばしいバゲットが絶品です。カリッとしたクラストと、もちっとしたクラムに、自家製ミルククリームのやさしい甘さが最高の相性。清澄白河のARISE COFFEEの豆を使った「コーヒー」(グアテマラ・500円)とともに幸せを噛みしめました。


上野に吹く新しい風を感じに、散歩に出かけてみませんか。

スポット
ROUTE BOOKS

〒110-0015
東京都台東区東上野 4-14-3 Route Common 1F

上野駅

〒110-0015
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※本記事内の情報は2024年01月22日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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