旅するパンマニアがナビゲート!フランス仕込みのベーカリー/Think
1万個以上のパンを食べ歩いた旅するパンマニア、片山智香子です。本記事では、谷中エリアにあるフランス仕込みのパンと焼き菓子を楽しめるベーカリーをご紹介します。
築80年の古民家をリノベーションした複合施設「上野桜木あたり」に、2023年4月にオープンした「Think(シンク)」。東京メトロ千代田線の根津駅や千駄木駅、JR日暮里駅から徒歩約10分くらいの場所にあります。
こちらは、フランスの製菓専門学校で出会った菓子職人の仲村氏とパン職人の鈴木氏が立ち上げたお店。ハード系から甘めのパンはもちろん、マドレーヌやタルトなどのフランス菓子まで並びます。
日本のいわゆる“パン屋さん”にお菓子が並ぶことはあまりないかもしれませんが、ヨーロッパでは菓子とパンを一緒に販売するブーランジェリーパティスリーが一般的。フランスで修業したお二人による、本場さながらのスタイルが楽しめるんです。
お店に入ると、パンが陳列されているカウンターの存在感にビックリするかもしれません。それもそのはず、なんと重量900kgもする栃木県で採れた芦野石を用いているんです。
耐久性に優れ、時間が経てば経つほど味が出るのが特徴の芦野石。「お客さんにも今後のThinkの変化も楽しんでほしい」という気持ちから選んだそうです。その理由を伺い、納得。
初訪問時に食べて感動したのが「ミルクフランス」(350円)。コロンとしたフォルムがかわいらしい、手のひらサイズの一品です。
甘酒や水種を加えたバゲット生地にきび糖、練乳、ベルギー産の発酵バターという組み合わせ。クリームが少し黄色味がかっているのは、きび糖を使っているからなんですって。きび糖のやさしい甘みに発酵バターのコクがプラスされ、甘さの中に感じる奥深さがシンプルな生地と見事に合います。一口いただけば、新しいミルクフランスの世界を垣間見た気持ちになります。
ハード系のパンで人気がある「サングリア(赤)」は1/4サイズ(450円)から購入可能。カンパーニュ生地にワイン漬けしたドライフルーツやナッツを混ぜ込んだパンで、その名の通り、ワインにフルーツを入れてつくるワインカクテル「サングリア」をイメージしているのだそう。
クラスト(外側)はガリガリッとした食感で存在感があり、超高加水なパンらしくクラム(内側)はめちゃくちゃ瑞々しく、そのコントラストがたまらない!
なにより驚いたのはトーストしてもクラムのもっちり感が持続したこと。ドライフルーツの酸味がじゅわっと口内にあふれ、大きくカットされたクルミの香ばしさがその後を追いかけてきます。
ベーカリーで見かけると買わずにいられないくらい大好きな「カヌレ」(380円)もオススメです。
24時間寝かせてから焼き上げているというこちら。そうすることで、グルテンが落ち着き、もっちり、しっとり、クリーミーな仕上がりになるんですって。オールドラムの芳醇な香りとしみしみな甘みの余韻が残る、大人なカヌレです。
発酵バターと栃木県那須町の御養卵を使った「マドレーヌ」(230円)も見逃せません。香りを残すために焼き時間を短めにしているので、さっくりふわっとした軽い食感になるのだそう。ブランド卵を使った焼き菓子ってコクを感じるものが多いなか、こちらのマドレーヌはコクに加え爽やかさも感じるのですよ。
ギフト用に個包装されることが多いマドレーヌですが、Thinkでは包装せずにカウンターに陳列されています。ホロホロッと口の中でとろけるマドレーヌはプレーンの他に常時数種類あるので、その日の気分で自分用に買うのも良いかも。
谷根千は街歩きも楽しいエリア。ぶらり散歩がてら訪れて、フランス仕込みの本格パンとお菓子を楽しんでみてはいかがでしょうか?
〒110-0002
東京都台東区上野桜木 2-15-6 Atari2号棟1階
日暮里駅
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東京都台東区上野桜木 2-15-6 Atari2号棟1階
日暮里駅
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※本記事内の情報は2023年12月01日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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