年200杯のラーメンを食べるラーメンインタビュアーがナビゲート!
こんにちは、ラーメンインタビュアーの岡崎美玖です。東京都内を中心に年間約200杯以上のラーメンを食べ歩き、作り手の人柄や想いを伝える「ラーメンインタビュアー」として活動しています。本記事では「都内でホタテのつけ麺を食べるならここ!」というお店をご紹介します。
昆布水×ホタテのうま味がたまらない!/Tokyo Style Noodle ほたて日和

ご紹介するのは、JR秋葉原駅昭和通り口から徒歩3分ほどの所にある「Tokyo Style Noodle(トウキョウスタイルヌードル)ほたて日和」。2022年12月にオープンした、ホタテと掛け合わせたラーメンが人気のお店です。
オープンするや否や瞬く間に話題となり、毎日開店と同時に行列ができるほどの人気店に。今では、混雑を避けるために全時間帯で記帳制を取り入れています。

▲店主の及川さん(左)と筆者(右)
同店店主は、ラーメン業界に入る前はバーテンダーをしていたという、異色の経歴を持つ及川淳一さん。
「ホタテは出汁が取りづらい上に値段が高いんです。そのため“限定ラーメン”として提供していることが多く、看板メニューにしている店はあまりありません。だからこそ、ホタテのラーメンを出したら珍しいのではと思い、構想を練り始めました。元々バーテンダーだったので、素材の足し算、引き算は得意です。ホタテの味を立たせるために、他の素材を加えたり引いたりすることで、全体のバランスを整えることを大切にしています」(及川さん)

ご夫婦二人三脚で切り盛りされている同店。後述するつけ麺のビジュアルや味はさることながら、温かな接客も人気の一つで、筆者が訪れた日は半数が女性客でした。女性一人でも気軽に入りやすいお店です。

▲「『特製』帆立の昆布水つけ麺 白(塩)」(1,400円)
そんな同店の人気メニューが「『特製』 帆立の昆布水つけ麺 白(塩)」(1,400円)。麺の上には、鶏ムネと豚ロースのチャーシュー2種、小松菜、炙りホタテ、味玉、メンマがトッピングされています。
ところで、「昆布水つけ麺」というラーメンのジャンルをご存じでしょうか?かつて町田市にあった「ラァメン家 69'N'ROLL ONE(ロックンロールワン)」の店主嶋崎氏が考案した、昆布のうま味が染み込んだとろとろの昆布水に、麺がほどよく浸かった状態で提供されるつけ麺のことです。
同店に影響を受けた“インスパイア系”(=有名店から着想を得て同系統のラーメンを提供するお店のこと)も増加し、今ではつけ麺の中で人気ジャンルとして確立されつつあります。
同店では、今注目の「昆布水つけ麺」とホタテが見事にコラボレーションしたつけ麺をいただけるんです!

▲右から時計回りにわさび、ほたてのカルパッチョ、鰹塩、トリュフオイル、ディル
話を戻して、早速つけ麺をいただきましょう♪
まず注目していただきたいのが、一緒に提供される別皿トッピングです。どれをどうやってのせればいいんだ・・・!?と一瞬戸惑うかもしれませんが、店主オススメの食べ方が書かれた「美味しい食べ方」が各席に用意されているのでご安心を。
「美味しい食べ方」に沿って一つずつ加えて食べ進めていく様は、コース仕立ての料理のよう。一つのメニューで何度でも美味しい・・・!
「あくまで参考程度にですが、ぜひ一通りオススメの食べ方に沿って食べていただき、自分の好きな食べ方を見つけてほしいです」と、及川さん。
最初に「ホタテのカルパッチョを食べる」とあるのは、「まず口の中を“ホタテ”にしてもらう」という思いが込められているからなのだそう。
「“ラーメン”というと一つの丼で味を完成させるものが多いですが、同じ味で食べ進めるのではなく自分で味に変化をつけて楽しんでほしいという思いで、さまざまな味変アイテムを用意しています」と、及川さんは続けます。

では、オススメに従ってまずはホタテのカルパッチョを。
既に味はついているので、そのまま一口でパクリ。ホタテそのもの甘みがダイレクトに感じられ、ねっとりとした食感もたまりません。カルパッチョで既に感動の嵐・・・!

麺を持ち上げると、北海道産羅臼昆布、北海道函館産・青森県大間産がごめ昆布を贅沢に使用した、キラキラと輝く昆布水に目が釘付けに。「昆布の香りがより広がるように」と、昆布水の温度、粘度、皿の温め方を季節に応じて変えているというこだわりの昆布水です。
北海道産の小麦粉「春よ恋」という品種の中でも、より香りの良いものを厳選してブレンドしたという麺と良く絡みます。最初に麺だけでいただくと、塩味も程よく感じられる昆布水のうま味がブワッと口いっぱいに広がり、麺だけでいくらでも食べられてしまうほど美味しい!

続いて、つけ汁に注目してみましょう。
信玄どりと平子煮干し、そしてホタテの一大産地、北海道猿払村から厳選したホタテを使用。これらから抽出したエキスで作られるつけ汁は、ホタテの味を前面に押し出した逸品です。
まず一口すすってみると、ホタテの甘みが鼻を抜けます。昆布水つけ麺を浸して食べてみれば、ホタテと昆布のうま味が重なり、唯一無二の美味しさに・・・!

つけ汁の中には、鶏団子やワンタンなどの具材がたっぷり入っており、中にはベビーホタテも。
「ベースになるホタテは、漁港組合さんとやり取りして価格を抑えられているからこそ、この値段でつけ麺を提供できています」(及川さん)

▲取材日のスープ割りは「鹿児島県枕崎産の宗田鰹と牛テールの出汁割り」
全てを味わったら「スープ割り」も忘れずに。残ったつけ汁に専用の割りスープを入れていただく、つけ麺の醍醐味でもあります。月変わりで割りスープの内容が変化するので、来る度に違う味が楽しめるワクワク感もたまりません。

▲これからの季節、ホタテの濃厚なうま味がよりガツンと伝わる「帆立の塩そば」(1,100円)もオススメ
「2023年12月で1周年を迎えるので、今後は限定メニューなども考案していきたいです。あとは、お店を通じてホタテと昆布水の美味しさがより多くの方に伝わったらいいなと思っています。実際にお客様の声を聞くと『昆布水つけ麺を初めて食べた』という方が3分の1以上いらっしゃるんです。ラーメンの概念が変わったという声もいただくので、ラーメン業界のすそ野が広がるきっかけになればと思っています。何よりも、食べていただき、楽しかったと思ってもらえるのが一番うれしいです」(及川さん)
自分の好きな食べ方を見つけるのはもちろん、味の変化の楽しさをも教えてくれる唯一無二の「帆立の昆布水つけ麺」。ぜひこだわりの一杯を味わってみてくださいね。

〒101-0025
東京都千代田区神田佐久間町 2-2 梅屋ビル
秋葉原駅
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※本記事内の情報は2023年11月18日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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