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シュウマイを長く食べ続けるため「焼休日」を設けるほど、ほぼ毎日シュウマイを食べ続けている、シュウマイ研究家のシュウマイ潤です。今まさにブームになりつつあるシュウマイの王道、新鋭、さまざまなシュウマイ名店を紹介します。
今回は「“ガチ中華”の町のシュウマイならココ!」ということで、埼玉・西川口にある「異味香(イウィシャン)」を紹介します。
“ガチ中華”の聖地で出会った、シンプルで“焼き”にこだわったシュウマイ/異味香
かつて、埼玉県屈指の歓楽街として知られていた西川口。最近では“ガチ中華”の聖地として知られているのをご存じでしょうか?
“ガチ中華”の一般的な定義は「海を渡って日本に来た中国語圏の人々が提供する中国料理」。提供されるのは、従来日本人が親しんできた中国料理とは“別物”で、故郷を懐かしみ、自分たちの好みに合わせた本場の味、とのこと(参考:webサイト「東京ディープチャイナ」)。実際に西川口駅周辺を歩くと、日本人が見慣れた中国料理屋とは風情が異なる、アジア的異国情緒が色濃い店が目につきます。
今回ご紹介する「異味香」も、黄色い看板が印象的で、ひときわ個性を放っています。
今でこそ“ガチ中華”の聖地ですが、実は2008年頃の西川口は「焼きシュウマイ」の聖地でした。私も7年前に訪れ、今回ご紹介する「異味香」の「焼きシュウマイ」を食べたことがあります。
私の研究によると、2015年頃から「蒸し」以外に「揚げ」「水(スープ)」そして「焼き」シュウマイを提供する店が増えてきました。それ以前から焼きシュウマイを提供していたのは、おそらく関東でもこのエリアだけだったはずです。
私のシュウマイ人生でおそらく初めての「焼きシュウマイ」。その味わいは後述しますが・・・衝撃を受けた一方で、思ったよりも違和感なく、新たな表現方法だと実感できる、納得の味わいでした。今回はその時の記憶もたどりながら、改めて「焼きシュウマイ」と“ガチ中華”の底力を体感すべく再訪した、というわけです。
店内もなかなかの個性派。びっしりと張り巡らされた中華風の装飾や、メディア取材を受けた際の写真やサインがズラリ。オーソドックスな中華メニューの合間には、本場仕様のメニューが写真付きで紹介されています。これだけでも、さすがは“ガチ中華”の聖地にある店という印象を受けます。
この日は筆者一人での訪問だったので、通されたのはカウンター席。目の前にあるホワイトボードには、「佐渡直送マイカとエリンギのピリ辛炒め」「大山どりムネ肉低温調理冷菜」など、国産食材を用いたオススメのメニューが。“ガチ中華”と日本を融合させた、こだわりも感じられます。
そのカウンターの脇には、「シューくんとマイちゃん」のマスコットの姿が。7年前にも目にしたイメージキャラクターで、今もシュウマイに力を入れていることがわかり、ホッと一安心。
ビールが進む!シンプルな炒め物も、焼き餃子も“ガチ”で美味しい!
▲「青島黒ビール」「青島プレミアム」(各693円)
先ほどのメニューも気になりつつ、目的の「焼きシュウマイ」とのバランスを考え、「空芯菜のニンニク炒め」と看板点心「煎人餃子(センニンギョウザ)」をオーダーしました。
料理が出てくるまで軽く一杯と、まずビールをお願いすると、スタンダードなグリーンの瓶の「青島ビール」に加え、珍しい「青島プレミアム」「青島黒ビール」(各693円)があるとのこと。シュウマイとの相性も良いそうなので、どちらにするか迷っていると・・・なんと「ハーフアンドハーフ」を提案してくれました。
「プレミアム」は白ビールのような苦味がないスッキリした喉越し。一方の「黒」はしっかりと香ばしさを感じつつも後味はさわやか。この二つを「ハーフアンドハーフ」にしてみると、その双方の良さが生かされた美味しさに。とても飲みやすく、しっかりほろ酔い気分になれました。
▲「空芯菜のガーリック炒め」(680円)
まず出てきたのは「空芯菜のガーリック炒め」(680円)。野菜のシャキッとした食感、苦味と甘みが混じった風味が程よく残り、ちょっと強めに効かせたガーリックが絶妙。ビールが進みます。
▲「煎人餃子」(418円)
続けて出てきた「煎人餃子」(418円)は、とにかくデカイ!シュウマイ的な見立てでは、長さ10cm前後、2個で重さ150g以上はありそうです。
食べてみると、香ばしくしっとりした厚めの皮が豚肉と野菜のうま味を吸収し、皮だけでも圧倒的なうま味があります。そしてそこにほかの具材が合わさり、口の中で見事なコントラストが生まれます。野菜のジューシー感が強く後味はあっさり目。
シンプルなメニューですが、美味しさはもちろん、中国料理と店の個性が息づく“ガチ中華”の魅力を感じました。
パンチ力がすごい!焼くことで豚肉のうま味がシンプルに味わえる
▲「焼きシュウマイ」(363円)
そしていよいよ、今回の主役である「焼きシュウマイ」(363円)が登場。こんなかわいらしい見た目だったっけ?と思いつつ、まずは中身を確認すべく半分に割ってみました。
豚肉と玉ねぎのシンプルな構成で、肉の割合が多め。実際に味わってみると、薄皮のカリッとした食感のあとにやってくる、ふっくらと軟らかい豚肉の甘みとうま味がグッと口の中に広がります。そして最後に、豚肉の脂が染み込んだ皮の味わいが程良く口に残ります。
一般的に、焼き餃子はガッツリ、シュウマイはあっさり、という印象ですが、この店はむしろ逆。野菜の甘みなどでやさしい味わいの焼き餃子に対し、焼いて豚肉のうま味を全面に出したシンプルなシュウマイは、ガッツリ&パンチがあります。
そんなパンチ力がある「焼きシュウマイ」に使用しているのは「彩の国黒豚」という埼玉のご当地ブランド豚。良い豚肉に共通する、肉そのものから滲み出る程良い脂のうま味としっかりとした食感が特徴です。
ご主人曰く「これだけの黒豚のうま味を活かすために、具材はあえてシンプルにした」とのこと。シュウマイは毎日一つ一つ包み、一旦蒸して、提供の直前に仕上げに焼き上げているそうです。蒸した状態だけでも黒豚のうま味を感じられるかもしれませんが、焼くことで味の輪郭がよりハッキリする気がします。
B級グルメ決定戦で勝つため。「焼きシュウマイ」誕生秘話も
「焼きシュウマイ」が誕生したのは、2011年。きっかけは、その1年前に出場したご当地グルメのナンバーワンを競う「川口B級グルメ大会」だそう。まずそこでは焼き餃子を出した際、味には自信があったものの、調理に時間がかかり、提供数が限られ、グランプリには届かなかったそうです。
それから効率的な調理法を考えた結果、思いついたのが蒸してから焼く「焼きシュウマイ」。以前店で提供していたシュウマイは、豚肉に海老などを混ぜた本場の「ガチシュウマイ」でしたが、黒豚のうま味を活かしながら効率的に提供できる、現在の焼きシュウマイの形になったそうです。
結果、2011年のグランプリでは見事に大賞を受賞。さらにそこから「西川口焼焼売の会」が発足し、「焼きシュウマイのまち」になっていきました。そんな焼きシュウマイの街の人気店「異味香」。東京から少し足をのばしてでもぜひ訪れてほしい名店です。
〒332-0021
埼玉県川口市西川口1-26-24 230ビル1F
西川口駅
〒332-0021
埼玉県川口市西川口1-26-24 230ビル1F
西川口駅
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※本記事内の情報は2023年10月30日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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