日本在住16年、イタリア人フードライター・マッシがナビゲート!
こんにちは、イタリア人フードライターのマッシです。日本に来て約16年、日本食やスイーツを中心に食べることが大好きで、毎日SNSやブログで食への愛を発信しています。
そんな私が今回ご紹介するのは、「初恋のような気分になれるジェラテリア」です。
何度も足を運びたくなる。季節を感じられるイタリアンジェラートの店/Gelateria SINCERITA

イタリア人にとってのジェラートは、毎日の生活に欠かせないマンマ(=母親)のような大切な存在だ。僕は東京でもそんな存在を求めて、来る日も来る日もジェラート店を巡った。
しかし、一度行ったらまたすぐに行きたくなるような「美味しさ」と「雰囲気の温かさ」を兼ね備えているお店は意外となく、なかなか思うようなお店に出合えない。

▲写真提供:Gelateria SINCERITA
諦めかけたある日、落ち着いた雰囲気の商店街をぼうっと歩いていると、「Gelateria SINCERITA(シンチェリータ)」という文字の前で足が止まった。
外観をパッと見て、イタリアで子どもの頃によく行っていたジェラート屋さんを思い出した。中に入る前からドキドキしていた。
そう、僕は阿佐ヶ谷で、“初恋のような気分になれるジェラート店”に出合ったのだ。
▲写真提供:Gelateria SINCERITA
▲写真提供:Gelateria SINCERITA
お店に一歩入るとすぐ、色とりどりのジェラートが並ぶショーケースが目に入る。その後ろには工房があって中もよく見えるので、「今から食べるジェラートは職人さんが情熱を込めて作っているものなんだ・・・!」と、ますますテンションが上がる。
内装はモダンで、初めて訪れたのに「ただいま」と言いたくなるような空間。スタッフもとても優しくて気づいたら会話が弾んでいる。
オーナーの中井洋輔さんは、インテリアデザインを勉強するために1年半の間ミラノに滞在。その間ジェラート屋を巡っていた結果、ジェラートが大好きになったのだという。帰国後、イタリアで食べたようなジェラートが日本にはあまりなくて、日本でも食べられるようにと思い、作り始めてから13年ほどが経った。

▲トリオ(3フレーバー)は640円
フレーバーは18種類ある。ここから「何を選ぶか、組み合わせはどうするか」という贅沢な悩みが始まる。参考までに僕の印象に残ったフレーバーを紹介しよう。
写真左のピスタチオとココナッツとストラッチャテッラ。いまだにこの3つのマリアージュが心に残っている(ストラッチャテッラは日本ではあまり馴染みがないかもしれないが、粒々のチョコチップが入ったミルクジェラートだ)。リキュールを使ったフレーバーから子どもも喜ぶフレーバーまであるから、自分にピッタリの組み合わせがいつも味わえる。
実際に食べてみると、本場イタリアと同じものを作ろうという、ジェラートへのアモーレ(=愛)がよく伝わってくる味だ。
じっくり厳選しているというジェラートの素材からは、いつも季節を感じられる。どのフレーバーもハズレがなくて、その素材の味を存分に生かしたジェラートに誰もが恋に落ちるだろう。

イタリア語の“Sincerita”は日本語で「誠実」を意味する。説明だけではピンと来ないかもしれないけれど、SINCERITAのジェラートを食べれば店名の“意味”がすぐに分かる。素材を大切にしていることや本場イタリアのジェラートに則った作り方をしていることによって、食べる人の心にまで「誠実」が届くのだ。
SINCERITAの魅力は食べた後に満足感が残ること。そして毎日食べたくなる味で、お店にもまたすぐ行きたくなること。いつでも何度でもSINCERITAのジェラートが食べたくなってしまう、お店に行きたくなってしまう。まさに“初恋”のような気分になれるジェラート店だ。
テイクアウトもできるが、お店で食べると自分の目の前に工房が広がっていてジェラートのドキュメンタリーを見ているような気分になれるので、イートインがオススメ。誰も彼もが、ここに来れば幸せになれる。そんなSINCERITAに行かない理由はない。

〒166-0001
東京都杉並区阿佐谷北 1-43-7
阿佐ケ谷駅
〒166-0001
東京都杉並区阿佐谷北 1-43-7
阿佐ケ谷駅

ライター
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※本記事内の情報は2023年06月20日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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