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日本全国の「庭園」を巡って紹介するWEBサイト「おにわさん」を運営するイトウマサトシと申します。「おにわさん」ではこれまで2,000カ所以上の日本の庭園を紹介。Instagramは80,000人以上の方にフォローいただいています!
本記事ではこれから本格化する夏に合わせ、「屋内からまったり眺めたくなるお庭」をご紹介します。
美しい苔庭が設けられた人気の温浴施設へ/前野原温泉 さやの湯処
「庭園」というと、一般的にはお寺だったり、首都圏でいえば自治体所有の庭園だったりがまず思い浮かぶかと思いますが、それ以外にもステキなお庭はあります。これからご紹介するのは、温浴施設にある庭園です。
都営三田線・志村坂上駅から徒歩10分、またはJR赤羽駅から国際興業バスの前野町三丁目バス停で降りてすぐ。源泉かけ流しの天然温泉が人気の「前野原温泉 さやの湯処」さん。私が訪れた日もお昼時から多くのお客さまでにぎわっていました。
▲女性源泉(写真提供:前野原温泉 さやの湯処)
昭和の時代、この地にはある実業家の自邸とその会社の工場がありました。やがて代替わりし工場は移転、長らく自邸がぽつんと残されていたそう。こうなると多くの場合は古い家は取り壊されてしまいますが、「この邸宅をどうにか残したい」との思いから、孫世代がその形を模索し、辿り着いた答えが「温泉」。
地下1,500mまで掘削し、平成17(2005)年に「さやの湯処」をオープンしました。“うぐいす色”の天然温泉はもちろんのこと、ドライサウナとスチームサウナ、種類豊富な露天風呂も大人気です。
現代の建築家&作庭家が関わった古民家と庭園に注目
▲食事処「柿天舎」
さやの湯処は温浴施設ではありますが、本記事でフィーチャーするのはお食事処と、そこから眺められる庭園です。
前述の邸宅は現在、お食事処として残されており、実業家の雅号「柿天(してん)」にちなみ「柿天舎」と名付けられました。終戦直後の昭和21(1946)年に建てられた邸宅をなるべく生かしつつリノベーションしていて、特にお座敷の床の間や欄間から古いお屋敷の雰囲気を感じ取ることができます。
リノベーションを手掛けたのは、建築家・降幡廣信さん。数多くの古民家再生に携わってきた“古民家再生の第一人者”ともいわれる方で、「日本建築学会賞」などいくつもの賞を受賞されています。
そんな「柿天舎」から楽しめるのが、こちらの美しい枯山水の苔庭です。
こちらの庭園は邸宅が建った翌年の昭和22(1947年)に作庭されたものがベースとなっており、さやの湯処のオープンに際して「日本庭園協会賞」受賞歴のある造園家・小口基實さんにより再生されました。小口さんは全国的・一般的には有名な方ではないかもしれませんが、拠点の長野県を中心に各地にステキな庭園をたくさん残されている方です!
都内の有名庭園とはまた異なる、苔むした姿が魅力的なこのお庭。“銘石の庭”と名付けられている通り、実は「価値のある庭石」が数多く使われています!特に有名なものでは京都の「鞍馬石」。そして赤い姿が印象的な「伊予の赤石」の巨石など。大きいだけでなくカラフルな庭石が組み合わさっているのも、この庭園の特徴です。
そして座敷からは、ガラス戸を隔てていないように思えるほど、クリアにお庭を見ることができます。このように光が映り込みにくいガラスが採用されている点からも、施設が庭園を大切にしている気持ちが伝わってきます。
湯上がり後の老若男女が食事しながらリラックスして眺めているであろうこのお庭。ここから将来のお庭好きが生まれるかな・・・?
ちなみに志村坂上駅の近くには、五街道の一つ・中山道の一里塚「志村一里塚」といった史跡や、江戸名所にも挙げられた庭園「薬師の泉」が区立公園として開かれているので、さやの湯処を訪れる前後にぜひ周辺も散策してみてください。
〒174-0063
東京都板橋区前野町 3-41-1
志村坂上駅
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