できたてチーズ料理が魅力「SHIBUYA CHEESE STAND」グルメライター道明寺さくらのイチ推し。

グルメライターの道明寺さくらです。25年以上東京都内のレストラン巡りを続けている私が、今回は「都内でフレッシュチーズを使った料理を食べるならココ！」というレストランをご紹介します。

16年前イタリアのプーリア州を旅したときに出会ったフレッシュチーズ「ブッラータ」。きんちゃく型のチーズをカットするとストラッチャテッラというとろとろのチーズが溢れるのが特徴です。当時そのフレッシュなチーズは保存期間が短いため、日本では絶対に食べられないと思い、旅の間、食事の時は必ずブッラータをオーダーしていました。

数年後初めて日本でお目にかかるわけですが、そんな希少なイタリア産のチーズをまさか日本で、しかも都会のど真ん中の渋谷区内で作る人がいるなんて思いもしませんでした。

2012年6月、渋谷区神山町にオープンした「SHIBUYA CHEESE STAND（シブヤ チーズ スタンド）」。フレッシュチーズをメインとしたお店で、コンセプトは“街に出来たてのチーズを”。日本のブッラータチーズの火付け役ともいえる存在です。

オープン当時は、「SHIBUYA CHEES STAND」内の工房でフレッシュチーズのみを作っていて、バリエーションも限られていました。次第に多くの有名シェフにも支持され、また取扱スーパーも増えるほど人気のチーズとなったため、現在は「SHIBUYA CHEESE STAND」から徒歩5分ほどの場所にあるチーズ販売店「＆ CHEESE STAND（アンド チーズスタンド）」内にある工房でチーズを毎日手作りしています。

「SHIBUYA CHEESE STAND」は、工房直送のチーズが食べられるレストランですが、出来立てのモッツアレラチーズやリコッタチーズがダイレクトに味わえるチーズプレートから、タルティーヌやピッツア、そしてデザートまで、思う存分楽しめるまさにチーズワールド。魅力溢れるチーズ料理の数々を是非楽しんでみてください。

「SHIBUYA CHEESE STAND」の看板メニューである「東京ブッラータ」を堪能するなら「たっぷりトマトとブッラータ オレガノ添え」（1,720円）は外せません。お店も太鼓判を押すメニューです。プチトマトと合わせたカプレーゼでいただきます。チーズをカットすると、想像するよりも濃厚なチーズが姿を現します。

とろぉ〜っと、ストラッチャテッラが流れ出す様子がよくメデイアなどで紹介されていますが、「SHIBUYA CHEESE STAND」が提案する美味しい状態はこれ。

自社で作るため、出来てから4日ほどたった“賞味期限ギリギリの最も美味しい状態”を見極め、カプレーゼを作ってくれるのです。味付けはシンプルにオレガノを使ったオリジナルヴィネガードレッシング。濃厚でミルキーな味わいが楽しめ、ブッラータってこんな美味しかったんだと再発見させられます。

また今年、ついに完成したという、「クワトロフロマッジ〜CHEESE STAND ver.〜」（1,420円）は、モッツアレラ、リコッタ、セミハード、白カビチーズを贅沢に使用しています。

食べる場所によってリコッタのやさしい味わいだったり、時には白カビの個性的な香りを感じるピザですが、仕上げに巣鴨養蜂園のアカシア蜂蜜を使い、やさしい甘さをプラス。生地は全粒粉を使ったカリカリのクリスピー仕立てで、チーズの味を引き立てています。

ちなみに、モッツアレラやリコッタチーズなどのフレッシュチーズは、開業当時から作り続けてきた「SHIBUYA CHEESE STAND」のアイコンのようなものですが、2022年3月に世田谷区尾山台に誕生した「CHEESE STAND LAB.（チーズスタンドラボ）」では、熟成チーズも作っています。

ラボで作られた熟成チーズ「東京白やなぎ」と大田区でマイクロハーブを作っている「江戸前ハーブ」を使った「江戸前MIXハーブサラダ」（1,350円）。こちらも外せないメニューの一つなので、フレッシュチーズのメニューとあわせて注文してみて。

いつも行列の大人気店ですが、その人気に甘んじることなく次々と新たなチーズも生み出し、いまや東京チーズの殿堂的存在である「SHIBUYA CHEESE STAND」。東京産のチーズを最も美味しい状態で、召し上がってみてください。