「名画座」とは?そのルールや楽しみ方もご紹介!

「名画座」という名前を耳にしたことがあっても、実際に行ったことがないという方は多いのでは?
「名画座」と通常の映画館との大きな違いは、三つ。一つ目は、上映される作品が新作か旧作かということ。「名画座」では、通常の映画館でのロードショーが終了した作品や、昔の名作映画などをお手頃な料金で上映しています。(新作が上映される場合もありますが、その場合には別料金になっていることが多いです)
二つ目は、同じスクリーンで異なる映画を交互に上映する「2本立て上映」を採用している場合が多いこと。通常の映画館の多くは一回上映するごとに観客を一度退席させる「入れ替え制」を採用していますが、「2本立て上映」を採用している名画座では、入れ替えなしで複数の作品を同じ料金内で観ることができます。
三つ目は、施設が小規模であることです。新作を上映する通常の映画館には1,000席以上ある大規模な施設も多いですが、「名画座」は100〜200席前後と小規模でアットホームな雰囲気のところがほとんど。通常の映画館に比べると、一人で訪れる映画好きな観客も多く、一度行ってみるとその魅力にハマってしまう人も多いんですよ。
「名画座」は、飲食の可否や途中入退場の可否など、施設単位でルールが異なります。オールナイト上映をしているところもありますが、映画を楽しむための場所なので、泥酔した状態で訪れるなど他の観客の迷惑になる行為は控えましょう。施設ごとに上映作品の傾向や雰囲気が異なるので、あちこち行ってみて、自分のお気に入りを探すのも面白いですよ。
それでは、都内にあるオススメの名画座を6つご紹介します!
【高田馬場】昭和レトロな外観ながら、最新設備で快適に鑑賞できる/早稲田松竹

「2本立て上映の面白さは、興味のない1本に人生が変わるほどの衝撃を受ける可能性があること」――名画座ならではの面白さをそんな風に表現している「早稲田松竹」。他の名画座に比べて、短いスパンで数多くの作品を上映しているのが特長です。

同館では、1つのスクリーンで2本の映画を交互に上映しています。そのためチケット1枚で映画を2本鑑賞でき、とってもおトク!また、上映の合間に外出することも可能です。どちらの映画から見てもOKなので、都合に合わせて好きな回から楽しみましょう。
「早稲田松竹」のWebサイトやTwitter、電話で事前に混雑状況を確認できます。作品やタイミングで混雑状況は変わるので、事前に確認してから行くのがオススメです。

〒169-0075
東京都新宿区 高田馬場1-5-16
西早稲田駅
〒169-0075
東京都新宿区 高田馬場1-5-16
西早稲田駅

【大森】アットホームな雰囲気が楽しい!/キネカ大森

観客のうち7〜8割が一人客だという「キネカ大森」は、通常のロードショーと「名画座上映」という二つのシステムを採用している珍しい映画館です。
同館では、観客とスタッフの距離が近いのも特長。映画好きのスタッフが厳選した「ホラー特集」などのユニークな企画上映が実施されることもあります。ロビーには観たい作品を記入できる「リクエストノート」が置かれていたり、上映作品に関する展示物が掲示されていたりするので、待ち時間も楽しめますよ。

同館が他の名画座と少し違うのは、「整理券での入場制」を採用していること。1本目を観賞する際、開場時に整理券の番号順に入場すれば、好きな席で自由に鑑賞することができます。良い席で観賞したい人は整理券をゲットして、早めに現地に到着するようにしましょう。
同館には、おトクに観賞できる「名画座キネカード」という会員制度もあります。年会費1,000円で、通常の鑑賞料金が1,400円から1,100円に、ラスト上映回のみ1,000円から600円に割引になります。6回観るごとに1回無料の特典を受けることもできますよ。

〒140-0013
東京都品川区 南大井6-27-25 西友大森店5F
大森駅
〒140-0013
東京都品川区 南大井6-27-25 西友大森店5F
大森駅

【池袋】年間500本以上の映画を上映!/新文芸坐

名画座の中でも上映本数の多さで知られるのが「新文芸坐」。その上映作品は年間500本を超えるほど!
途中外出OKで、長時間でも快適に過ごせるような工夫がなされているのも特徴。売店ではホットコーヒーの飲み放題(300円)と、メロンソーダや烏龍茶などアイスドリンクの飲み放題(300円)が用意されています。

また、料金がおトクになる「アプリ会員」サービスも。年会費1,000円で、観賞料の割引やポイントが貯まるサービスもあるので、たくさん通いたい方はオススメです。※詳細は劇場で問い合わせ

〒170-0013
東京都豊島区 東池袋1-43-5 マルハン池袋ビル3F
池袋駅
〒170-0013
東京都豊島区 東池袋1-43-5 マルハン池袋ビル3F
池袋駅

【目黒】映画にまつわるイベントや展示、オリジナルグッズも充実/目黒シネマ

「目黒シネマ」は、目黒駅から徒歩2分の場所にある映画館です。約50年の歴史を持ち、ハリウッド大作からアート系作品まで邦画・洋画問わず幅広く映画をセレクト。1本立て、2本立てなど作品によりさまざまスタイルで上映しています。
また2024年9月には4Kレーザープロジェクターを導入し、音響は7.1ch対応にバージョンアップ。35mmフィルム上映からデジタル上映まであらゆる上映が可能になったのだそう。
「お客様の人生が豊かになるような映画とのすてきなめぐりあいができますように」というスタッフの思いがつまった同館では、上映作品の関連記事やフィルモグラフィー、ロビー展示にも力を入れています。独自の企画上映や、監督や俳優をゲストに迎えたイベントも精力的に行っており、映画鑑賞に留まらないさまざまな楽しみ方を提供しています。

2019年からは、目黒シネマスタッフ手描きのイラストを配したオリジナルグッズの製作・販売も開始。こちらも合わせてチェックして。

〒141-0021
東京都品川区 上大崎2-24-15 目黒西口ビルB1
目黒駅
〒141-0021
東京都品川区 上大崎2-24-15 目黒西口ビルB1
目黒駅

【神保町】”本の街”にしっとりとなじむ、古き良き文芸映画を堪能できる/神保町シアター

2007年7月、本の街・神保町にオープンした「神保町シアター」。昭和30年代の日本映画を中心に、古き良き名作を昔ながらのフィルム上映している全国的にも珍しい映画館です。本の街の映画館らしく、主に原作ものの文芸映画をセレクトしているのが大きな特徴。鑑賞のお供にうれしい、原作本やパンフレットも手に入りやすいのは神保町ならではです。

リピーターにうれしいポイントカードも用意されています。有料入場1回につき1ポイントが付与され、5ポイントたまると1回入場無料となる仕組みです。また、毎週水曜日は「ファン感謝デー」、毎月1日は「映画サービスデー」となりそれぞれ1本1,100円で映画が鑑賞できますよ。
通常時は自由席定員制で客席数は99席ですが、昨今の事情により座席を制限して営業している場合があります。

〒101-0051
東京都千代田区 神田神保町1-23 神保町シアタービル
神保町駅
〒101-0051
東京都千代田区 神田神保町1-23 神保町シアタービル
神保町駅

【下高井戸】昭和レトロな雰囲気を残す、情緒あふれる映画館/下高井戸シネマ

下高井戸の地で約60年続く、昭和レトロな雰囲気を残す映画館「下高井戸シネマ」。マンションの2階という立地ながら、客席数は126席とゆったりしています。
同館のイチオシポイントは、ベテランスタッフによる上映作品のチョイスです。時代・国・ジャンルを問わずさまざまな作品を上映しており、シネコンでは上映されないような一風変わった作品と出会えることも多々。関連するテーマの作品を続けて上映することで、時代背景などをより深く知れるようプログラムが組まれることもあります。

また売店で販売している、どこか懐かしい味わいの「牛乳モナカ」(180円)や、Tシャツやトートバック、手ぬぐいなどの同館オリジナルグッズなども要チェック!劇場内は飲み物のみ持ち込み可能なので、「牛乳モナカ」は風通しが良く、陽の光が差し込む心地良いロビーでゆっくりと味わって。

〒156-0043
東京都世田谷区 松原3-27-26 京王下高井戸ビル2F
下高井戸駅
〒156-0043
東京都世田谷区 松原3-27-26 京王下高井戸ビル2F
下高井戸駅

思わぬ出合いが楽しい名画座の楽しみ
名画座ってコアな映画ファンが多そうで、ちょっと敷居が高いかも・・・という声もありますが、一度ハマってしまうと常連になる方が多いと聞きます。
新作1本分よりもお手頃な価格で、独自にセレクトされた名作や秀作を楽しめる「名画座」。新たな学びや発見につながる作品も多いので、充実した時間を過ごせることでしょう。「今日の予定が空いちゃった!」なんていう休日には、思い切って訪れてみると新たな世界が広がるかもしれません。ゆっくり楽しんでくださいね。
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ライター
- 本記事内の情報に関して
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※本記事内の情報は2024年10月17日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
※本記事は2021年10月23日に公開した内容を一部加筆・修正した上で、2024年10月17日に再公開しております。
※本記事中の金額表示は、税抜表記のないものはすべて税込です。