新年を迎えるまでの豆知識

「煤払い(すすはらい)」って何?

「煤払い(すすはらい)」って何?

私達が毎年行っている「大掃除」は、「煤払い(すすはらい)」という習わしに由来します。お正月の行事には、「年神様」という新年の神様を迎える意味があるので、煤払いには、1年の汚れを払い清め、年神様を迎える準備をするという意味があります。現在は年末に行うところが多いのですが、昔は12月13日に行われていました。ちなみに、この日よりお正月の準備を始めるため、12月13日を「正月事始め(ことはじめ)」ともいいます。


良いお正月を迎えられるよう、大掃除や準備を頑張りましょうね♪

正月飾りはいつすればいいの?

お正月の準備や飾り付けはいつすればいいの?

門松は年神様の案内役、しめ飾りは神の領域と俗な領域を隔てる結界、鏡餅は年神様の宿る場という意味があります。


こうした正月飾りは、大掃除を済ませから飾ります。12月28日までを目安に、遅くとも30日には飾りましょう。29日は「苦待つ」「二重苦」に通じる、31日は「一日飾り」で縁起が悪いと考えられてきたからです。29日を「ふく」と解釈し、歓迎するところもあります。

大晦日・新年の豆知識いろいろ

除夜の鐘:どうして鐘を108回つくの?

除夜の鐘:どうして鐘を108回鳴らすの?

除夜の鐘の108という数は、人間の煩悩の数を表しているといわれています。仏教では人には108つの煩悩があるとされているため、108回鐘をつくことで煩悩を払っていくわけです。また、12ヶ月と二十四節気と七十二候を合わせた数(12+24+72=108)からきているなど、諸説あります。


なお、107回は大晦日のうちにつき、残り1回を新年につくとされていますが、異なる寺院もあります。


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初日の出:どうして元旦の日の出は特別なの?

初日の出:どうして元旦の日の出は特別なの?

初日の出(はつひので)とは、1月1日の朝(元旦)の日の出のことで、新年の幕開けや年神様の来訪を象徴しています。ちなみに、元旦の「旦」という字は、水平線の上に日が昇るところを表しています。


日本人の総氏神とされる「天照大神(あまてらすおおみかみ)」は太陽を司る神様として有名で、太陽は目に見える形での神様そのものでした。とりわけ1年の始まりに昇ってくる太陽は特別で、大変おめでたいため、初日の出を拝むようになりました。


初日の出の際に、願い事やその年の決意などを祈ることが多いようです。


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初詣:そもそも初詣ってなに?

初詣:そもそも初詣ってなに?

本来は、氏神様に新年のご挨拶をするものですが、ご利益を求めて恵方(えほう=その年の年神様がいる方角)に位置する社寺にお参りする「恵方参り」をしたり、有名な社寺にお参りするようになりました。


かつては、大晦日から元旦にかけて家長が徹夜で氏神神社にこもる風習がありました。やがてこれが大晦日の夜の「除夜詣」と元日の「元日詣」に分かれ、元旦におせちをいただいてから初詣に出掛けるようになっていきました。また、31日~1日にまたがってお参りをすることを「二年参り」といいます。


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お正月の代表的な食べ物いろいろ

大晦日にいただくもの「年越しそば」

大晦日にいただくもの「年越しそば」

年越しそばを食べなければ、年が越せない・・・という人も多いと思いますが、そばを大晦日に食べる風習は、江戸の中期から始まったといわれています。


そばのように細く長く生きられる「寿命そば」、運がよくなる「運気そば」、金運上昇の「福そば」、苦労ごとと縁が切れる「縁切りそば」などの呼び名やいわれが各地にあります。

お正月にいただくもの (1)「おせち」

お正月にいただくもの (1)「おせち」

もともと、年中行事のさまざまな節句(節供)に神様にお供えする食べ物を「節供料理」といいました。やがて、お正月がもっとも重要な節句であることから正月料理のことをさすようになり、「おせち料理」と呼んで親しまれるようになりました。おせち料理は年神様に供える料理であり、家族の幸せを願うおめでたい料理です。

お正月にいただくもの (2)「お雑煮」

お正月にいただくもの (2)「お雑煮」

お正月にどこのお家でもよく食べるお雑煮は、地域や家庭によって、味付けや具に違いがあります。


【汁】しょうゆ仕立ての家もあれば、みそ仕立て(赤みそだったり、白みそだったり)、小豆汁仕立ての地域も。


【お餅】こちらは角餅のところもあれば、丸餅のところも。そして餅を焼く地域もあれば、煮る地域も。


【具材】鶏を使う地域が多いのですが、鰤や鮭、地元の名産を使ったりと、いろいろです。

1月7日に食べるもの「七草がゆ」

1月7日に食べるもの「七草がゆ」

1月7日に食べる七草がゆ。本来は1月7日「人日の節句」の行事食で、無病息災を願って春の七草を入れたお粥を食べます。おせち料理で疲れた胃を休めるという意味もあるそう。言えそうで言えない春の七草、皆さんは全部言えるかな?


正解はこちら→「せり」、「なずな」、「ごぎょう」、「はこべら」、「ほとけのざ」、「すずな」、「すずしろ」です。

監修:三浦康子さん

監修:三浦康子さん

和文化研究家。古を紐解きながら今の暮らしを楽しむ方法をテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、Web、講演などで提案しており、「行事育」提唱者としても注目されている。連載、レギュラー多数。著書『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)、監修書『季節を愉しむ366日』(朝日新聞出版)ほか多数。

本記事内の情報に関して

※本記事内の情報は2021年12月01日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
※本記事は2020年12月01日に公開した内容を一部加筆・修正した上で、2021年12月01日に再公開しております。
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