4,000軒以上のカレー屋を渡り歩く、カレー愛好家がナビゲート!
みなさん、バングラデシュ料理って食べたことありますか?いまいちどんな料理かイメージが浮かばない、という方が多いのではないでしょうか?
本記事では、池袋駅西口にオープンした、美味しくて楽しいバングラデシュ料理のお店をご紹介します。こんなに日本人の舌に合うんだ!と驚くこと間違いなし。
このお店のオープンまでの波乱万丈ストーリーもあわせてお楽しみくださいませ。
▲お店のマークになっているトラは、バングラデシュのシンボル
ご紹介するのは、池袋駅西口から徒歩1分のところにある「LAILY(ライリー)」。東京芸術劇場の道路向かいという好立地に、2023年12月にオープンしたお店です。
▲店内にはバングラデシュの国旗が。グリーンに日の丸がある、日本と似ている国旗です
来日37年目、日本語堪能なバングラデュ出身のオーナーシェフ・ロイさんがお出迎えしてくれました。
バングラデシュ人が経営するお店は日本にたくさんありますが、そのほとんどが「インド料理店」。ナンやタンドリーチキン、バターチキンといったスタンダードなインド料理がメインで、バングラデシュ料理を提供するお店はごくわずかです。
そんな中で「バングラデシュ料理店」と謳った専門店が池袋に登場するなんて、まさに夢のような出来事なんですよ。
ではまず、バングラデシュという国についてご紹介しましょう。
現在はインドの東端に隣接する国ですが、元々インドの一部でした。パキスタンと共にイスラム国家として独立し、1955年に東パキスタンとなりましたが、1971年にバングラデシュ人民共和国として独立国家となりました。
バングラデシュは豊富な水資源に恵まれた土地で、日本、ベトナムと並んで米食文化が盛ん。だから料理の味付けも日本人にしっくりくるし、うれしいことに日本のお酒にもよく合うんです。だからもっともっと、バングラデシュ料理は流行って良い。いや、流行っちゃうはず。
・・・おっと、前置きはこれくらいにして、料理の紹介といきましょう。
▲「ボルタ3種盛り」(写真左)「ロティ」(写真右手前)
まず試していただきたいのは「ボルタ3種盛り」(写真左、1,000円)。「ボルタ」(ボッタとも言います)とは、さまざまな食材をマッシュしてスパイスと和えた、バングラデシュ料理に欠かせない料理です。基本的に味付けは濃いめ。
バングラデシュでは数えきれないほどの種類のボルタがあって、それらを摘んだり混ぜたりしながらご飯をモリモリ食べるんです。少量でご飯がガンガン進む、日本で言えば佃煮に近いでしょうか。
3種盛りの内容はその時々で変わりますが、基本的には野菜系と海鮮系の組み合わせ。私が訪れた日は「カボチャのボルタ」(写真左)、「モロッコいんげんのボルタ」(写真中央上)、「小海老のボルタ」(写真右)の3種でした。
▲「瓶ビール」(写真右奥750円)
ということは当然、酒の肴としても最高なワケです。見てください、この居酒屋感(笑)。最高でしょう?
バングラデシュの薄焼きパン「ロティ」(250円)にのせていただきましょう。
ロティとは全粒粉を使った無発酵のパンで、国や地方によってさまざまな種類があります。バングラデシュ式は、全粒粉と塩
を混ぜた生地を油でサックリ焼いたシンプルなもの。ナンほど重くなく、いくらでも食べられる美味しさです。
それでは、ボルタとロティをいただきましょう。
ボルタの特徴的な味付けは、ニンニクと青唐辛子、そしてマスタードオイル。辛さはごくごく控えめですが、素材の味にマスタードのツーンとする辛さがのって、たまらなくお酒に合うんです。特に小海老のボルタは海老のうま味が凝縮しまくっていて・・・ビールだけじゃなく芋焼酎とも合わせたい濃厚さ!(このお店には、しっかり芋焼酎も置いてるんですよね)
この“ボルタ呑み”、一度体験しちゃうとクセになります。夜だけじゃありません。ランチタイムもボルタがセットで楽しめるんですよ。
まさにオンリーワン!ロイさんの人気料理「ビリヤニ」
▲「チキンビリヤニ&コルマカレー」
さて、ロイさんの人気料理といえばビリヤニ。
最近は全国的にも静かなブームを読んでいる“インドのスパイス炊き込みご飯”ビリヤニですが、ここのビリヤニは一味も二味も違います。
それがこの「チキンビリヤニ&コルマカレー」(1,950円)。
プレートの手前にあるのが、スパイスとお肉を炊き込んだバングラデシュのビリヤニ。ターメリック不使用で落ち着いた色合いが印象的です。
その上にかかっているのは、白い「コルマカレー」。カシューナッツペーストのクリーミーなカレーです。このコルマカレーを徐々に混ぜ込みながらいただくことで、味や食感が変化していき、最後まで美味しくいただけるという仕掛けなんですね。
ビリヤニには、厳選した高級米バスマティライスを使用。そのシンプルな味わいがコルマによって段々とリッチになっていきます。辛さは全くといって良いほど控えめなのに、スプーンが止まらない!まさに、ロイさんのスパイスマジック!
そして驚くべきは、お米もクリーミーなカレーもモリモリ食べたのに、食後スッキリ!全く重さを感じさせないこと。これはすごい!
日本米と比べ糖質が少なく軽やかな食べ応えのバスマティライスに加え、クリームを一切使わず、カシューナッツペーストとほんの少しの牛乳だけで味を整えているからなのだそう。
こんなに美味しくてヘルシーなロイさんの料理、一体どのようにして生まれたのでしょう?
山あり谷ありの人生・・・原点に帰った“お母さんの味”
▲日本語ペラペラ、とっても気さくなロイさん
ロイさんが初めて料理作りに触れたのは、子ども時代のボーイスカウト。調理当番が回ってきたとき、お母さんに教わったのがきっかけだったそうです。料理ができるようになると、7人兄弟の食事作りを手伝うように。高校時代には、学園祭で自作料理を販売するほどの腕前だったそうです。
1987年、日本語学校に入学するため20歳で来日。早く自分のお店を持ちたかったロイさんは、24歳という若さで浅草にインド料理店「バションティー」をオープン。オーナーとしてインド人シェフを雇い、シェフから料理を学び腕に磨きをかけたそうです。その後、六本木、勝どきなどに店舗を展開。飛ぶ鳥を落とす勢いのまま、ついに母国の首都ダッカで日本人板前が握る寿司屋をオープンさせました。
しかしその直後の2008年、世界経済を揺るがしたリーマンショックが起こりどん底に。
そんな中「自分が本当にやりたいこと」を改めて考え、「自分が作った料理でみんなに喜んでほしい」ことに気づきます。そして2015年、埼玉県志木に「ロイの酒場」をオープン。小さな店ながらオーナーシェフとして自ら料理を振る舞ったら、これが本当に楽しかったそうです。
ところが、今度はコロナ禍に突入。酒場として営業できなくなりました。さらに追い打ちをかけるように、最愛のお母さんがコロナで亡くなるという悲しい出来事がロイさんを襲います。
▲「アジアン野菜スティック」(2人前700円)。マヨネーズに見えるのはロイさんオリジナルの「グリーンカレーペーストソース」!
決意を新たにしたロイさんは、2021年、ロイの酒場を「ロイの食堂」に改名。お母さん直伝のレシピと自分のアイデアを詰め込んだバングラデシュ料理を提供するお店へと生まれ変わらせたのです。
そして「都心で勝負したい!」と考え、運良く出会った池袋の物件で新店をオープン。
それがここ、LAILY。
店名は、料理の師匠であり、作る楽しさ、食べる楽しさを教えてくれた、最愛のお母さんの名前なのです。
先ほど紹介したビリヤニにコルマカレーをかけたプレゼンテーションだって、ロイさん独自のアイデアなんですよ。
日本に来て2024年で37年目となるロイさん。「これからも、いろんなことにチャレンジしたい。私の料理を食べたら、感想を聞かせてほしいんです。それが私の勉強になります。よろしくお願いします!」
美味しくて、楽しくて、愛すべきバングラデシュ料理店LAILY。皆さんもぜひ、オンリーワンの味を体験してくださいね。
LAILY
所在地:東京都豊島区西池袋3-25-11 パークサイドビル2F
最寄駅:池袋
※こちらのお店は閉店しました。
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※本記事内の情報は2024年04月11日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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