旅するパンマニアがナビゲート!シェフのこだわりがスゴイ行列店/BAKER Aoyagi
1万個以上のパンを食べ歩いた旅するパンマニア、片山智香子です。本記事では、東京・東北沢にある、シェフのこだわりがスゴイ絶品パン屋さんをご紹介します。
小田急線の東北沢駅から徒歩6分ほど。東口改札を出たら右へ行き、ひたすら道なりに歩きます。東京大学先端科学技術研究センターが見えてきたら、その少し先の右手にあるのが「BAKER Aoyagi(ベーカーアオヤギ)」です。下北沢駅からも1キロほどの距離なので歩けますが、東北沢駅の方が断然近いです。
オーナーシェフの青柳吉紀さんは、首都圏のホテルベーカリーや原宿の人気店「なんすかぱんすか」(2022年閉店)をはじめとする多くの有名店で活躍した実力者。2023年5月に同店をオープンするやいなや評判となり、連日行列ができる人気店になりました。
美味しい香りに引き寄せられるように店内へ。扉を開けるとズラリと並んだパン!パン!パン!
思わず目移りしてしまうなか、あまりにもヴィジュアルが好みすぎて目がとまったのが「クロワッサン」(320円)です。
バリサク食感で歯切れよく、内層からはジュワ―ッとバターの甘味があふれます。芳醇な香りが素晴らしく、それでいて口当たりは軽やか。飲みこむ頃に塩味が追いかけてきて、最後の最後までうま味を堪能できる一品です。
なんでも、こちらのクロワッサンは青柳シェフにとって4代目だそう。約15年前に作った初代から、改良し続けているこだわりの一品なのです。
特にこだわっているというのが塩の使い方。生地のミキシング時にはベトナム・カンホアの塩を混ぜこみ、仕上げにはイギリス・マルドンの塩を指でつぶしてかけています。味の主張はしっかり感じられるのに後味がまろやかなのは、マルドンの塩のおかげなのかも。
ユニークな商品名で、思わず「えっ?」と聞き返しそうになったのが「あんバターは悪くない」(380円)。「LEONのせがれ」(280円)という、これまたユニークな商品名のミルクバゲットに、ホイップバターとつぶあんを組み合わせた一品です。
断面からもわかる通り、圧倒的にホイップバターが多いのが特徴。最初は、あんことホイップクリームの組み合わせで試作を重ねたそうですが、うま味が足りず、それを補うべくバターを足していった結果、現在の形になったそうです。
実際にいただいてみると、コクはあるのだけれど、ホイップバターの口当たりが軽いので重くない。バゲットはセミハードな食感で塩味もきいています。そしてなによりたまらないのは、底部分のザクザク!これが病みつきになるくらい美味しい!全ての絶妙なバランスは、まさにシェフのこだわりの賜物。はい、実際、あんバターは悪くない(笑)!
「バインミー鶏と海老」(480円)もオススメの一品。こちらも「LEONのせがれ」というミルクバゲットに、3種類の野菜のなますと低温調理されたしっとり鶏肉、海老、そしてパクチーがサンドされた、ベトナムのサンドイッチです。
バインミーってパンの食感がめちゃくちゃ大事だと思っていて、噛みごたえがありすぎても違うし、軟らかすぎても違う。さっくりしていながらも、ほどよい弾力があるものが私は好きなのです。その点、BAKER Aoyagiのミルクバゲットは、まさに「あぁ!そういうことなんですよ!」と言いたくなる食感。
ベトナム・カンホアの塩を使い、オリジナルソースにはベトナム産のニョクマム(魚醤)を使うというこだわりよう。本場へのリスペクトを感じさせながらも、屋台の荒削りな味というよりは、現地の高級ホテルで提供されるような繊細な味のバインミーだなと思わせる一品でした。
店前にベンチがあるので、すぐに食べたい場合はそちらでいただくこともOK。ゆっくり楽しみたい場合は、ワンドリンクをオーダーすればパンと一緒に奥のイートイン席でいただくこともできますよ。
青柳シェフのこだわりがつまったパンがそろうBaker Aoyagi。現状に満足せず、さらに美味しいものを!と年月をかけてバージョンアップしているパンばかりなので、何度も訪れたくなること間違いなし!是非、下北沢・東北沢に行った際に訪れてみてください。
〒153-0041
東京都目黒区駒場 4-6-2 Y-5yamagatayaビル 1F
東北沢駅
〒153-0041
東京都目黒区駒場 4-6-2 Y-5yamagatayaビル 1F
東北沢駅
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※本記事内の情報は2024年04月06日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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