全国の豆腐店を旅するライターがナビゲート!
豆腐マイスターのくどうしおりです。年々減少しつつある「町の豆腐屋さん」を応援するべく、各地の豆腐店の魅力を発信しています。
今回わたしがご紹介するのは、東京都杉並区にある“知る人ぞ知る”穴場の豆腐店です。
カリッと揚がった「ざる生揚げ」が絶品!住宅街に佇む西荻の老舗豆腐店/寿屋豆腐店
今回ご紹介するのは、西荻窪にある老舗豆腐店「寿屋豆腐店」さん。1926年創業の長い歴史を持つお店です。
JR西荻窪駅から徒歩7分ほどの住宅街にあるため、周辺に住んでいる方以外はなかなか通りかかる機会がない、ちょっとディープなエリアにある同店。軒先のショーケースには豆腐や揚げ物などの人気商品が、有田焼の器の上に美しくディスプレイされています。
同店では木綿豆腐や絹豆腐を使った一般的な「厚揚げ」の他に、ざる豆腐を油で揚げた「ざる生揚げ」を購入できます。
「ざる豆腐」とは、綺麗に固めた寄せ豆腐を、何層にも重ねるようにざるへ盛り付け、自然に脱水させながら成型したもの。重しで脱水する木綿豆腐よりやわらかくなめらかで、絹豆腐よりも空気が入ったようなふんわり感があります。
もちろん、そのまま食べても大豆の風味が豊かで美味しいざる豆腐。しかし寿屋豆腐店さんではさらにひと手間、高温の油で揚げて外はカリッと中はふんわりジューシーに仕上げた「ざる生揚げ」(小320円、大480円)を販売しています。
とはいえ、程よい水分と空気を含んだプルプルなざる豆腐を油で揚げるのは至難の技。水分が多すぎると油の中で爆発をしてしまうリスクもあるため、この“ちょうどいい水分量”の追究には、長い時間を要したそうです。
ざる豆腐を丸ごと揚げた厚揚げ、ざる生揚げ。巨大なコロッケのようにも見えますね。この厚揚げを買って帰れば、今夜のメインディッシュは決まり!
ざる生揚げは大、小2つのサイズがあり、大は豆腐の存在感が強くマイルドな甘みを感じられ、小は衣のサクサクッとした食感が十分に味わえます。大でもペロリと平らげてしまえること間違いなしなので、家族や友人と一緒にいただく際は、人数分買うことをオススメします!
鉄フライパンで両面に焼き目がつくまで焼いて、ネギをどっさりのせ、出汁醤油を垂らして食べるのが定番のいただき方。
個人的には、パクチーとナンプラーでエスニック風に仕上げて食べるのがお気に入りです。このほか、肉味噌をたっぷりかけたり、麻婆豆腐のあんをかけたりなど、ちょっとパンチを効かせたアレンジも好相性ですよ。
2026年でついに100周年!会いに行って話したくなる豆腐屋さん
寿屋豆腐店さんでは、現在住居スペースも含めた大規模な改装工事が進行中(豆腐店は休まず営業しています)。「改装後は、店の前に広いスペースができる予定だから、キッチンカーに出店してもらってもいいよね」と、店主の土方さんは楽しそうに語ります。
このお店の最大の魅力はやはり、店主のこのお人柄だと思うのです!バイク旅や音楽を愛し、何よりお客さんとのおしゃべりが大好き。私は、健康な身体作りについても時々ご指導いただいているほどです(笑)。「豆腐が食べたい」という理由だけではなく、「そろそろ土方さんに会いたいな~」と思えるからこそ、通いたくなります。
節目となる100周年を前に、さらなるパワーアップを目指す寿屋豆腐店。ぜひ一度と言わず、何度も訪れて、土方さんとのおしゃべりも楽しんでみてくださいね。
〒167-0042
東京都杉並区西荻北 3-26-6
西荻窪駅
〒167-0042
東京都杉並区西荻北 3-26-6
西荻窪駅
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※本記事内の情報は2023年08月22日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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