
第十一回 環七線 最終回(衾駅~夫婦橋駅)
感慨深い環七線の最終回。ついに環七を制しました!今から書くぶんも含めてトータル51駅、たぶん2時間弱くらいで東京23区のちょっと端のほうを4分の3周する、便利な長大路線が完成しました(してないよ)。
(今までの環七線はこちら⇒その1、その2、その3、その4、その5)
さて、都立大学改め「衾(ふすま)駅」からルートを環七沿いに戻し、「南」交差点のあたりで一駅。ここの現住所は「目黒区南」ですが、こんな方角だけの住所は私がいちばん嫌いなヤツです。このへんにはかつて、実在した塚にちなんで「道京塚(どうきょうづか)」という小さな地名があったそう。いまはもう跡形もないですが、これを復活させて採用します。
環七の下を進むと目黒線の洗足駅にぶつかります。乗り換えも狙ってここに一駅。「洗足」なんて、いかにも由緒正しき地名のようですが、ここも私の基準ではアウトです!
なぜかというと、大正初期のこのへんの地図によれば、洗足駅周辺はなんと鉄道どころか家すら全くない原野。元々の小地名は味も素っ気もない「南原(みなみはら)」です。その後、大正期に「洗足田園都市」という名の下に新興住宅地が開発されるのですが、この新地名はしばらく歩いた先にある洗足池からやや無理して引っぱってきたようです。だから洗足駅と洗足池駅は全然別のところにあるんだなあ。
ストイックな女王としては、わりと最近(100年くらい前)まで原っぱだったことを重視し、「南原駅」を採用します!
その先、池上線と交差する「長原駅」はそのままでOK。「長原」は公式な住所から消えてしまった地名なので、ぜひ駅名にはとどめておきたい。
駅名になった文豪・徳冨蘆花。せっかくなのでお兄ちゃんも採用
次はまた乗換駅です。都営浅草線の馬込駅。この馬込駅、某番組の同企画で都営浅草線を取り上げたときには改名してしまったのですが、いろいろ考えた結果、歴史ある馬込の名を使ってもらうにはこの地域がいちばんよい、という結論になりました。馬込駅を保持。
(ちなみにその時、隣の西馬込駅を「馬込駅」にしてしまったのですが、西馬込駅は「夢告観音駅」とします。まあなんてステキな名前でしょう。都営線のことだから詳しく書かないので各自検索!)
さて環七も残り少なくなりました。馬込から南東に進んだ馬込銀座交差点近辺に一駅ほしいです。馬込あたりは「馬込文士村」と呼ばれていたこともあり、その歴史にちなんだものが一つほしい。この近くには、総合雑誌の祖である徳冨蘇峰(とくとみ そほう)が住んだ地があり、その跡は蘇峰公園となっています。これを採用して「蘇峰公園駅」にしましょう。
京王線にはすでに「芦花公園駅」がありまして、これはなんと蘇峰の弟である徳冨蘆花(とくとみ ろか)の住居です。ぜひ兄弟仲良く駅名に!
ちなみに、芦花公園駅から公園まではかなり遠いので、もし京王線を改名する機会があったら私はこっちを変えてしまうかもしれません。ごめんね蘆花。
「メリー前」にしたいところをグッと我慢して復活地名に
京浜東北線のほうへ向かい、春日橋交差点のところでそのまま「春日橋駅」。いまは陸橋の名前のように見えますが、もともとは六郷用水(現存せず)に架かっていた橋の名であるようです。これはちかくの春日神社にちなんだ名前だし、これでよし。
さてここから線路を完全に環七から遠ざけ、京浜東北線の真下に通すことにします。京浜東北線の車窓からよく見える、メリーチョコレートの工場のところで一駅。この工場はかなり目立つので「メリー前」にしたいくらいですが、このあたりの旧地名を意地でほじくり出したので、そっちを使います。
池上町・大字堤方・字「十二天(じゅうにてん)」。かつてこのあたりに十二天社というお社があり、明治期に合祀されていまは存在しないのですが、地名はそれにちなんでいたそう。坂口安吾はかつてこのあたりの「十二天アパート」なる建物に住んでいたんですってよ。ということで、いまは消滅した地名を復活させて「十二天駅」です。
そのまま線路を進めると蒲田駅に到着。ここは少々蒲田の集落から離れていますが、まあ許容範囲でしょう。蒲田のままで。
葛西臨海公園からグルッと51駅の旅、「夫婦橋」にて終了!
ターミナル駅の蒲田で終わらせるかと思いきやまだ続く。線路をその先で急激に東にカーブさせ、さらに北に曲げてUターン。京急蒲田駅が終点です!
蒲田と京急蒲田、つなぎたくないですか?空港から帰ってきたとき、京急じゃなくてJRの蒲田に出れた方が便利な人、けっこういませんか?女王が叶えますよ?
で、京急蒲田駅も変えますよ。すぐそばにある第一京浜に架かる橋が「夫婦橋(めおとばし)」っていうステキな名前だからそっちを取るからね。終点はなかむつまじく夫婦橋。
ということで、51駅の旅、おつかれさまでした!誰か本当に開通させて!

◆「環七線 (衾駅~夫婦橋駅)」の編集部オススメおでかけスポットはこちら!
- wagashi asobi
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所在地
東京都大田区 上池台1-16-2
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最寄駅
長原
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電話番号
03-3748-3539
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- 馬込文士村資料展示室
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所在地
東京都大田区 山王3-37-11 (大田区立山王会館内)
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最寄駅
大森
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電話番号
03-3773-9216
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- ゆ~シティー蒲田
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所在地
東京都大田区 蒲田1-26-16
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最寄駅
蒲田
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電話番号
03-5711-1126
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※本記事は2018年05月24日時点の情報です。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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