1軒目「ろっきー」
こんばんは、酒場ライター・パリッコです。
さて、今回は朝まで楽しめる素敵なお店を紹介するために、わざわざ終電を逃すべく平日夜の新橋へとやってきました。
現在、そろそろ日をまたぎそうといった深めの時間帯です。
明日がある善良なサラリーマンのみなさんが、帰路へとつきだす頃。
・・・が、様々なタイプの飲み屋が無数に存在する新橋の街。楽しくてうっかり飲みすぎ、気づけば終電の時間をすぎていた! なんて経験、酒飲みならば誰でもあるのではないでしょうか?
そんなとき、自分の愚かさへの代償と歯を食いしばり、タクシー代を支払って家に帰るのも正しいですが、たまには羽目を外し、同僚や友人と朝まで飲んで仲を深めちゃうなんてどうでしょう!?
始発で帰って仮眠を取って、大急ぎで支度をして出かければ、うんうん、きっと何とかなる!
(ただし当方、翌日の仕事への影響に関しては責任を持てません)
というわけでやってきたのは・・・
新橋烏森口方面の飲み屋街の中にある「ろっきー」さん。始発が動き出す朝5時まで営業しています。
こちら、看板の牛のマークがヒントになっていますが、ちょっと変わった串焼き屋さんなんです。
店内はシックなバー風で、女子でも落ち着いてくつろげる、大人の雰囲気。飲みながら同僚と仕事の話なんてするにはぴったりではないでしょうか。
まずは仕切り直しの「生ビール」(490円)といきましょう。
さんざん飲んだあと、いったん戻ってくるビールのうまさ!
さて、種明かしをしてしまいますがこちら、世にも珍しい「牛串焼き」の専門店なんです。
オーナーのおばあさまが北九州で営まれていた焼肉屋。そこで戦後から受け継がれてきたという、秘伝のタレを使って焼き上げる牛串は、他では食べられない逸品。
まずは、「赤身」(190円)「ハラミ」(190円)あたりからいってみましょうか。
わー!見るからに上等な牛肉が、見るからに絶妙な焼き加減で焼かれ、食べやすく串に刺さって出てきました。写真左が赤身で、右がハラミです。
まずは赤身から頂いてみると・・・うわ、うますぎる・・・!
上品かつ濃厚な肉の旨味が、甘辛いタレに引き立てられ、食欲が再沸騰!
お次はハラミ。
ハラミって普段は、お肉というイメージで食べていますが、実は牛の横隔膜で、ホルモンの一種。
こうやって食べ比べてみると、赤身とは旨味の質が違って、これまたうまいです。
そんな繊細な違いに気付けるのも、気軽に1本ずつ串で頂くことができるからですよね。すでに飲んだあとのハシゴ酒なので、1本ずつゆっくり楽しめるのもありがたい。
加えて、実はかな〜り重要なポイントとなっているのが、横にちょこんと添えられた「キムチ」の存在!
こちらも、オーナーがおばあさまから作り方を受け継がれたという特製の品です。
肉の箸休めにぴったりのは当然ですが、この味わいが「今、焼肉を食べている!」というリッチな気分をさらに豊かなものにしてくれます。
こうやって好きな串を好きなだけ、1本190円で頼めるって、あれ?かなり革命的かつ最高なシステムなのでは・・・!?
お酒も日本酒、ワイン、ウイスキーをはじめ種類豊富!
中には北九州の地酒もあります。
酒粕から作られた焼酎「無法松」は、味は焼酎なのに、純米大吟醸のような香りを感じる珍しい一杯。
日本酒「夢天心 特別本醸造」は、スイスイと飲めてしまう旨味とキレ味が、ある意味危険なお酒。
おかわりは、気になった自家製の「コーヒー焼酎」(490円)にしてみましょう。
コーヒー焼酎って、なんでこんなにうまいんすかね?
焼酎に漬け込むことによって抽出された、コク深いコーヒーの香りと苦味。どうしてか、甘味もたっぷりと一緒に引き出されているのがまたたまらないんですよね。
深夜に飲むコーヒー焼酎、いい・・・。
さて、あまりにも美味しかったので、串をもう少し追加しましょう。「丸ちょう」(190円)と「塩タン」(190円)お願いします!
ジュワッと溢れる脂がたまらない、丸ちょう。
一切れほおばれば口いっぱいに肉の旨味が爆発する、塩タン。
これまたどちらも美味しすぎ。この贅沢が1本190円とは信じられない!
それからもう一品、数人で行った時にはぜひとも頼みたい、ろっきーさんの名物メニューがあります。
それが、「炭火焼しゃぶ」(1,480円)。
圧倒的スケール感!
こちら、巨大な霜降り肉の切り身2枚分を炭火でさっと炙り、極限までジューシーに仕上げた品。
一口ほおばれば、後から後から旨味の詰まった肉汁が溢れ出し、特製のタレと添えられた柚子胡椒のマッチングも素晴らしく、思わず言葉を失ってしまう美味しさです。
何よりその量がインパクト絶大で、頼めば自然と歓声が上がること間違いなし!
かなりの確率で白いご飯が欲しくなってしまうと思いますが、ライスの用意もちゃ〜んとありますのでご安心を。
いや〜すごいお店でした。
ろっきーさんは、系列店の「ろっきー2」が同じ新橋に、「ろっきー3」が赤坂見附にあるので、気分やシチュエーションに合わせてチョイスしてみてくださいね。
ろっきー
住所:東京都港区新橋4-11-5 池野2号ビル
電話番号:03-6435-6469
営業時間:17:00~翌5:00(フードL.O.4:00、ドリンクL.O.4:30)
定休日:日曜
2軒目「何やってるBar」
お次は深夜飲みの定番、バーなんてどうでしょう?
といってもこれからおじゃまする「何やってるBar」さん、店名からも想像できますが、普通のバーとはちょっと違うんですけどね。
場所は1軒目の「ろっきー」からも近いビルの地下1階です。ハシゴ酒的にはこの距離感もうれしいところ。
階段で地下へ降りていってバーの扉を開けるの、普通だとちょっと緊張してしまいますが、表にメニューやシステムが親切に貼られているので安心です。
広々とした店内に、大量のキープボトルと、ダーツマシーンが大人の気分に浸れる空間を演出しています。
こちら「何やってるBar」さんは、本格的な沖縄料理メニューが豊富にそろうダイニングバー。こちらも朝5時まで営業しています。
ダーツやカラオケシステムをはじめ、遊び心溢れるグッズもあちこちに設置され、まさに「大人の秘密基地」といった雰囲気で、仲間と行けば盛り上がりそうです。
おじゃました時はちょうどお客さんの途切れたタイミングで、その静かな時間も心地良かったのですが、キープボトルの数が証明する通り、週末ともなると、常連さん、一見さんが入り混じり、朝まで大いに盛り上がるそうですよ。
せっかく沖縄料理が食べられるバーということで、沖縄を代表する「オリオン生ビール」(650円)を頂きましょう。
夏の夜には特に合うオリオンビール!
18:00〜20:00の「ハッピーアワー」では、このオリオン生ビールを超お得な350円で提供されているそうで、ちなみにその間、生ビールは300円、60分飲み放題は980円とのこと。
何それ! 深夜もいいけど、早い時間からも来たすぎます!
チャージとして席料が500円かかりますが、すぐに出てきたお通しを見てびっくり。
エビ、鶏ムネ、レンコンの天ぷら!
どれも揚げたてで、エビはプリプリ、レンコンはサクサク、鶏ムネは、かつて食べたムネ肉で一番ってくらい、フワフワと柔らかく、これがお通しって豪華すぎないですか?
この天ぷらでオリオンビールを一気に飲み干し、沖縄料理ではないものの、どうしても気になった「わさび枝豆」(480円)と、「何やってるオリジナル泡盛」(500円)をオーダー。
その名の通り、ワサビ風味の枝豆がやってきました。
これ、何で他の店でもやらないんだろう? っていうぐらいのベストマッチ! お酒が進みすぎます。
家で絶対真似しよう〜!
沖縄料理にはやっぱり泡盛でしょう!
ずいぶんお手頃価格の「何やってるオリジナル泡盛」ですが、なんと、瓶に残り少なくなってきた泡盛をお店でブレンドしたもので、行くたびに味が違うというおもしろいメニュー。
ブレンドの効果か、泡盛独特の角がとれたまろやかな味わいで、とっても美味しいです。
ではそろそろ、沖縄料理を追加注文しましょう。
バーとは思えないほど料理メニューが豊富で迷ってしまうんですが、つまみやすそうな「グルクンのフィッシュアンドチップス」(780円)をチョイス。そして届いてみてこれまたびっくり!
ボリュームすごすぎ!
どの角度から見ても迫力満点!
グルクンとは沖縄名産の魚で、唐揚げにして食べるのが定番。
となれば、フィッシュ&チップスの素材として合わないわけがないですね。肉厚の身が、なんと4枚も乗ってます。
そして「チップス」の方、こちらも沖縄の有名ご当地バーガーチェーンをイメージした「カーリーフライ」となっていて、量はたっぷりなんですが、サクサクッと軽くつまめます。
グルクンとタルタルソース、合うなぁ〜。そろそろ朝も近いというのに、背徳的な美味さで箸が止まりません。
そして最後に、店長の大北さんが個人的にお好きだという「琉球王朝30°」(650円)をロックでおかわり。
こちらはオリジナルブレンドとは違い、複雑で深い旨味と泡盛独特のクセがあり、好きな人にはたまらない一杯ですね!
おっと、あんまり楽しかったのでずいぶん長居をしてしまいました。そろそろ始発も動き出す頃、お会計をし帰路についてもいい時間帯になりました。
酔いもお腹も完全に満たされた状態なのですが・・・あれが・・・どうしても・・・あれが気になって・・・。
え〜い! ここで頼まないで帰れるか! すみません「沖縄そば」(850円)お願いします!
うおー来た!沖縄料理といったら、やっぱりこれですよね。
メニューの中でも特に手間暇をかけてじっくりとダシをとっているというスープを一口すすると、味付けはあっさりとしてるんですが、驚くほど濃厚なダシの風味が口いっぱいに広がります。
ちょっと衝撃的なうまさですよこれは・・・。
プリンプリンの生麺のすすり心地がまた・・・うまい! うますぎる!
あっさり味なのに、濃厚な旨味で最高の満足感を味わえる、飲んだあとのこれ以上の締めが存在するでしょうか!?
最後に、やっぱり気になる店名の由来を大北さんに聞いてみたところ、沖縄の方言に由来するんだそうで。
「うちはバーだけど、ダーツも、カラオケも、スポーツ観戦も、音楽ライブも、DJイベントもなんでもあり。毎日のようにお客さんと朝まで盛り上がってるところを見たら、沖縄のオジーやオバーも『何やってるば〜』と呆れてしまうでしょうね(笑)」とのことでした。
住所:東京都港区新橋3-18-7 桃山ビルB1
電話番号:03-3459-5570
営業時間:月〜金 18:00〜翌5:00、土 19:00~5:00
定休日:日曜
まとめ
同僚や仲間とわいわい盛り上がって、疲れた~なんて言いながら朝を迎えると、なんだか戦友のような気分になりますよね。
さらにこんなに美味しくて楽しいお店なら、より同僚や仲間との仲が深まること間違いなしです。
帰りの時間を気にせず、わざわざ終電を逃してでも朝まで飲みたくなってしまう新橋ハシゴ酒。一度体験してみていかがでしょう?
取材・執筆:パリッコ
DJ・トラックメイカー/漫画家・イラストレーター/酒場ライター。
酒カルチャー雑誌『酒場人』の監修をはじめ、さまざまなメディアで酒と酒場に関する記事を執筆中。
Web site:http://www.lbt-web.com/paricco/
Twitter:@paricco
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※本記事内の情報は2017年06月16日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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