今回おじゃましたのは、原宿に店を構える日本初のマッシュルーム専門店「マッシュルームトーキョー」。こちらの店では、普段は脇役のイメージが強いマッシュルームが主役。しかし、そもそもマッシュルームの味とは、なんぞや?わかるようで、ピンとこない、と感じる人が多いのではないだろうか。その魅力は一体何なのか、偏愛歴0年の初心者ライターが、ソロで探ってみました!

▲飲食店が建ち並ぶ路地にたたずむ


東京メトロ明治神宮前駅から徒歩5分。表参道から一本奥へ入った細い路地に、「マッシュルームトーキョー」は現れる。一見すると、ごくごく普通のおしゃれなレストランのよう。しかし、よ~く見てみると、マッシュルームのロゴをモチーフにした特製の看板や玄関マット、さらには、テラス席のテーブルがさりげなくマッシュルームの形をしており、そこかしこにマッシュルームへの偏愛っぷりが感じられる。


▲マッシュルームの魅力を直接質問できる特等席


店内へ入ってみると、アットホームで温かい雰囲気。カウンター席があるので、ソロ活利用にはもってこいです。


オーナーは、マッシュルームを専門に百貨店などへ卸す「ワキュウトレーディング」代表の高橋和久さん。調理方法がわからない、という多くのお客さんの声を聞き、マッシュルームの調理方法を知ってもらい、もっと身近に感じてもらいたいと、お店をオープンされたそう。


マッシュルームひと筋ということで、これは期待できそうです!


▲夜は「ひらひらマッシュルーム」(440円~)が単品で注文できる。


長年、西洋料理に携わってきた料理長の鈴木淑之さんに、マッシュルームの魅力を味わい尽くしたいです!とお願いし、今回は特別にランチとディナーメニューの合わせ技で、作っていただくことに。


ずは、マッシュルーム初心者におすすめのお得なランチセット「気まぐれパスタ(週替わり)」(1,300円)から。最初に運ばれてきたのは、セットの“生”マッシュルームのサラダ。箸でもちあげると、ひらひら揺れるほど薄い。


どんな味かまったくの未知の世界にドキドキしながら、口に運んでみると、一瞬、さくっとした食感があり、遠くの方からマッシュルーム独特の上品な香りが広がる。そこへ、シェフ特製のオリーブオイルやビネガーなどを使ったフレンチドレッシングが爽やかさが加わり、口のなかに夏が訪れたかのようなさっぱりとした味わい。


店主の桜井順一さんによれば、マッシュルームはカロリーゼロで、ナイアシン(B3)が豊富なので新陳代謝、疲労回復効果などが期待され、女性にとってイイコト尽くめ。


しかも、ランチタイムは食べ放題というから、こりゃ、ガツガツ食べるしかない。


▲週替わりでパスタの種類は変わる。細い麺やクリーム系の味に変わることも。


続いて登場したのが、ランチのメインである、ぺペロンチーノのパスタ。よく見ると、麺がおそばのような色!?をしている。これはフィットチーネ(平麺)に、マッシュルームパウダーを練り込んでいるからだそうで、マッシュルーム、自家製のソーセージ、豚肉、ネギとの相性抜群。アルデンテの絶妙な麺の硬さが素晴らしく、パスタとしての完成度が非常に高い。


▲オリーブオイルと塩でシンプルに味付けされている。


いよいよ本日のメインディッシュとなる、ディナーメニューから「GIGA マッシュルームのまるごとステーキ」(3,800円)が運ばれてきた。


お、大きい!GIGAマッシュルームとは、直径15cm以上のマッシュルームのことをいい、まさにステーキといった貫禄。ナイフを入れると、ジュワ~と水分があふれ出て、肉汁さながら。マッシュルームは90%以上が水分で、熱することで、うまみ成分が外へ出るそう。


気になるそのお味は、食べるマッシュルームスープ!2cmはあろうかというほど肉厚で、噛むほどにマッシュルームの出汁が染み出す。なお、色が黒い理由は、熟成されている証拠です。


▲「マッシュルームジェラート」(550円)


最後はマッシュルームを使ったジェラート。マッシュルームパウダー入りで、印象としてはさっぱりとした高級感のあるミルクジェラートに、いるの?いないの?というぐらい、やさし~くマッシュルームが主張する。


という訳で、以上がマッシュルームづくしの特別フルコース。どの料理も予想外の調理方法で、マッシュルームの常識をくつがえすものばかり。これだけのマッシュルーム料理を食べたのは、もちろん人生初めて。けれど、あまり強い主張がないからか、不思議と同じ食材を食べている、という気がせず、しかも、あっさりしているのでいくらでも食べることができた。シェフいわく、「味がないようで、しっかりある」万能食材で、和洋中いかようにでも調理できるとのこと。なるほど、確かに~。


これまで日本では、あまり注目を浴びていなかったマッシュルーム。しかし、マッシュルーム愛に満ちたスタッフによって、その可能性は無限大に。一度食べたら、とりこになるハズ!



ライター:上浦未来
※2016年2月時点の情報です。


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※本記事内の情報は2016年02月05日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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