喫茶ライターがナビゲート。雨音に耳を澄ませて過ごす大人のためのティールーム/茶室 雨ト音

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喫茶ライターの川口葉子です。本記事では大人のための湘南の邸宅ティールーム、「茶室 雨ト音」をご紹介します。

 

平塚駅南口から海に向かって徒歩約12分、松の並木と海風を楽しみながら住宅街を歩いていくと、周囲とは少し異なる気配をまとった一軒家が姿を現します。

 

建築家の木下龍一氏が設計した築50年ほどのその家は、まるで避暑地の別荘のような佇まい。2022年夏からカフェとなってお客さまを迎えています。さっそく玄関で靴を脱ぎ、中に入ってみましょう。

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廊下の先に広がるのは、天井が高く居心地の良いリビングダイニング。大きなガラス戸の向こうに、広い縁側と芝生の庭が陽光を浴びて輝いています。

 

静かで優しい眼をした元保護犬「あめ」をちょっと撫でてから奥の部屋をのぞけば、こちらは3組のソファが並ぶ人気の一室。落ち着いたデザインのソファは、いずれもカフェ店主の那須野浩美さんが集めた明治・大正~昭和初期の日本の家具です。

 

「畳の部屋でも使えるように脚の形が工夫されたソファもあるんですよ」。楽しげな笑顔でそう教えてくれた那須野さんは、千駄木で古民家カフェ「雨音茶寮(あまねさりょう)」を開いて人気を博しており、「茶室 雨ト音」は2店舗目のカフェとなります。

 

どちらのカフェも、ひそやかな雨音に耳を澄ませて日常の憂いを忘れる、そんな時間を楽しむための場所です。ぜひ一人か、静かな声で会話が楽しめる人と二人でどうぞ。

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那須野さんは12歳から18歳までイギリスで暮らし、ハリー・ポッターの世界さながらの寄宿舎で学生生活を送りながら、築300年もの伝統的な建物と現代のアーティスティックな建物が共存する美しい環境や、良いものを長く大切に使うライフスタイルに影響を受けてきました。

 

歳月を経た家に出会い、2軒の古民家カフェを開いてきた背景には、そんな世界観があったのですね。

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「かつて大家さんのご一家が住まわれ、最後にお父さまが一人で暮らしたというこの物件に出会ったとき、住もうかとも考えたのですが、魅力的な空間を多くの方々に味わっていただきたくてカフェとして開くことを決めました。もともとこの部屋にあった大きなストーブを使ったりするので、11歳未満のお子さまはご遠慮いただいています。大人の方々に、自分の時間を過ごしにいらしていただけたら嬉しい」

 

設計者の木下龍一氏は京都の古民家再生の第一人者とされ、京都大学の修士課程在学中にベルギーのサンリュック建築大学に留学。帰国後最初に設計を手掛けたのが、湘南のこの家なのだそうです。

 

キッチン以外はほぼ元のままだという家には、茶室や、木目のピアノも残されています。お客さまの中にはピアノの前に座り、雨ト音にふさわしい優美なクラシック音楽や、自作の曲を披露してくれる人もいるとか。

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この空間でぜひ味わいたいのがイギリスの喫茶文化に欠かせない「クリームティー」(1,700円)。スコーンにクロテッドクリームとジャムを添えたセットと、紅茶の組み合わせです。

 

紅茶はイングリッシュブレックファストやダージリンなど伝統的な銘柄と、アールグレイやミルクキャラメルなどのフレーバーティーがそれぞれ6~8種類ずつ揃っており、単品(700円)でも注文可能です。

 

私は平塚駅前から続く松の並木と、この家の住所「松風町」を思い出してラプサンスーチョンを選びました。独特のスモーキーな香りで好みが分かれるラプサンスーチョンは、松の煙で燻した伝統的な紅茶です。

 

那須野さんのこだわりは、必ずたっぷりのクロテッドクリームと、自家製の無添加ジャム2種を添えること。うち1種類は必ずベリーを使っているそう。この日はミックスベリーのジャムと、イチジクのジャムでした。

 

「もっとクロテッドクリームを!」と、スコーンを食べるたびに心の中で叫びがちな私にとって、最高の英国流おもてなし。ただし、スコーンの食感は英国伝統のモソモソ系ではなくしっとりと食べやすく仕上げ、季節の果実を添えるのが雨ト音ならではの心づくしです。

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玄関の右手の一室は、うつわや雑貨を販売するスペース。写真右のガラスの食器が那須野さんのお気に入りだそう。

 

湘南といえば海やマリンスポーツ、ハワイのイメージが思い浮かびますが、「雨ト音」はそれだけではない湘南の魅力を教えてくれます。庭のテラス席はペット連れもOK。週末にはキャンドルを灯して“夜カフェ”をすることもあるそう。秋の一日、湘南の邸宅ティールームに出かけてみませんか。

スポット
茶室 雨ト音

〒254-0812
神奈川県平塚市松風町 13-34

平塚駅

〒254-0812
神奈川県平塚市松風町 13-34

平塚駅

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