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日本全国にある展望タワーや展望台を巡っている展望施設マニアのかねだひろです。
展望施設の情報や、その日その時その場所に行ったからこそ目にすることができる景色を、SNSやブログなどで発信しています。
本記事では絶景夜景を楽しめる川崎市の展望タワーをご紹介します。
川崎の臨海部にあるユニークな外観の展望タワー/川崎マリエン
神奈川県の北東部にある川崎市は、北は多摩川を挟んで東京都、南は横浜市に隣接している細長い地形の政令指定都市。東京湾に面した川崎港臨港地区は「京浜工業地帯」の中央に位置していて、鉄鋼・石油化学などの工場やエネルギー・物流施設などが立ち並びます。
この川崎港臨港地区の一つ「東扇島」にあるのが、これからご紹介する「川崎マリエン」です。

川崎駅から市営バスに乗って30分ほど。「川崎マリエン前」というバス停で降りると、凱旋門型のユニークな建物が目の前に現れます。
川崎マリエン(正式名:川崎市港湾振興会館)は、川崎港と市民の交流を深めるために生まれたコミュニティー施設。展望室だけじゃなく、ビーチコートやテニスコート、バーベキュー場にキャンプ場、体育館などもあり、川崎市民の憩いの場となっています。
業務棟、交流棟とタワー棟で構成されていて、建物は高さは61m、タワー棟10階にある展望室の高さは51mです。

展望室へは、交流棟から入りエレベーターで向かいます。入場料は無料で、利用時間は9時から20時30分まで。
展望室は回廊スタイルで360度ぐるりと景色を一望することができ、訪れた時間によっていろんな表情の景色を楽しむことができます。

展望室中央には、川崎港を中心に撮られた航空写真を使用した直径5mの大きなジオラマが設置されています。まずはこのジオラマで川崎マリエンを探してみましょう!
川崎マリエンから広がる川崎の街や地形を俯瞰で見ると、今いる場所がどんなところなのか理解することができるので、一番最初にこのジオラマを見てから景色を楽しむことをオススメします!
【南東側】東京湾を行き来する船や、車の輸出風景に注目

▲展望室南東側(東京湾・千葉方面)の景色
それでは展望室南東側の景色から見てみましょう!
目の前には物流センターや倉庫があり、その先に広大な東京湾が広がっています。東京湾の手前に見えるのは、全長3km以上にもなる巨大防波堤「東扇島防波堤」。遠くには千葉県の房総半島を望むこともできます。

東京湾では大小さまざまな船の姿を目にすることができるのですが、特に目を引くのが巨大なオイルタンカー船。遠くからでもその迫力に圧倒されます!
川崎港には1日に平均約50隻ほどの船が入港しているとのこと。コンテナ船やエスコートボート、海洋工事で使用する資材を運搬するガット船、川崎港をパトロールする巡視船など、東京湾を行き来するたくさんの船を眺められるのも楽しいポイントです!

左側に見えるのは、スバル車の輸出を行っている株式会社東扇島物流センター。
約2,200台分もの普通乗用車が収容できるという平置き用モータープールにズラッと並んでいる車の姿は壮観です。タイミングが合えば、展望室から車の船積みシーンも見られるそうですよ!
【北東側】ズラリと並ぶ冷凍・冷蔵倉庫が壮観!

▲展望室北東側(東京方面)北よりの景色
川崎マリエンのある東扇島地区には、日本随一の集積数を誇る冷凍・冷蔵倉庫群があります。
その規模感をリアルに感じられるのが、北東側の景色です。目の前にはトラックがズラリと並び、その奥にはさまざまな形の倉庫が連なります。

北方面の倉庫群の奥には浮島町の工場地帯、さらに奥には羽田空港があります。
高さ115.7mの羽田空港管制塔と工場煙突・蒸留塔のコラボレーションがカッコいいのでぜひ注目してみてください!

羽田空港が近いので、こちらの方面の空には数分ごとに羽田空港に離発着する飛行機の姿を眺めることもできます。
この日も小さな男の子たちが楽しそうに飛行機の姿を目で追っている様子が見られて、とてもホッコリしました。
【南西側】一般立ち入り禁止の人工島や夕日の沈む様を眺められる

▲展望室南西側(横浜方面)の景色
南西側に見えるのは、川崎港コンテナターミナルと東扇島総合物流拠点地区。そしてその奥はJFEスチール東日本製鉄所京浜地区や石油の備蓄基地などがある扇島です。
扇島はSOLAS条約(海上における人命の安全のための国際条約)に基づき、一般人の立ち入りが禁止となっている場所。企業関係者しか立ち入ることができない場所を斜め上から見るというのは、なんだか少し特別な気分にもなります。
この方向の先にあるのが横浜ベイブリッジ、そして横浜の街へと続き、遠くには横浜みなとみらいのビル群が見えます。天気の良い日には富士山の姿が見られるのもこの方向になります。

▲西側に沈む夕日
展望タワーの楽しみの一つといえば、美しい夕景を眺めること!
川崎マリエンの展望室からも西側に沈む美しい夕日と、刻一刻と変化する空のグラデーションの変化を楽しむことができます。
この時間になると、展望室にはカップルや団体のお客さんなどが訪れるようになり、みなさんこの景色に歓声を上げながら夢中で写真撮影をしていました。
【北西側ほか】日本夜景遺産にも登録されている美しい工場夜景

▲展望室北西側(川崎市街地方面)からの夜景
日が落ちるにつれて徐々に浮かび上がってくるのが、目の前にあるテニスコートや川崎臨海部にある工場、そして川崎の街に灯る明かり。日常の景色から、非日常を感じられる景色に変わっていくたまらない瞬間です。

▲展望室北西側からの夜景
少し北側に目をやると、遠くにライトアップされた東京タワーと東京スカイツリー(R)の姿も!
このように遠くまで夜景を広く見渡せること、臨海部の工場夜景を遠目に観賞できることなどから、川崎マリエンの展望室は平成26(2014)年に「日本夜景遺産」にも登録されています。

▲展望室北側の夜景
こちらは展望室北方面の眺め。
車に船に倉庫にタンクにプラント、炎に煙、管制塔に飛行機、都心の高層ビル群に東京スカイツリー!
北側の夜景は、いろんな要素がギュギュギュッと詰まった風景を切り取ることができて、個人的にとてもお気に入りです。

▲展望室南西側からの夜景
展望室南西側の夜景を彩るのは、ガントリークレーンやコンテナを照らすオレンジの光と物流倉庫を照らす青白い光。遠く横浜の夜景の前に、扇島の工場地帯のシルエットが浮かび上がっています。
川崎マリエンの展望室は、周りに迷惑をかけない使い方であれば三脚を利用することができるので、ぜひ望遠カメラでいろんなシーンの夜景を撮影してみてください。
【リフレッシュルーム】大使館御用達シェフの冷凍メニューを味わえる!

▲リフレッシュルームの様子。窓の装飾もかわいい
展望室の1つ下の9階には、誰でも利用できる「リフレッシュルーム」があります。
展望室内は飲食不可ですが、こちらでは飲食が可能。イスとテーブルが窓に向かって設置されているので、景色を見ながら食事をすることができます。

▲「スパイシーチーズキーマカレー」(500円)
川崎マリエンの交流棟1階に設置されている冷蔵庫で、大使館御用達シェフが手掛けたパスタなどの冷凍食品が販売されているとのことで、さっそく購入してきました。
東扇島で冷凍食品を食べるというのも、なんだがこの場所ならでは!という感じがしますね!!
この日私がチョイスしたのは「スパイシーチーズキーマカレー」。大使館御用達シェフが手掛けているのに、お値段はどれも500円という、かなりお手ごろなお値段です。
リフレッシュルームにある電子レンジで温めるとアツアツなカレーが完成。沈みゆく夕日を見ながら、スパイシーでとても美味しいカレーを味わうことができ、大変満足でございました。
まとめ
展望室の入場料だけでなく、実は展望室に設置されている望遠鏡も無料、車で行っても駐車場代は1時間まで無料、サイクリングロードを走ることができる貸自転車も無料!
こんなに無料づくしなのに、日本夜景遺産にも登録されている美しい夜景や、陸海空を行き交うさまざまな乗り物の姿を楽しめる川崎マリエン。ぜひ遊びに行ってみてくださいね!

〒210-0869
神奈川県川崎市川崎区 東扇島38-1
川崎駅
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※本記事内の情報は2024年08月15日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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