オカルト好きコラムニストがナビゲート!台湾で信仰を集める女神を祀るお寺/東京媽祖廟
オカルト好きの漫画家・コラムニスト、辛酸なめ子です。パワースポット巡りが趣味の私が、今回は「東京で台湾旅行気分が味わえるゴージャスなお寺」をご紹介します。
大久保を歩いていたら、駅前の飲食店が並ぶ一角に、突如現れた竜宮城のようなゴージャスな建物。中華街にありそうな雰囲気ですが、近付いてみるとレリーフや屋根、柱の装飾などが凝っていて、格の高さを感じました。
こちらは、台湾や中国沿海部で信仰を集める、媽祖様という女神様をお祀りする「東京媽祖廟(トウキョウマソビョウ)」。台湾には900あまりの媽祖廟(マソビョウ)という媽祖様を祀った施設があり、信徒数は1,500万人以上いるのだとか。日本でこんなに人気の女神様は、なかなか思い浮かびません。
台湾出身の媽祖様の信者たちの心のよりどころとして、この大久保の媽祖廟は建てられたようです。航海や漁業の守護神(海を守る女神様)として崇められています。
960年、中国・福建省の官吏の家に生まれた媽祖様。16歳の頃に神通力を得て、病気を治すなどの奇跡を起こしたそうです。ある時、父親が海難事故で行方不明となり、嘆き哀しんだ媽祖様は山に旅立ち、仙人に導かれて修行。その後、昇天して神様になったと言い伝えられています。
台湾には福建省から移り住んだ人がたくさんいて、彼らは海を渡って無事に台湾に行けるよう、媽祖様に祈ったことから、媽祖信仰熱が高まっていきました。新たな世界を目指そうとしている人など、人生の転機を迎える人をサポートしてくれる女神様です。
日本のお寺の何倍も派手な色彩の祭壇
建物には2階から4階まで祭壇が設けられています。本格的にお参りしたい人は、7本入りの線香を購入し、廟内7カ所に設けられた香炉に挿しながら参拝する、という手順があるようです。
素人なので線香は持たず、それぞれに手を合わせてお参りしました。1階の事務所や受付などがあるスペースには、自由に食べて良いお菓子や果物もあって、景気が良いです。
2階は関聖帝君様(三国時代の蜀の武将で道教の神様)をはじめとして、済公禅師様(臨済宗の僧)、財運を呼ぶ武財神様、恋愛、縁結びの月下老人様など、霊験がありそうな神様の像が大勢並んでいます。
4階は観世音菩薩様が主祭神。孔雀明王菩薩様や薬師如来様、地蔵菩薩様もいらっしゃいました。このお寺で一番上に位置するフロアなので天上界のような幽玄な空気が漂っています。
そしてこのお寺のメインの神様である媽祖様は3階にいらっしゃいます。真ん中には、ピンク色のお顔をした美しい媽祖様が。慈愛に満ちた表情に癒やされます。
両側にはそれぞれ台湾の有名なお寺から分霊された媽祖様の黒い顔と金色の顔の像。三変化されているのがかっこ良いです。切れ長の瞳が美しく、女性としての魅力や色香も漂っていました。
媽祖様の前には、パイナップルやミカン、歌舞伎揚げ、イミテーションの果物などが供えられていました。なぜかカルシウムせんべいのお供えも。神様の健康を気づかっているのでしょうか。
参拝者の金運も上がりそうな財力ヴァイブスが…
媽祖様の余韻に浸りながら廟を出ると、休憩スペースや、龍の口から水が出る池など、ゴージャスなしつらえが。やはりこのお寺、かなりの財力が感じられます。
財運の高まりを感じながら、建物の横の看板を見ると、媽祖廟設立のために寄進した人のリストが。なんと高い人で5億円も寄付!1億円の人も何人かいました。看板を拝んでいるだけでも金運が上がりそうです。
そもそもお寺を建てた人も、媽祖様が夢枕に立って、あなたは日本での事業に成功するので、十分な富を作れたら媽祖廟を建てなさい、というお告げを受けたのがきっかけとなったのだそうです。
媽祖廟は「痛苦と貧窮の中にある衆生」を救うために建てられたそうで、猛暑や値上げラッシュに苦しむ日本人も救ってくださるかもしれません。とりあえず派手な原色の装飾に囲まれるだけでも元気になってきます。
- 東京媽祖廟
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所在地
東京都新宿区百人町 1-24-12
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最寄駅
大久保
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電話番号
03-5348-5220
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※本記事内の情報は2023年08月26日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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