一生に一度は訪れたい銀座の“非日常レストラン” グルメジャーナリスト東龍がイチ推しする理由

フランス料理はハードルが高いと敬遠されることがあります。

グランメゾンともなれば、「高い」「緊張する」「勝手がわからない」という先入観があるでしょう。

 

しかし、フランス料理ほど、記念やお祝いといった特別な日に相応しいジャンルはありません。

値段は安くないものの、料理やサービス、空間や設えを総合的に考えればコストパフォーマンスもよいものです。

一流店であればあるほど、ゲストを緊張させず、むしろリラックスさせてくれ、楽しい気分にしてくれます。

 

シェフの才能や料理はもちろんのこと、歴史やサービス、空間やテーブルウェアも申し分なく、イチ推ししたいのが、日本を代表する企業である資生堂が経営する銀座の「ロオジエ」です。

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オリヴィエ・シェニョン氏


オリヴィエ・シェニョン氏

エグゼクティブシェフを務めるのが、オリヴィエ・シェニョン氏です。18歳の時にアプロンティシェフ(ジュニアシェフ)コンクールのフランス大会で優勝し、ヨーロッパ大会では準優勝。

「タイユヴァン」「ピエール・ガニェ―ル」パリ本店など名店で経験を積んだ後、2005年に来日して若干27歳で「ピエール・ガニェール・ア・東京」総料理長に就任。

2013年に「ロオジエ」がリニューアルオープンするとエグゼクティブシェフとして腕をふるい、ミシュランガイドで三つ星に輝いたフランス料理です。

 

「ロオジエ」は日本発のグランメゾンとして1973年に開業したという歴史を有しながらも、40周年となる2013年を迎えるにあたって全面的にリノベーションし、これまで以上に豪華絢爛な装いとなりました。

ドアマンがいたり、1階がまるごとウェイティングスペースになっていたりして、特別感がたっぷりです。

地下1階にあるメインダイニングから天井までは9メートルもの吹き抜けとなっており、壮大なシャンデリアとミラーが輝く螺旋階段が目を引きます。

 

デザインは、ラグジュアリーな空間デザインにおいて世界的に名声ある建築デザイナー、ピエール=イヴ・ロション氏が手掛けたというので納得です。

資生堂がこだわって創り上げた唯一無二の空間といってよいでしょう。

 

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非常に広々としたダイニング


非常に広々としたダイニング

サービススタッフはタレント性を有しています。支配人の内堀泰彦氏は1991年から「ロオジエ」で働き、サービスの真髄を受け継いでいます。

リニューアルも3回経験し、日本のグランメゾンがどのように移り変わっていったのかを最もよく知悉している人物であるといえるでしょう。

 

2022年4月からシェフソムリエを務めるのは、1987年生まれの井黒卓氏。2020年に「第9回全日本最優秀ソムリエコンクール」で優勝、2021年に「アジア・オセアニア最優秀ソムリエコンクール」日本代表に選出されるなど、十分な実績。飲料全般に関する広い知識のみならず、ホスピタリティや英語力を兼ね備えています。

 

 

テーブルウェアはゲストに分かりにくいので、手を抜くレストランもありますが、「ロオジエ」は違います。

カトラリーは日本では珍しいフランス最高峰のピュイフォルカ、肉料理には柄を長くした特別なフォルジュ ドゥ ライヨール。

プレートはアビランド、ジャン ルイ コケ、ベルナルドと、どれも一級品ばかり。

特に「L'OSIER」と刻印されたアビランドのオリジナルショープレートは秀逸です。

アビランドのオリジナル製品など、他では見掛ける機会はほとんどありません。

 

シェニョン氏が、こだわったおまかせコースがオススメです。

季節によって内容は変わるので、この時季のメニューを一例として挙げましょう。

 

 

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フランス産オマール・ブルー オレンジ風味 
プティポワのフリカッセとモリーユ茸のファルシィ プティポワのエキュームとソースコラリーヌ


フランス産オマール・ブルー オレンジ風味
プティポワのフリカッセとモリーユ茸のファルシィ プティポワのエキュームとソースコラリーヌ

旬のオマール・ブルーの佳味をオレンジの風味で味わえます。

赤と緑が鮮やかに映えていて、見た目も美しいです。食味に優れたモリーユ茸やオマール・ブルーのコラーユの旨味をたっぷりと凝縮したソースが合わせられています。

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キャビア・オシェトラと愛媛県産シマアジマリネ カラマンシークリーム フヌイユのジュレ サラダ菜のクーリィ 燻製香るガレットとコンディマン


キャビア・オシェトラと愛媛県産シマアジマリネ カラマンシークリーム フヌイユのジュレ サラダ菜のクーリィ 燻製香るガレットとコンディマン

オシェトラキャビアをふんだんに用いた極上の一品。

柑橘のクレームシャンティーイが合わせられており、バランスのよい仕上がりです。

幾何学的なミステリアスなデザインも白眉。

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グリオットチェリーのスフレ 佐賀県産サフラン“AKAITO”とタヒチ産バニラのアイスクリーム


グリオットチェリーのスフレ 佐賀県産サフラン“AKAITO”とタヒチ産バニラのアイスクリーム

ふっくらと仕上げられたスフレは、グリオットチェリーの野性味溢れる味わい。

口の中でシルキーな食感と口溶けを堪能できます。

添えられた佐賀県産AKAITOサフランとタヒチ産バニラのアイスクリームは、サフランとバニラの相性が抜群です。冷たくて甘くて香り高いので、スフレとよいコントラスト。

 

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銀座の並木通りに位置し、重厚で気品ある佇まい


銀座の並木通りに位置し、重厚で気品ある佇まい

「ロオジエ」は他に支店を持たず、銀座にしか存在しません。この1店にだけ全てを注力し、最高のフランス料理を提供しています。

最高峰のフランス料理を体験すると人生観が変わるので、是非とも私がイチ推しする「ロオジエ」に大切な人との特別な時間に訪れてみてください。

■値段

ランチ:MENU DÉJEUNER 14,000円、MENU «LES BELLES GOURMANDES» 18,000円

LÉGER “CLIN D’OEIL”AU PRINTEMPS 2023… 35,000円

ディナー:MENU SAISON 27,000円、MENU DÉGUSTATION 33,000円、AU FIL DU TEMPS… LE PRINTEMPS 55,000円

※価格は消費税込、サービス料別

L’OSIER
  • 所在地

    東京都中央区銀座7-5-5

  • 最寄駅

    銀座

本記事内の情報に関して

※本記事内の情報は2023年04月11日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
※本記事中の金額表示は、税抜表記のないものはすべて税込です。