3,000基以上の古墳を巡ってきた、古墳シンガーがナビゲート!

「古墳は空から見ないと意味がない」「歴史苦手だから無理」


・・・いえいえ、そんなことはないのです。誰でも古墳は楽しめます。


古墳シンガーで古墳にコーフン協会会長のまりこふんが、知られざる古墳の魅力、そして古墳の歩き方をみなさまにご紹介!今回は「都内で古墳らしい古墳を愛でるならココ!」という東京都世田谷区の古墳です。

「前方後円形を確認できる」都内では珍しい古墳/野毛大塚古墳

▲2022年11月17日現在は古墳の周りに埴輪は設置されておりません。

▲2022年11月17日現在は古墳の周りに埴輪は設置されておりません。

都内の古墳は開発によって多く消滅してしまっていて、残っている古墳も住宅街の中に申し訳なさそうにポツンポツンとあるのみ。看板もなく、形も崩れているので古墳と気づいてもらえないような“野良古墳”ばかりなのですが、世田谷区にある野毛大塚古墳は違います。都内で一番「古墳らしい古墳」なのです。


どういうことかというと、みんなが思い描く古墳・・・つまり「前方後円形を確認できる」ということです。82mと全貌が見える程よい大きさで、適度に緑に覆われるよう整備されているので形もわかりやすいのです。


それもあって非常に写真映えする古墳です。どの角度から写真を撮っても“墳スタ映え”すること間違いなし!

そして、形が独特でかわいい!野毛大塚古墳は「前方後円形を確認できるから前方後円墳だ」と思われがちですが、厳密にいうと「帆立貝形古墳(ホタテガイガタコフン)」に分類されます。四角の前方部分が短くて、頭でっかちな感じが特徴で、前方後円墳の赤ちゃんみたいでかわいらしいんです。


何らかのお祀りごとをした場所なのでは?といわれている造出し(半円形もしくは方形の壇状の施設)がちょこんと付いているところもチャームポイント!

▲左側が前方部、右側が造出し

▲左側が前方部、右側が造出し

階段があり登ることもできるので、墳頂からちょこんと付いた造出しと前方部が良く見えます。帆立貝形古墳は造出しが付いている円墳とどちらか判断しづらいことが多いのですが、これは前方部と造出しとの位置関係、さらに造出しの個数的にも「帆立貝形古墳」とハッキリわかります。


正直、古墳の形の判断基準は研究者によってさまざまなので、今のところはっきりとした決まりはないようですが、この野毛大塚古墳は「帆立貝形古墳」の決め手の「造出し」と「前方部」が整備されていることで、しっかり上から帆立貝形古墳の形を確認できるところに萌えるんです。


前方部と造出し部の角々した部分を墳頂から眺めていると「ここの部分、古墳ビルダーたち大変だっただろうなぁ」というように考え始め、古代妄想が膨らみ、古墳ビルダーと古墳現場監督たちのやり取りなんかが浮かんできてニヤニヤしてしまいます。

さらに墳頂には埋葬施設が示してあって、4基の埋葬施設の出土状況がわかります。4基の埋葬施設というと4人が眠っているのかな?と思ってしまいがちですが、場合によっては埋葬品用の施設となっている場合もあります。その辺りも妄想して楽しめると思います。

それにしても広々とした公園の中にある古墳だからなのか、ひっきりなしに人が古墳に登ってきます。中でも子連れで訪れている家族がとても多く、天気の良い日なんかは古墳のそばでピクニック・・・つまり“墳ピク”を楽しむ方々もいらっしゃいます。


首の皮一枚でギリギリ残っている野良古墳ばかりの東京で、地元民に愛されている野毛大塚古墳を見ると非常に心が温まります。


野毛大塚古墳は等々力駅から徒歩10分の玉川野毛町公園内にあります。すぐ近くに「等々力渓谷」があり、そこにも崖に穴を掘って埋葬施設をつくる、いわば古墳の分譲マンションタイプの「横穴墓」が残っていて、とくに等々力渓谷3号横穴はアクリル板の外から中の埋葬施設を見ることもできるのでぜひセットで訪れてみてください。

野毛大塚古墳

所在地:東京都世田谷区野毛1-25 玉川野毛町公園内

最寄駅:等々力

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