第二十回(最終回) 埼スタ線(大門駅~大宮駅)
だいぶ東京から離れるんだけど、女王が掘らなきゃ気が済まないのは、地下鉄南北線をずっと先に進んだ場所。埼玉県の「浦和美園」の先です。
女王はサッカー観戦を趣味としているわけではないんですが、取材で数度、埼玉スタジアムに行ったことがあります。女王も取材をするんです。
スタジアムには、地下鉄南北線にずっと乗っていけば着くと聞きました。しかし、終点の「浦和美園」で降りてすぐにスタジアムが見えるかと思ったら、なんと駅から徒歩15分もあるというじゃない(体感ではもう少し長い)。
えっ、この電車、埼スタに行くために作ったんじゃないの?なんで最寄駅からこんなに遠いの。どんな事情か知りませんが、スタジアムの真ん前に駅を作らなきゃダメじゃん!
ということで、急遽、翔んで埼玉です。スタジアムの真ん前まで鉄道を延ばし、その勢いで、新幹線からも来やすいように大宮まで鉄道を引いてしまいたい。実はこの「埼玉高速鉄道」は岩槻とか蓮田のほうに延ばす計画が実際にあるらしいのですが、それは無視します。女王ですので。
スタジアム直結駅を作りサッカーファンのモチベーションをUP
まずは浦和美園駅から取りかかります。「美園」は昭和30年代にできた新しい地名なので即却下。ここは大門宿という歴史ある宿場町のそばなので、ぜひ「大門駅」に改名していただきたい。
路線をそのまますんなりと埼玉スタジアムの真ん前まで1.5キロほど延ばし、そこにそのまま「埼玉スタジアム駅」を作りましょう。やー、便利になった。え、正式名称は「埼玉スタジアム2○○2」なんですか?駅名に数字なんか入れてややこしくしたくないですよ。みんな「埼スタ」って呼んでるんでしょ?「埼玉スタジアム駅」でいいです!
その先の、住宅の点在する畑地の地中をつっきりまして、「浦和東高校入口」の交差点のあたりに「代山(だいやま)駅」。シンプルに地名を取りました。ここに駅を作れば浦和東高校にも浦和学院高校にも行きやすいので、高校生のお客さんが増えて経営的にもいい感じだと思います。
西へ、県道214号線の地下を進みまして、「山村」のバス停付近で「片柳駅」。このあたりは昔からずっと「片柳村」です(現在もさいたま市見沼区片柳)。
道沿いに進み、海老沼小学校のあたりでそのまま「海老沼駅」。ここに実際にあった沼(というか湿地帯)の名前だそうです。日大法学部キャンパスもすぐなので通いやすい……と思ったら、ここのキャンパスは今ほとんど使われていないみたい。せっかく鉄道作ったから、使ってよ。
終点は新幹線への乗り継ぎもできる大宮駅へ
真西に進んで、「自治医科大学附属さいたま医療センター」の前で駅を作っておけば、利用者が増えそうです。しかし、自治医科大学附属〜……という駅名はさすがに長すぎるし、宇都宮線に「自治医大」という駅もあるからややこしい。おとなしく地名からとって「天沼駅」にしておきます。たぶん「自治医大医療センター前」みたいな副駅名がつくと思います。
大宮の街が近づいてきました。大宮駅のちょっと手前で一駅作っておいたら、街に行くのにも便利でしょう。氷川神社の参道入り口に駅を作りましょう。この氷川神社は、武蔵の国にたくさんある同名の氷川神社の総元締めで、「大宮」という地名の由来になったくらいの大きなお宮です。バス停と同じ名前で、「氷川参道駅」にするのが据わりがよろしいと思います。
そこから「大宮駅」につなげて、終了。さー、全国から埼スタに来やすくなりました。この路線は分かりやすく「埼スタ線」でいいんじゃないかと思います。
東京の地下を掘って開通しまくった一大妄想事業もいよいよ終了
さて、女王は地下を掘りすぎて、東京を便利にした代償に地中をかなりスカスカにしてしまった気がします。埼玉にまで手を伸ばし始めちゃったし、もうそろそろ東京での支持率が不安になってきました。
ということで、女王は王冠を地下に埋め、王政から身を引きたく存じます。今まで多くのご支持ありがとうございました!妄想で掘りつづけた路線のどこかがちょっとでも実現したら、女王冥利につきます!
◆「地下鉄埼スタ線(大門駅~大宮駅)」の編集部オススメおでかけスポットはこちら!
埼玉スタジアム2002(埼玉スタジアム駅)
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2002FIFAワールドカップでは、日本代表戦、準決勝など4試合が行われ、多くの感動を全世界に発信。現在は、浦和レッズのホームスタジアムとしてホームゲームが行われているほか、日本代表戦や大宮アルディージャのホームゲームも数多く開催。
武蔵一宮氷川神社(大宮氷川神社)(氷川参道駅)
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2000年以上の歴史をもつといわれ、大いなる宮居として大宮の地名の由来にもなった日本でも指折りの古社。武蔵一宮として関東一円の信仰を集め、初詣には多くの参拝客で賑わう。
さいたま市宇宙劇場(大宮駅)
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直径23mのドーム型スクリーンで、約2万6000個の星を投影できるプラネタリウムと、臨場感あふれる超大型映画を鑑賞できる。
能町みね子さん
文筆業兼イラストレーター。
「オカマだけどOLやってます。」でデビューし、近刊に「私以外みんな不潔」(幻冬舎)、「文字通り激震が走りました」(文春文庫)、「中野の森BAND」(ロフトブックス)など。
Twitter:@nmcmnc
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※本記事は2019年03月23日時点の情報です。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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