Lets ENJOY INTERVIEW vol.40



「ちょっと怪しくて入りにくそうなお店ほど、美味しいお店が多いんです」

オダギリジョーさん



―映画やドラマで物語の核となる、個性的なキャラを演じることが多い、オダギリジョーさん。引っ越しがテーマである本作『ルームロンダリング』になぞらえ、出身地の岡山から上京したときの感想を伺った。

「最初は不安だらけでしたね(笑)。東京は都会過ぎて、何かとんでもない事に巻き込まれるような、漠然とした不信感がありましたね(笑)。でも実際に住んだらすごく肌に合いました。何をするにも便利ですし、何より周囲の人たちは良い意味で絶妙な距離感を保ってくれて、お互いに踏み込まなくても理解してくれるというか。色んな意味で洗練された街ですよね」


―そんなオダギリさんは、普段はよく食事に出かけるという。

「特に和食屋さんに行くことが多いですね。その中でも魚や鶏肉料理がメインのお店が好きです。行きつけもありますけど、お店選びは一緒に行く相手によって決めています」


―そして今、気になっている場所は、「東京ミッドタウン日比谷」がオープンし、盛り上がりを見せるあのエリア。

「日比谷や有楽町、銀座あたりですね。普段は、映画の舞台挨拶がない限り、行くことがないので。そろそろ大人な遊びをしてみたいというか、ああいうエリアに似合う歳の重ね方をしたいですね」


―また印象に残っているのが、過去に撮影で訪れたという浅草。

「街のいたるところに人情味があるというか、古き良き雰囲気が今も残っている、奥深い街だなって思いますね。モノ作りにこだわった老舗が多いじゃないですか。そうかと思えば、ちょっと怪しげなお店もあったり。街全体がいろいろな表情をもっているので、飽きずにフラフラできそうですね」


―今号の特集エリアは、アメ横を中心に飲み屋さんが多く軒を連ねる上野。

「上野は昔、ドラマの撮影で行ったときに歩き回りました。最近は行けていないので、特に飲み屋街はぜひ足を運びたいです。良い意味で、やばい雰囲気のお店が多そうですからね(笑)」


―そんなお店の中でも、“良いお店選び”の秘訣があるとか!?

「普段、飲み屋さんやラーメン屋さんを探すときは、味のある怪しげなお店を積極的に探しますね。そういうお店は入りにくい感じがするんですけど、美味しいだけでなく、人が少ないので居心地もいいところが多いんですよ。怪しげなお店、実は狙い目です(笑)」




何よりうれしかったのは、旧知の友が丁寧に作り上げた作品に出演できたこと

オダギリジョーさん



―本作を手掛けた監督・片桐健滋さんと、脚本を担当した梅本竜矢さんの二人とは、旧知の仲。作品への思いもひとしおだったそう。

「もともと仕事を通じて知り合ったのですが、二人とも仲が良く、梅本くんなんかは一緒にサッカーをしていたくらい。そんな二人から声をかけてもらったので、喜んでお手伝いしたいと思いました」


―もちろん、出演を決めたのは仲良しだからというだけでなく、脚本もおもしろかったから。本作は、TSUTAYAが新たなクリエイターの発掘を目指し、オリジナル企画を募集するコンテスト「TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM2015」で準グランプリを獲得した企画の映画化版なのだ。

「最初に読んだときは、オリジナリティのあるとてもユニークな作品だなと思いました。特に、扱っている内容にしては、ポップでキャッチーな表現が多いというのが印象的でしたね。ポップでキャッチーな部分というのは、言葉を選ばずにいうと、漫画的というかちょっと大げさな表現が多い。
いざそれを演じたり映像化すると、あざとくなる可能性があるので、脚本の面白さを活かしつつ、大げさになり過ぎない世界観に落ち着けば良いなと思っていました。仲が良いからこそ、台本に対してアイデアをたくさん出しましたし、話合いも飲みながらやったりしていました」


―オダギリさんが演じるのは、ワケあり不動産屋の雷土悟郎。かなりクセのあるキャラクターだが、これには監督の片桐さんと脚本家の梅本さん、そしてオダギリさん3人の距離の近さが大きく影響しているとか。

「たぶんですけど、(片桐さんと梅本さんの)二人が抱く僕のイメージがどこかしら悟郎に近いのだと思います。じゃなきゃ、あんな風にはならないと思うので(笑)。二人が作り上げたいキャラの方向性は理解していましたし、自分に近い部分も多く感じられたので、いかにそれを魅力的な人間として存在させるかということに尽力するだけでした」


―今回の場合に限らず、最近は特に、旧知の人と仕事をする機会が増えているそう。

「この仕事を始めて20年くらいになりますが、最近は本当に昔からの知り合いから声をかけていただく機会が増えましたね。7月に出演するドラマも、以前、何度かご一緒したプロデューサーさんが声をかけてくれて。そういうカタチでの繋がりは本当にうれしいんです。お互いに若くて経験も無く、ただただ好きな世界でがむしゃらに走って来た結果、彼等も今や、監督やプロデューサーとして第一線で作品を作るようになっているわけなんです。
あの頃の関係性のまま、経験を積んだプロとして共同作業に打ち込めるというのは本当にうれしい事ですね。そういう人たちに求められるなら、喜んで身を捧げたいという気持ちになります。それに加えて今回の作品は、これがオリジナル作品であるということなんです。小説や漫画が原作になっている映画作品が主流の今、映画に愛情を尽くしてきた二人が、ゼロから丁寧に紡いで、時間をかけて大切に育てたということを思いながら見ていただけるとうれしいです」



photo:Megumi Uchiyama、hair&make up:Yoshimi Sunahara、stylist:Yoshihiro Fukami、text:Kei Osawa




PROFILE&INFOMATION

オダギリジョー

1976年2月16日生まれ、岡山県出身。
映画『FOUJITA』『オーバー・フェンス』『湯を沸かすほどの熱い愛』『続・深夜食堂』『エルネスト』『南瓜とマヨネーズ』、TVドラマ『おかしの家』『重版出来!』『刑事ゆがみ』等。TBS7月期ドラマ『チア☆ダン』、WOWOW『イアリー』(8月10日)に出演。



映画『ルームロンダリング』

映画『ルームロンダリング』

人生こじらせ中の御子(池田エライザ)の仕事は、事故物件に住んでその履歴を帳消しにすること。仕事先の部屋に出没する未練タラタラな幽霊たちに振り回されるうちに、周囲の人々も巻き込んで御子に人生初の恋とトラブルが訪れる!?7月7日新宿武蔵野館、渋谷 HUMAX シネマ、シネ・リーブル池袋ほかにて全国ロードショー。出演:池田エライザ、オダギリジョー ほか 配給:ファントム・フィルム

© 2018「ルームロンダリグ」製作委員会





週末に出かけたい!おすすめ「おでかけスポット」はコチラ

東京ミッドタウン日比谷

個性あふれる計60店舗がラインナップ。施設内の「パークビューガーデン」からは、日比谷公園の景観を存分に楽しめるレストランなどが並ぶ。


東京ミッドタウン日比谷

最寄駅:日比谷/有楽町
⇒スポットの詳細はこちら



上野アメ横商店街

上野駅から御徒町駅までの600mの間に、食料品から衣類、ブランド品まで約500店が並ぶ商店街。


上野アメ横商店街

最寄駅:御徒町/上野御徒町/上野広小路
⇒スポットの詳細はこちら





LET'S ENJOY INTERVIEW 過去の記事をチェック

・Vol.39 ディーン・フジオカさん(2018/5/24UP)

・Vol.38 市川美織さん/NMB48(2018/4/24UP)

・Vol.37 福士蒼汰さん(2018/3/23UP)

・Vol.36 山下健二郎さん(2018/2/23UP)

・Vol.35 本田 翼さん(2018/1/24UP)



【LET’S ENJOY INTERVIEW】 過去記事一覧へ >>>



当サイト内のおでかけ情報に関して

※本記事は2018年06月25日時点の情報です。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
※新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、掲載している情報に変更が生じる場合があります。最新情報は直接お問い合わせください。
※おでかけの際はマスクの着用、手洗い・手指消毒などを心がけ、感染拡大の防止に十分ご配慮いただきますようお願いします。
※本記事中の金額表示は、税抜表記のないものはすべて税込です。