もはや仕方なく行ったけど…初の延長!
この連載は、私がもともと一人カラオケにちょいちょい行くのを仕事にしちゃえばいいんじゃない? という小ズルい考えで始まったんです。
しかしだ。ここんところどうも時間がうまく取れず、正直、〆切に間に合わないから仕方なくカラオケに行く、ということが出てきた。「本当は気楽に行った結果を仕事にして楽したいのに」とやるせない気持ちになってしまう。今回は最たるもので、仕事で行った日曜昼の銀座で、もう今しか行くタイミングがないと思って「歌広場」に入ったのである。
そんなささくれた気持ちで入った店内は、土地柄・時間帯のせいか妙に空いていました。そして、思いっきり漏れ聞こえているのはなんとトランペットの音。
休日の昼、大きな音を出してもいいところを求めて、トランペットの練習のために銀座に来ている人がいる! その音色はとても気持ちよく、私は勝手に上品な容姿を想像してホッコリしてしまいました。
ここはセルフのドリンクバー形式。お腹が空いていたので小さなピザを注文し、今日はいつも以上に自分勝手に歌おう、恥ずかしげもなくおしゃれ路線で行こう、と思っていきなりカヒミ・カリイで始めました。ジョイサウンドは英語曲もたっぷり入っているので、いつも聞いているだけの曲を初めて歌う。初めて歌う英語曲、歌いきれるわけないけど、一人なんだから分かるところだけバチッと決まれば十分。エラスティック・ガールはベースラインがステキだね。カラオケに来たのに伴奏部分もついしっかり聞いちゃってるよ。
私の中の「渋谷系」ストックはすごく狭いので、次はとりあえずフリッパーズに進んでみたけど、サビ以外分からなかった……と、ここにピザが来た。画面はPV映像だったので、テレビとしてちょうどいい。ピザを食べながらフリッパーズのPV鑑賞。もうカラオケでもなんでもないけど快適。
ピチカートから、路線を洋楽にまで振り切ってみる。タヒチ80のイエローバタフライは歌っててとても気持ちいいのは分かっていたけど、サビ以外ほぼ歌えないフィオナ・アップルさえ爽快。さっきのクサクサした気分はどこへやらで、フィッシュマンズを歌い始めたらついにソファーの上に立っちゃって、そしたら全然歌い足りない気持ちになって、30分延長! この企画、初の延長!
ジョイサウンドのマイク、エコー、絶妙。フィッシュマンズを歌うためにこのカラオケ設備はあるんじゃないだろうか。ひたすらフィッシュマンズを入れて30分を費やした。やっぱり一人カラオケは最高。無理やりにでも行くべき!
本日のセットリスト
1 ELASTIC GIRL KAHIMI KARIE
2 GOOD MORNING WORLD KAHIMI KARIE
3 CANDYMAN KAHIMI KARIE
4 カメラ! カメラ! カメラ! Flipper's Guitar
5 午前3時のオプ(BGM) Flipper's Guitar
6 haircut 100~バスルームで髪を切る100の方法(BGM) Flipper's Guitar
7 ベイビィ・ポータブル・ロック ピチカート・ファイヴ
8 YELLOW BUTTERFLY Tahiti 80
9 Fast as You Can Fiona Apple
10 ずっと前 フィッシュマンズ
11 Weather Report フィッシュマンズ
12 In The Flight フィッシュマンズ
13 SEASON フィッシュマンズ
14 Just Thing フィッシュマンズ
15 忘れちゃうひととき フィッシュマンズ
16 なんてったの フィッシュマンズ
今回のひとこと
それにしても、今回はいつも以上にセットリストで人を置いてけぼりにする自信があるよ……。
ライター紹介
文筆業兼イラストレーター。 「オカマだけどOLやってます。」でデビューし、近刊に「『能町みね子のときめきデートスポット』、略して 能スポ」(講談社文庫)「ときめかない日記」(幻冬舎文庫)など。「久保みねヒャダ こじらせナイト」にも出演中。
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※本記事内の情報は2015年05月27日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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