浅草でテント泊しよう!
▲浅草にある「Japonica Lodge(ジャポニカロッジ)」
浅草の「Japonica Lodge(ジャポニカロッジ)」は、世にも珍しい屋内キャンプ場。
3週間前に予約したので宿泊できましたが、この日も満員のにぎわいでした。
▲テントが張られた宿泊スペース
テントで寝泊まりする「テント泊スタイル」、寝袋にくるまってベッドで寝る「山小屋スタイル」の2種類から選択できます。ベッドの上下段にテントが張られています。見慣れない光景ですね。
へたをするとテント張りに一時間ぐらいかかるのでは、と身構えていたのですが、すでに張ってある状態でした。キャンプ未経験者でも安心ですね。
こうしてテントにもぐりこむとアウトドア気分がいっきに盛りあがります。都心のど真ん中にいるとは思えません。
テントや寝袋は何種類もあるので、あいていれば好きなものが選べます。
こちらは「シェルター」といって、簡易テントのようなもの。テントにくらべて小型で軽量なので持ち運びに便利ですが、そのぶん、少し狭いのが難点です。
ふすまの内部や段ボールの中などこじんまりとした空間が好きなので、今夜の宿はこちらのオレンジ色のシェルターにしてみました。
足をピーンと伸ばしても余裕でおさまります。さすがに大人ふたりで寝るのは難しいですが、大きめのリュックぐらいなら室内に置けます。
クッションマットが敷かれているので、床に温度が逃げないし、弾力性もあって意外と快適です。
清潔なシャワーも完備しています。
また、歩いていける範囲に蛇骨湯、曙湯などの情緒あふれる銭湯がちらほらあるので、そちらを利用してもいいかもしれません。
屋内キャンプ場で使用しているテントや寝袋は購入も可能。実際に試して気に入れば、その場で買えます。併設のアウトドア用品ショップには、リュックや登山グッズもそろっています。
さらに日本茶カフェも併設されていて「屋内キャンプ場+アウトドア用品ショップ+日本茶カフェ」という多機能店舗なのです。
なぜ浅草で屋内キャンプ場をやるのか? 代表・赤穂さんに聞いてみた
▲「JaponicaLodge」を運営する観光創造ラボ代表の赤穂さん
-いつから営業されているんですか
観光創造ラボ代表・赤穂さん(以下、赤):アウトドア用品のショップと日本茶カフェは2015年5月にオープンしました。屋内キャンプ場はその年の11月からです。
そもそも「国立公園エリアに送客するにはどうすればいいか?」を考えた結果なんですよ。
-国立公園への送客?
赤:前職は香港で働いていたんです。香港は都市部しかないのにインバウンド規模が日本の2~3倍なんですね。日本には豊かな自然もあるのでもっといけるはずなのに、ぜんぜん自然が売りこめてない。それが悔しくて義憤にかられちゃいました。
まずは自然好きが集まるところにしようと、外国人がたくさん集う浅草で登山用品ショップをつくりました。私自身、高校のころから登山をしてますし。
それで、やってみてわかったんですけどショップだけじゃ、国立公園の魅力を語るのは難しいんですよ。登山用品ショップにそんなに長居しないじゃないですか。
「じゃあ、もう少し長い時間、とどまってもらうためにカフェをやろう。外国人のお客様ならコーヒーより日本茶がいいだろう」と日本茶カフェを併設しました。
▲お店の2階で国立公園情報が見られる
-なるほど、滞在時間をのばして国立公園の魅力を説明したいと!
赤:そういう流れで宿泊施設もやりだしたんです。観光客も泊まるところは事前に探しますから、自然と目にとまります。そこはおさえておきたい。
それに、屋内キャンプ場にすれば、登山用品のお試しにもなるので、メーカーとしてもお客さんとしても嬉しいですよね。
▲日本茶が飲める空間。カフェを閉めたあとは、宿泊客が休憩所としてつかえる。
-じっさい利用者は外国人が多いんですか
赤:7割が外国人のお客様です。でも、趣旨を理解してやってくる方はほとんどいなくて、ロケーションが良いわりに安く泊まれるところとして使われています。テントを買う人は月にひとりでもいれば良いほうです。
どちらかといえば、こうしてメディアに出て、直接想いを伝えていることもあって、日本人のほうが趣旨は伝わってますね。
ただ、外国人でも、人づてに「日本にこんな宿があるよ」って聞いて、自然好きの方がだんだん増えてきています。
いつもの浅草に泊まると、旅情が醸しだされた。
浅草の夜は早い。19時をまわったあたりからお店は閉まりはじめ、22時ともなればポツンポツンと飲み屋がやってるぐらい。ひと気も引いて、とても静か。昼間とはまるで違った雰囲気です。
実は浅草は自宅からも職場からも電車で10分もかからないところなので、ことあるごとに来ているのですが、泊まるとなると一気に観光地として別の風景が立ちあがってくるし、旅情を感じます。
都内に住んでいる人間が、あえて都内で一泊旅行。案外ありかもしれません。
ふらふらと夜の浅草を散策して戻ってみると、宿泊者たちがカフェスペースに集っていました。国籍はバラバラ。和気あいあいとお話をするというより、それぞれが本を読んだりお茶を飲んだりしてゆったりくつろぐ感じ。この空気、落ち着きます。
とくにやることもないですし23時にはテントにもぐりこんで、本を少しだけ読んで就寝。4月とはいえ夜はけっこう冷えますが、寝袋にくるまればあったかいので問題ありませんね。
慣れないテント泊。さすがに熟睡とはいかず、何度か目をさましては寝てを繰り返しましたが、不思議とばっちり頭が冴えた状態で朝を迎えられました。
テントに泊まっているとだらだら寝過ごすこともありませんし、こころなしか活動的な気持ちになるものですね。
住所:東京都台東区花川戸1-3-3
営業時間:Shop 11:30~20:00、Cafe 11:30~20:00 ※宿泊のお客様が多い場合は18:00にカフェを閉店。
Accommodation(宿泊) <Check In>12:00 <Check OUT>11:00
※2017年4月21日の情報です。価格や内容は変更になる場合があります。
取材・文:松澤茂信
観光会社「別視点」代表。「東京別視点ガイド」書いてます。
Twitter:@another_tokyo
撮影:齋藤洋平
観光会社「別視点」副代表。観光カメラマン。
Instagram:beautiful.chinspo
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