「365日野草生活」を営んでいるのんさんが「都会のど真ん中で自然を緊急チャージしたいならココ!」というスポットをナビゲート!

東京都23区のほぼ中央に位置する港区。

港区と言って思い浮かぶのは、オフィスビルや高級ブランド店が立ち並び、平日も土日もビジネスマンで活気あふれる街・・・。

そんなオシャレで自然のひとかけらも存在しないような港区に、「ここは森の中?!」と勘違いしてしまうような、自然豊かな場所があるんです。

 

▲目黒駅から徒歩9分!国立科学博物館 附属自然教育園

▲目黒駅から徒歩9分!国立科学博物館 附属自然教育園

港区白金台、目黒駅より徒歩9分という好立地にある「国立科学博物館 附属自然教育園」。

「自然観察会」「豊かな植生の観察」「国立博物館附属自然教育園の歴史」という3つのポイントでお届けします!



ポイント①:自然観察会が活発!

(公)自然保護協会 自然観察指導員が主催する白金観察会に参加させていただきました。

白金観察会は、創立10周年、なんと今回は40回目の記念すべき観察会だそうです。

 

自然観察指導員のなかには環境アセスメントの会社で働いていたりするプロもいたりして、虫に詳しい人、植物に詳しい人、鳥に詳しい人、とツワモノぞろい。

 

私はベテラン自然観察指導員の小久保さんのチームで下見をスタート!

▲ベテラン自然観察指導員の小久保さん

▲ベテラン自然観察指導員の小久保さん

ポイント②:山野の道端から湿生植物まで豊かな植生を観察できる

まずは『路傍植物園』から自然を観察していきます。

『路傍植物園』では、山や野の道端に生育し、日向と日陰を好む野草類が見られます。

 

小久保チームは、食痕(昆虫が植物の葉をかじった痕)に並々ならぬ愛着をもつ指導員がいて、新鮮な食痕探しをしました。なんでも、昨年の食痕はちょっと茶色くなっていて、新鮮な食痕は緑色をしているそう。新鮮な食痕を見つけられたら、そこには昆虫がいるとのこと。食痕から昆虫を探すので、全く進みません。

 

▲食痕の犯人を見つけた!

▲食痕の犯人を見つけた!

『水生植物園』にむかいます。

ここは東京23区、港区。オフィスビルの近くに、こんな湿地があるとは思いもしませんでした。池や湿地に生息する植物や、魚、亀が日向ぼっこをし、鳥も見られます。

 

▲「湿生植物園」にて。この日はダイサギのお食事風景が見られました。

▲「湿生植物園」にて。この日はダイサギのお食事風景が見られました。

『武蔵野植物園』

武蔵野の草原や雑木林が残り、アマナやカタクリなどの野草類が見られます。

野鳥のシジュウカラの鳴き声も聞こえる気持ちの良い場所でした。

▲ここが港区とは思えない・・・

▲ここが港区とは思えない・・・

そもそも、なぜ白金観察会がスタートしたのか、創立に携わった大久保さんに話を伺いました。

ちょっと恥ずかしい話なんだけど・・・と話してくださったのは自身の人生についてでした。

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▲白金観察会の大久保さん

▲白金観察会の大久保さん

私が自分の体力を鑑みて、動けるのはあと数年・・・70歳までだと思っていたんです。

 

私は自然のプロというわけではないけど、都心に素晴らしい自然環境が残されていることを伝えたい。

「70歳のタイムリミットまで、あと3年しかない!」と思い、白金観察会を立ち上げたのが2013年のことです。

 

そこで、指導員の先輩方に自然観察会の立ち上げについてアドバイスをいただいたところ、皆さんが快く白金観察会に協力してくださいました。

たくさんの方にバックアップいただき、今年10周年となるわけです。


創立2年目からは、品川区教育委員会のご協力で、品川区の小学校38校に白金自然観察会のチラシを配っていただけることになりました。

対象は小学3年生。小学3年生なら、自分のお兄ちゃんお姉ちゃん、弟妹を誘って、親子で来てくれる可能性も高いと考えました。

 

そこから参加者も増え、10年間、途切れることがなく観察会を続けてこられたことは、大勢のリーダーのおかげです。

白金観察会に参加された方は、ざっと1000人を超えるんですよ。


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自然観察指導員は、身近な自然を観察することが自然保護につながるという考えのもとに活動をしています。

大久保さんからは、自分の年齢のタイムリミットを考えた、という一念発起の話しから、「子どもたちに今ある自然に触れてもらいたい」という熱意を感じました。

▲片栗粉の原料となる「カタクリ」が満開(3月19日時点)

▲片栗粉の原料となる「カタクリ」が満開(3月19日時点)

第40回白金観察会の下見も終了し、たくさんの植物や昆虫を観察しましたが、私はまだまだ観察したかったので、終わった後も2時間ほど自然教育園に滞在してしまいました。

 

植物から昆虫、魚、亀、鳥まで、様々な生き物と出会え、どれだけいても飽きることのない場所でした。

▲年間パスポートをゲットした。自然教育園で自然をチャージし放題!
みどりのパス:年会費900円で筑波実験植物園と共通で利用できます。

▲年間パスポートをゲットした。自然教育園で自然をチャージし放題!
みどりのパス:年会費900円で筑波実験植物園と共通で利用できます。

ポイント③:国立博物館附属自然教育園の歴史

自然教育園の生い立ちは、今から400〜500年前の豪族の館からはじまります。

この地方を治めていた「白金長者」が、館を構えた跡が残っており、当時の遺跡の一部と考えられています。

江戸時代になると、高松藩主の松平讃岐守頼重の下屋敷となります。

園内には、当時の庭園にあった「物語の松」などが残っています。

 

明治時代になると、一転火薬庫となり、海軍省および陸軍省の管理となりました。

昭和になり、文部省の所管となり「天然記念物および史跡」に指定され、国立自然教育園として一般に公開されるようになりました。

平成になって、独立行政法人 国立博物館附属自然教育園となり、自然および自然保護の教育に貢献する施設として整備され、現在も続いています。

 

長い間、一般の人が立ち入ることができなかったため、昔ながらの自然が残されてきた自然教育園。

 

その結果、自然の宝庫となり、植物1473種、昆虫2130種、約130種の鳥類が確認されています。

 

 

 

豊かな自然とは出会いにくい東京で、都心に現れたオアシス。

自然教育園は、都会で活気あふれる日々を過ごしていながらも、ちょっと自然が恋しくなったときに、自然を緊急チャージできる場所にもってこいです。

 

都会のど真ん中で自然を緊急チャージしたいならココ!365日野草生活のんイチ推し。_829146

※自然を保護するためのお願い※

自然教育園は自然を保護するために一般の公園とは違い、入園者が同時に300名を超えないようにしています。このため、入園者が多いときはお待ちいただくことがあります。

国立科学博物館附属自然教育園

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2023年にサービス開始した、東京の隠れた魅力を発信する投稿プラットフォーム『偏愛東京』。


今回のナビゲーター365日野草生活のんさんも『癒しの東京野草散歩』としてコミュニティを開設しています。


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本記事内の情報に関して

※本記事内の情報は2023年04月13日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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