4,000軒以上のカレー屋を渡り歩く、カレー愛好家がナビゲート!
日本全国・海外あわせて4,000軒以上のカレー屋を渡り歩くカレー愛好家、カレー細胞です。今回は「カレー飲みするならココ!」という新店を紹介します。
何を食べても美味しく、何を食べても居酒屋メニューとしてしっくりくる、My Best カレー飲み処/ガヤバジ
最近「カレー飲み」「スパイス飲み」というコトバが広がっているのをご存じですか?
一皿でお腹いっぱいになってしまう昔ながらのカレーライスのイメージとは異なり、お酒を飲みながらチョコチョコと楽しめるカレーやスパイス料理のお店がどんどん増えてきているんです。
今回ご紹介するのは浅草の路地裏にある「ガヤバジ」。
普通の飲み屋じゃありません。けど、普通の飲み屋としても使えるんです。
というか、ここを知っちゃうともう、浅草の飲みはここでいいよねと思える使い勝手の良さなんです。
但しそれは、知っている人だけの特権。
簡単に見つかるお店じゃないんですから。
まず戸惑うのは、びっくりするほど狭く小さな門構え。
ホントにここでいいの??
いいんです。
長い長いアプローチを恐れず進んでいきましょう。
ほら、ちょうど良い広さの隠れ家にたどり着きました。
実はこの「ガヤバジ」、日本全国でも珍しい西インド料理のお店(カリブの西インド諸島じゃなくインドの西部です。念のため)。
大阪出身の冨永卓見さん(通称トミーさん)と西インド・マハーラーシュトラ州プネー出身のガヤトリさん(通称ガヤさん)のご夫妻が営むお店です。
最初は大阪で間借りカレー店としてスタートし、2019年に浅草へと移転。2021年2月にこの場所で実店舗オープンとなりました。
ところで・・・南インド料理なら最近あちこちで聞くけれど、西インド料理って??
西インドで一番有名な都市といえば、インド第2位の人口を誇るムンバイ(旧名:ボンベイ)。インド映画の聖地“ボリウッド”を擁する一大娯楽都市でもあります。必然的にカジュアルなストリートフードや軽食などが多いんです。
この「ガヤバジ」もコロナ禍の影響で夜営業が制限された期間には、モーニングとしてムンバイのハンバーガーなんかを提供していました。
現在は軸足を夜へと移し、西インド特有の「気軽につまめる軽食」を肴に飲める居酒屋として、地元の常連さんたちを増やしてきています。
そう。インド料理マニアだけじゃなく、居酒屋好きな地元の方が来ているんです。ここが重要ポイント。
まずは一杯、特徴的なお酒からはじめましょう。
ハイボールです。けれど普通のハイボールじゃなくて「シカンジハイボール」(600円)。
ブラックソルトと言われる岩塩を加えた、ちょっと硫黄のような香りがするダンディーな一杯です。何と言いますか、那須塩原あたりの強めの温泉の香りと言いましょうか(スパイス好きには温泉好きが多いからきっと分かってもらえるはず!)。
正直クセはありますが、そのクセがとってもクセになるクセなんですよね。
ちなみに普通のハイボールや生ビール、インドのビールやラム、ウイスキーなんかもありますのでご安心を。
こちらが居酒屋フードメニュー。
全体的にスパイスを用いた料理が並んでいるのですが、説明をよく見ると実はどれも、日本の居酒屋でよく頼んじゃう料理に対応しているんですよね。
ナッツにポテサラ、もつ煮込み、オムレツ、カレーってな具合に。
中でもまず頼むべきオススメがこちら。
「バルリミルチ」(450円)。
砕いたピーナッツをスパイスなどと炒めた具材を、ししとうの中にギュッと詰めて素揚げしたという、とても手の込んだ一品。その手間に対して「いいんですか?この値段で」と心配になりますが・・・。
片手で口にぽいぽい放り込めるし、まあ最高の酒の肴。これだけでいくらでも飲めちゃいます。ちなみに辛さはほとんどありません。
〆に小腹を満たしたいなら、個人的にはこのカレーがオススメ。
「ガオランチキン(ライス付き)」(850円)。
ガヤさんの故郷マハーラーシュトラの「田舎風チキンカレー」です。日本で出しているところ他にはないのでは?
もう、これ最初に食べたときビックリしました。
何がって?
単純に、普通に美味しかったからです。
食感シャバシャバ、辛さはほどほど、鶏のうま味がしっかり楽しめるのに加え、独特なビター感がなんとも心地良い。
「西インドの珍しい料理」って予備知識なんか全く必要ない、めちゃくちゃ完成度の高いチキンカレーなんです。
というか、このカレーしか出さないカレースタンドがあったとしても人気店になるんじゃないかしら。しかもサラッとしているから、飲んだ後でも全然重くないのです。
メニューに並ぶ料理はどれも、他店にはない珍しいものばかり。
けれども「ガヤバジ」の本質はそこじゃない。
何を食べても美味しく、何を食べても居酒屋メニューとしてしっくりくる。
むしろ、インド料理の知識ゼロで行ったほうが「なんかすっごくいい居酒屋みつけたんだけど」って素直に思えるのかもしれません。
そして、一番大切なポイントは、トミーさんとガヤさんの人柄の良さ。ふらり一人でお店に入っても、思いっきり和んでしまいます。
「ごちそうさま」と言ってお店を出て、長い長いアプローチを歩いていく頃にはもう「あぁ、また行きたいな」と思ってしまう、浅草の「My Best カレー飲み処」なのでした。
〒111-0035
東京都台東区西浅草 1-6-2
田原町駅
〒111-0035
東京都台東区西浅草 1-6-2
田原町駅
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※本記事内の情報は2022年09月16日時点のものです。掲載情報は現在と異なる場合がありますので、事前にご確認ください。
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